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昼食は生徒と一緒に食べるもの~高校教師のお昼事情~









みなさん、毎日のお昼、きちんと摂れていますか?昼も何かと忙しいですよね。職員室、分室等でのお昼もそれなりになごめますが、生徒と一緒に食べるお昼はまた違った味わいがあるんです。

みんなでワイワイ食べるご飯の味もまた格別なのですが、職員室にこもっていては見ることのできない風景や生徒の表情が垣間見えるのです。たまには職員室を飛び出して生徒と一緒にひるごはん食べてみませんか?

私が生徒と一緒にご飯を食べるようになったワケ

私はこれまで、高校だけですと定時制を入れて四校渡り歩きましたが、生徒と一緒にごはんを食べる教員なんてまず、いませんでした。たま~に一年に一度、教育実習生が一緒に食べてくれるくらいなものです。これまで一人たりともです。

小中学校は給食でしょうから、担任はほぼクラスに張り付きで、授業の延長にようなものですね。本当におつかれさまです。では、なぜ高校教員は生徒と一緒にご飯を食べないのでしょうか?

一つに、忙しすぎてそこまで手が回らない(私もこどもと食べるようになる前までは、手が空いた時に食べたり、食べなかったり~摂れても時間的に5~10分、それもお行儀は悪いですが仕事をしながらでした)ということがあるのでしょう。そして、もう一つが「昼くらい一人になりたい、一人にさせてよ」~という本音、そして余計なトラブルを見聞きしたくない、仕事増やしたくない~という思いがきっとあるのでしょう。

私も初任地では教職員のすべてが職員室、分室等で食べていたので、それが当たり前と思っていました。しかしですね、はじめての異動先で何気なくお昼のクラス風景を見回っていたところ、彼らが見せる表情が授業時のそれとはまるで違うのです。(当たり前なのですが)

ちょっと病みつきになり、何度か見回りをしているうちに、普段見えてこない人間関係が見えてきたり、複雑な問題が浮かび上がってきたり~と得るものがとても多かったのです。昼食時のこどもらはダイナミックで面白いのです。「食べる」という行為は「生きる」ことそのものなので、人間性がむき出しになる部分もあるんですね。ご飯の食べ方ひとつを観察しても、こどもの育った環境がちょっと見えてきたりして実に勉強になるのです。

それからは、このとっておきの時間を活かさない手はない~とひらめき、クラスを持った次年度からは早速、自分のクラスの生徒たちと一緒に昼食を摂るようになったのでした。やってみてよかったですよ。

それは、クラスに行かなければそれなりにちょっとは休めたりもしますが、最初からこういうものだ~と思えばなんてことないですし、得ること云々よりも何よりやっぱり生徒と話しながらのごはんはおいしかったです。高校ですと、ほとんどの生徒が小グループに分かれて机を島にしてごはんなのですが、日替わりで違うグループと一緒にごはんでした。

当初、同僚からは「変わってるね」「疲れない?」「昼くらいしか、生徒と離れられないのに~」などと奇異な目で見られたりもしましたが、これが毎日となってくると、それが自然な風景になっていってしまうものなのです。子どもたちも最初だけです。戸惑うのは。

前にも話しましたが、昼食を一緒に食べるメリットはたくさんあるのですが、つらい現実を目の当たりにすることもしばしばでした。できれば目にしたくない光景でした。家庭の事情でこどもの弁当を持たせることができず、買い弁させるのはまだましなほうなのです。

学校に来ている時間以外のほとんどをバイトに費やし、家に生活費を入れている生徒が、節約のために昼を抜いているのでした。最初のうちこそ教室にいましたが、次第に昼休みは教室以外の場所で過ごすことが多くなっていきました。

何度か家庭とも話し合いの機会を持ち、昼食を持たせるように頼んだりもしましたが、こういった家庭の領域の問題がからんだ時は、教師の非力さを痛感したものでした。最初のころは、私もひどいことをしてしまったものでした。

あまりにも見ていられなかったので、自分のごはんを分けてあげたりしていたのです。何の解決にもならないことは分かっているのにです。いま思うと本当にひどいことをしたと悔やんでいます。もらう彼女の立場を考えたら、こんなことできるはずないですよね。苦い思い出です。

しかし、こういった事実も、昼食を生徒とともにしなければ、まったく知ることができなかったことなのです。このことはとても大事なことだと私は思うのです。

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高校教員って、みんな昼ごはんどうしてるの?!

高校教員だって、忙しい人は昼休みなんてあってないようなもの。昼食をクラスで摂るようになる前は、昼になると入れ代わり立ち代わりこどもたちが色々な用事で職員室にやってきて、あっという間に昼休みが終わっていました。そうでない時などは、たまりにたまっていた仕事をやっつてけてました。

一緒に昼を食べなくともよい高校教員でさえ、これですもの。小中学校の先生方の大変さ、お察しします。特に小学校は、しつけの部分もあると思いますので、まさに「給食指導」=食育ですね。そこのところ、高校教員は時間的負担は軽いように思います。

みんな、職員室、分室(たいてい、2つ3つは机といすがありますよ。私もたいてい、職員室、教科室、指導部室と3つの部屋がありました)などでそれぞれがそれぞれのスタイルでごはんです。

家庭持ちは愛妻弁当、かあちゃん弁当、単身者はコンビニ弁当、カップ麵などなど。そしてほとんどの高校には業者さんが入っているので、その業者さんからパン、弁当など買うこともできます。クラス持ちは、生徒と一緒に注文してもいいですね。

気の利いた私学なんかには学食なんかがあったりするのですが、公立ではまずありつけないでしょう。そして、職員室、分室などには冷蔵庫、電子レンジもちゃんとありますのでとっても便利なのです。夏の暑いときは、やっぱり好きな飲み物が飲みたいですよね。学校の自販機から買うのもアリですが、いっつもワンパターンです。

おいしいお昼で、午後の活力を得た後にはちょっと面倒くさいことをしなくてはなりません。そうです。ハミガキです。職業柄、忘れてはなりません。ハミガキはどうしてもしたくない~という人であっても、最低限のケアは必要です。

今は、ハミガキ以外のブレス商品が目移りするくらい出ていますから選ぶのも楽しいですよ。毎日、ハミガキしてると、磨かないでいると気持ち悪くて仕方ないのです。

ハミガキは教員の中で毎日行っている者が、私の勤務していた当時で2~3割程度です。臭う人がいても、なかなか口臭については本人に伝えていいものか二の足を踏んでしまいます。それだけ、デリケートな領域なので気を遣うべきです。

※「教師の身だしなみとエチケット~どんなスタイル・服装で学校に行けばいいのか~

同僚に対してもそうですが、相手は多感な年ごろの児童生徒です。生徒は、公立で同じように2~3割、私立女子校で半々といったところでしょうか?特に女子校の両極端さが半端なく、ビックリしたものです。潔癖すぎるくらいのキレイ好きなこどもがいる一方、シャツの襟が真っ黒で臭ってくるような生徒がいるのですから何でもアリなのです。

お昼のはなしの最後におまけですが、「おやつ」についてです。流石に教頭をはじめたくさんの教職員がいる職員室で仕事中に「おやつ」ポリポリ~やる心臓なツワモノはあまりおりませんが、分室、特別室はなんでもアリのワンダーランドです。

私は間食をする習慣がないので、付き合い以外ではやったことはありませんが、特に女性教員はおやつが大好きなようです。しょっちゅう口動かしてます。昼ごはんの後に、甘いものとか入れられるなんてスゴすぎます。なごみになるのなら目くじら立てるものでもありませんが、四六時中食べてるのってどうなんでしょう?



担任でない先生にこそ、入ってきてほしいのです。
担任も生徒たちも・・・

クラスを持っていないとなかなか、教室に入って一緒にご飯~などとは普通ならないとは思いますが、だからこそ入ってきてほしいのです。学校というところは、なんでもこれまでの慣習やらしきたりに縛られがちなところです。別に弁当を一緒に食べたからって大きく何かが変わるわけではないとは思いますが、いいと思うことは「これまで」なんかに縛られず、どんどん若い人たちで変えていってほしいと思います。

別に大したことをやるわけでもないので、大仰に構えず軽い気持ちで入っていってはどうでしょうか?クラス担任でなくとも、教員ですので教科担当のクラスを日替わり、週替わりで回っていく~なんてあったら子どもたちも喜ぶでしょうし、面白いと思います。

重い腰を上げるのがたいへんなのは、最初だけです。誰もやっていないからこそ、やるのです。やる価値があるのです。そうそう、担任、学年の許可だけは事前に取っておいたほうが無難ですね。教員という人種、決して一括りにしたいわけではありませんが、プライドだけは高い人がとかく多い世界です。スジだけはきちんと通しておいたほうが無難です。

回数を重ねていくと、担任が知りえない情報が耳に入ってくることでしょう。生徒のプライバシーにかかわるような個人的なことだけであったら当事者同士の「ないしょばなし」で済みますが、生徒指導にかかわってくるような内容であったなら、自分一人で抱え込むことは当然できません。ここが悩むところですね。繰り返しになりますが、スタンドプレーは許されないところなのです。学校というところは。

例えば、学校の許可取らずに運転免許取得していた~なんて事実を生徒がポロッと何かの拍子に漏らしてしまったときなんかどうしますか?このような時には迷わず、本人自ら担任に申し出るよう進言すべきです。指導が通らない場合、「自ら申し出ないのであれば、私から言うようになるが・・・」と付け加えなくてはなりません。クルマの運転という行為はある意味命のやり取りです。生徒、その他の命にかかわることで秘密はあり得ません。事故って後から「実は知ってました~」なんて言い訳が通用するはずもないのです。

ごはんを共にするのは何も「友達、知り合い」として接する訳ではないのです。あくまでも自分は「教師」としてお昼をいっしょにしている~ということを忘れてはいけません。ここの線引きをきちっとできないのであれば、最初から「一緒にごはん」~などは考えないほうがマシです。

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楽しんでこそ「お昼!」ですよね!

教師が生徒のお昼事情がちょっと気になるのと同じように、子供たちもまた、教員がどんなものを食べているのかに興味津々です。毎日、自分のクラスでごはんを食べてると、お互いにそれが当たり前の風景になってあまり新鮮味がなくなるので、倦怠期に入ったころには副担任の先生に来てもらったりしてました。

また、生徒からのリクエストでさまざまな教職員のみなさんにお世話になったりもしました。生徒はこういうの喜ぶんですよね。生徒だけでなく、来てくれた人たちも実に楽しそうでした。

実際、生徒たちが学校で直接触れ合う大人たちというのは限られています。あえてこういった出会いの場を設定するというのもたのしいものであり、無駄なことではないような気がするのですが。たしかに新しいことを始めれば疲れもしますし、あまりのんびりはできませんが、せっかくの「縁」、楽しんで大切にしたいと私は思います。

現職の先生方は明日から、未来の先生方は教壇に立った暁には、職員室を飛び出してごはん、食べてみませんか?あたらしい風景がきっとみなさんを待っていますよ!

最後の一句

ひるごはん いっしょに食べれば 何かある!














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