NHK朝ドラ

『ひよっこ』第17週102話~そして、運命の時~  雨、雨男、雨音、涙雨~

前回、「第17週101話~世津子と実の接点~運命の人、運命の時(ネタバレ予想)」で運命の時が近づいていること、そして
予想を①実さんの新事実をバラす ②ずばり実さんに会わせる~この2つに絞って予想しましたが、みなさんの予想とやっぱり一緒でしたね。
「記憶喪失」もズバリ!でした。
われらがみね子嬢が、お父さんにやっとやっと会えたのはうれしいけれど彼女の心中を察すると切ないです。
今回は久し振りの実さんの登場、そしてディープな回でしたので、予想、ネタバレはよしにして、もう一度深く物語を噛みしめていきたいと思います。

嵐の前の静けさ

悲しい目をしてるなってちょっと思って・・・

愛子さんがあかね荘で世津子さんとはじめて会った時のセリフでしたね。
さすがは愛子さん、今の世津子さんの心中を見事にとらえています。愛子さんと目があった時、世津子さん、ちょっとの間おいて目を逸らしてしまいました。
これからみね子が直面しなくてはいけない現実を知っているから、愛子さんのまっすぐな眼差しに耐えられなかったのですね。きっと・・・
みね子がかわいそうで・・・

みね子を想う気持ちはみんな一緒・・・
鈴子さんも心配してきてくれましたね。

102話は激動の回のひとつでしょうが、そんな中にもしっかりとあったかくなる場面を用意してくれました。

十分いやなこと味わってきたからねあの子は・・・
はいそうですね
お父さんのことに始まってね
ええ
もう・・つらいことないといいなぁ~何か心配だね
東京の母としては
はい私も心配です
東京の姉としては
何ですか?
フフフ!

そうですよ、若いんですよ、魅力的なんですよ、みね子の東京のおねえさんですもの、愛子さんは。
どんな状況にあっても、いっつもみね子の周りにはあったか~い人が集まり、想い想われの関係は相変わらずのようです。
しあわせものですね、みね子さんは。

考えてみると省吾さんと一緒になったら鈴子さんが「おかあさん」になるんですもの、やっぱり「お姉さん」がピッタリなのかも。
未来の二人を見ているようで和めました。

そして、再開・・・子のこころ親、知らず・・・

今日はお客さん連れてきた
えっ?珍しいね、いや初めてか
どうぞ
お父ぢゃん?お父ぢゃん!
雨男さん
え・・・?
あなたのお嬢さん
え・・・?
谷田部みね子さん
そしてあなたのなまえは谷田部実さん
あなたのお父さんはね、何も覚えてないの、昔のこと
自分の名前もどこで生まれ育ったのかも
家族のことも

世津子さんと実さんとのこの会話から、みね子にとっては切ない二人の過去があったようです。
会って、すぐの二人の会話でないことは明らかです。
一方、みね子の問いかけにも反応できず、申し訳なさそうな雰囲気が漂っていましたね。
実さんの実直な人柄は相変わらずなようで、ちょっとだけ安心できましたが、
まったく過去の記憶がないとはいえ、お父ぢやんに会える日を待ち焦がれていたみね子、そして奥茨城ファミリーを思うと
辛すぎます、こんなの・・・
二人をみつめる世津子さんの涙が更にこのシーンを悲しいものにしています。

うそだそんなの
うそだ!だって!だってお父ちゃんですよ!
覚えてないなんてそんなこどあるわげないでしょう!
ねえみね子だよお父ちゃん
どうしたのよ?何でそんな顔してんの!?
ねえみね子だよ?お父ちゃん?嫌んなったんでしょう?私たぢのこど
それともなにもかんも?ひどい目にあわされて嫌んなったんでしょう?
だがらいなぐなったんでしょ?そうでしょ?それは私分がっから
私分がっから
お父ぢゃんがこごにいたいんならいいよ
お父ぢゃんがこごにいだくて帰りたぐないんなら私・・会わなかったこどにすっから
帰るし・・
今日のこどは忘れっから
それでいいがら
生きててくれただげでうれしいし・・
お父ちゃんのこど責めるつもりなんて全然ないがら
全然ないがら・・・
んだがら・・・
覚えでないなんて言わねえで・・・
みね子だよ、お父ぢゃん・・・
みね子さん聞いてお願い、あのね・・
いやです!嫌ですこんなの!イヤです!

なんと切ないシーンでしょう!
この日をどんなに待ち望み、眠れない夜を数えたことでしょう・・・
それなのに、それなのにずっとず~っと心の中で語り続けてきたお父ぢゃんを目の前にして、再会(とは言えないかもしれませんが)の喜びを分かち合うことも、
あまりにも辛すぎる現実を前にしても、お父ぢゃんの胸で泣くことも許されないのですから、運命ってものがあるとしたら酷すぎます・・・

生きててくれただげでうれしいし・・

この言葉にみね子の想いがすべて詰まっているようで胸打たれました。
東京に出てきて一年半、社会人として立派に生きているみね子も大人になりました。
自分の想いを打ち消して、~生きててくれただけでうれしい、ここにいてもいい、知らなかったことにする~

そして、
覚えでないなんて言わねえで・・・
みね子だよ、お父ぢゃん・・・
それでも、それでも本心が漏れてしまいます・・・

いやです!嫌ですこんなの!イヤです!

これまで様々なできごとを経験してきたみね子ですが、これほど取り乱して自分の気持ちをストレートに表現する彼女を見たのは初めてです。
あんなに大好きだったお父ぢゃんが自分のことをが分からない~この事実が彼女にとってはどんなことよりも辛く、受け入れがたいことだったのでしょう。
お父ぢゃんの手をずっと握り続けていたみね子の両手を、そっと優しく握り返し、そして離したのも実さんならではの優しさでしょう。

感情を爆発させてしまって雨降りしきる中、世津子さんちを飛び出してしまい泣き崩れるみね子に優しく傘を差し出した人物は
やっぱりあの優しいお父ぢゃんです。
今回はみね子にとってもまわりのみんなにとっても、切ない現実を突き付けられた物語でした。
しかし、そんな中にも誰かを想い想われの絆の強さ深さが伝わってきて、相変わらず人のこころに優しく響くストーリーで救われました。

予告編でちょっとだけこれからの矢田部家とあかね荘を見せてくれましたね。
どんな状況にあっても太い絆で結ばれたファミリーです。仲間です。
困難が更にみね子とみんなそれぞれの絆をきっと更に強いものにしてくれるでしょう!

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