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男女別学 男女共学 それぞれのメリット・デメリット~女子校勤務で学んだこと~

投稿日:2018年1月14日 更新日:

世相を反映してか、現代の日本では男女別学は確実に減少しています。特に公立学校での男女共学化が著しいです。長い間、伝統的男子校・女子校として存在してきた地方の有名進学校などでもどんどん共学化が進んでいますね。

しかし一方、地方(特に北関東)の高校、毎年、東大などに数多く進学させている一部の超有名進学校などではいまだに男女別学のスタイルを堅持しています。果たして、「男女共学」と「男女別学」どちららがよいのでしょうか?

教員採用試験~公立高校であれば、異動でたいていどちらも経験はできるでしょうが、私立高校も選択に入れるのであれば、どちらかを選ばなければなりません。また、将来親になったなら、こどもの進学先を考えるにあたって当然この問題にぶち当たります。目先の進学実績などで選択するよりも、自分はここでいったい何をしたいのか、自分のこどもにどのような教育を受けさせたいのか?子供の本当の気持ちは?~こういったことをまず考えてみるべきではないでしょうか?

男女別学、共学それぞれ現に存在するのですから確固とした理由があるのです。それぞれにメリット・デメリットがあるのです。どちらがいい?なんて質問には答えが正直ありません。勤める者の志、入学者の意志にできるだけ近いところを選べばいいだけなのです。と言ってしまっては身も蓋もないですので、今回は男女別学・共学の是非について一緒に少し考えていきましょう。

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どちらが自然ですか?

「交流教育」という言葉を教員志望の方でしたら耳にしたことはあると思います。ニッポニカによりますと交流教育とは「障害のある子供が、小学校や中学校などの障害のない子供と交流することによって、学習面や生活面などにおいてさまざまな経験を交換しあい、人間形成、社会適応、学習活動など種々の面で、教育効果を増大させるために行われる教育活動」と定義づけています。

この意味付けでは主体はあくまでも「障害のある子供」になっておりますが、大事な視点が欠落しています。そうなのです。交流されるほうの側、健常な子どもにとっても当たり前ですが、教育効果が増大されるのです。つまり、混ざりあう両者どちらにもメリットがあるということなのです。

最近では自治体によっては、小中学校、特別支援学校間の教員異動交流が義務付けられているところもあります。隣接領域のこどもたちと直に触れあうことで得られるものは大きいでしょう。このように。私たちの生きるこの世界は、様々な人たちとの関係性の中で築かれるものなのです。性差、障害のあるなしによって本来区別されるべきものではないのです。そこをあえて「別学」にしてきたのは、「教育効果」のため~ということになっていますが、実際は「教育効率」のためでしょう。分けて行えば時間、労働を効率的に振り分けることができるのですから。

たとえ、中高時代、私立一貫男女別学で学んだとしても社会に一歩足を踏み出せば、そこには当然老いも若きも、男も女もいるのです。中高の多感な人格形成期に雑多、パワフルな経験を積んでおくことはこれからを生きていく子供たちにとって自然且つ重要なことだとは思えませんか?
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私は共学校での経験がほとんどですが、教科が「高校商業」であったためクラスのほとんどが女子であり、半ば別学のようでした。しかし、クラスを一歩出れば、共学クラスですので校内での彼氏持ちも当然多く、部活動をはじめさまざまな交流がありました。かといって「男女別学」はいけないなどというつもりは毛頭ありません。男女別学のメリットもそれなりに理解はしています。女子校勤務で別学のメリット、デメリットいやというほど味わったのでした。

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女子校で気付いたこと

長年勤めた公立高校を退職し、しばらくのブランクを経てたどり着いたのが私立の女子校でした。たまたま自宅から通えるところで空きがあったため、深く考えることなく決めました。入職初日から驚くことばかりでした。これまで女子生徒を相手にしてきたことが多かったのですが、生徒が女子だけというのは初めてでした。ある意味、特殊且つ不自然な空間でした。表面上の気付いたことを挙げてみます。ずっと男女別学で過ごしている人たちから見たら当たり前なのでしょうが、私にとっては新鮮でした。

トイレは教職員用しか使えない。(これまでは、生徒用のトイレもワルサ防止のためにちょくちょく使っていたのに不便極まりなし・・・)

更衣室無し、教室で着替える。(着替え時はカーテン使用するクラスとまったく意に介さないクラスがあってビックリ。「じきに慣れるよ」~と言われても・・・)

クラスにもよりますが、掃きだめのような環境で異臭がプンプン(異性の目がないとこうなのでしょうか?クラス担任の指導力にもよると思うのですが・・・)

共学よりも女子力の落差が激しい(と思われる)。しかし、当然おしゃれな女子もたくさんいる。

夏服冬服ともお金をかけているだけあってオシャレ!(且つシャツ、リボン、ソックス等のアクセ関係もバリエーションがいろいろあって、おしゃれを彼女なりに楽しんでいる。)

教科を担当していないまったくの見ず知らずの生徒からもちょくちょく声を掛けられる。

公立高校に比べて女性教員の割合が高い。

女子校特有のクラスカースト制度(うまく棲み分けているものなのです)

そしてしばらく経って、私なりに気付いたのが次のようなことなのです。

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男女別学はなぜあるのか?

クラス経営、授業でのライヴ感、盛り上がり感も男女共学と別学ではまるで違う。ただ単に、クラスによる差異だけと片付けることのできない何かがある。

別学の恩恵を有り余るほど享受している生徒と、そうでない生徒の落差がありすぎる。

クラスカースト制度は存在はするが、つぶしあうような敵対関係ではなく、きちんと住み分けられており、公立よりよほど「生物学的」だなと感心した。お互いに助け合う雰囲気がある。

共学のよさは確かにある、しかし一方別学による教育効果の大きさも無視できない。


学校長による採用面接を受けた時のことです。「男女異なる特質に応じた、最善の全人教育を施している!」と言われ、それが何なのか自分なりに在職期間に追い求めてはみましたが、それがなんであったのか結局答えは見つかりませんでした。性差による理解のプロセスに応じた教科指導を~と意気込んだものの、自分ではそれほど、共学と比べて落差があるとは思えなかったのでした。

しかし、女性特有の生真面目さ、繊細さ、やさしさ~こういったものを直に感じられたのも事実です。プリントを一番後ろの生徒が集めて教壇に持ってくるとき、すべてきちんと揃えてこちら向きに両手で相手の目を見て渡す~社会人であればできて当たり前のことですが、これをほとんどの生徒にやられた日にはガツンと来ました。

つまり、女子教育を学校をあげてやっていたのでした。女子に特化した教育です。女子力が否が応でもアップするわけです。極めつけは授業の開始と終了時です。先にも話しましたが、私は授業チャイム開始に間に合うように毎時、職員室を後にしていたのですが、生徒が全員起立無言で教師を待っているのです。そして終了時「終礼」をした後、教員が教室を去るまで全員起立で見送るのです。最初は仰々しくてイヤだなと思っていたのですが、これが毎時となると習慣とは恐ろしいものでなぜか、このスタイルが清々しいものに思えてきたのでした。

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さらには男女一緒くたにして、すべて同質ととらえて画一均一的な教育を施すのは、男女それぞれがもっているすばらしい本来の特質をダメにしてしまうのではないか?とさえ思うようになってきたのでした。物事には何であれ一長一短あるものです。確かに男女別学のメリット、教育効果は無視できるものではありません。しかし、いかに別学の教育効果が優れていても私が勤めるのであれば、自分の子供を入れるのであれば男女共学校を選択します。

もうこれは個人の価値観の問題なのです。どちらもそれなりにいいのであれば、両者を天秤にかけ、すこしでも自分、子供の将来に益するほうを選べばいだけなのです。効果や効率ももちろん、限られた時間の中なわけですから重要でしょう。でも、効果や効率を犠牲にしてもなお有り余るメリットが共学にはあると私には思えるのです。これまでクラスをいくつか持ってきましたが、男女一体一丸となってさまざまな問題に取り組んでいくあのライブ感が忘れられないのでしょうね。

教員採用試験、入学試験・・・男女共学、別学どちらを選ぶにしても選んだ道があなたの生きる道です。自分の内なる主人に胸を手を当ててじっくりと考えてみませんか?お子さんとじっくり話し合ってみましょう。道は人それぞれなのですから。

 

 

 

 

 

 

 

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