教育・教師 生徒指導/教育技術

子どもの担任を越えての相談にはどう対処すべきか?~教師であるならば~

教師を長年やってると、「他のクラスの生徒から相談された~」「なんで自分に相談しないでアイツなんだよ~」なんてことありますよね。

児童・生徒からしてみれば、いちばん相談したい、しやすい教師に足が向いてしまうのは仕方のないこと・・・誰も彼らを責めることなんてできません。「相談は(まず)担任にすべきもの」なんて担任の考えなんかこれっぽっちも忖度してくれませんもの。

でも、担任を飛び越えての生徒の相談はさまざまな面で問題が起こりがちです。そこで今回は、この問題に対してどう教師として取り組んでいったらいいのか、いっしょに考えていきましょう。









生徒第一主義を貫き通せるか?!

教師はおおむねプライドの高い人が多いのは、みなさん毎日イヤというほど感じていることでしょう。この「プライド」というものは実にやっかいです。

「僕、そんなの聞いてないよ!」

「私に相談されてもね、〇〇先生との関係上困るわ・・・」

飛び越えられても、飛び越えてもどちらのプライドも傷つくのですね。

教師のプライドと子どもの気持ち・・・どちらが大事でしょうか?

実際、私も当然どちらも経験してきましたが、飛び越えられるのは正直へこみますし(頼りないのかなぁ、信頼されてないんだなぁ~)、飛び越えて相談に来られた日には(どうしよう?ちょっと面倒なことになるかも?)~なんて、どっちもどっちですよね。

でも、教師であるならば当然、生徒の気持ちを優先させなければなりません。相談された時でも、飛び越えられた時のどちらでもです。相談者、相談の相手を選ぶ権利は生徒にあるのですから。何より、相談の相手を勝手に決められた相談なんて意味をなさないですもの。

ただ、子どもの気持ちを優先させるのに気を取られて、大事なことを忘れてしまうとあとあとたいへんです。面倒を背負いこみ、果ては生徒にとっても相談自体がマイナスなものになってしまうことでしょう。

そうならないためにも、それぞれのパターンについて考えていきましょう。

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相談された時・・・飛び越えるにもルールがある!

生徒の気持ちを一番に考えた時、最初の相談は受けるべきでしょう。その相談がどのようなものであったとしても。

そして、その相談が担任、その他のものが受けたほうがいいケースである場合は生徒にその旨をきちんと話し、理解納得させてから担任等に話すべきです。

このルートを辿らないでいきなり、せっかく子どもが持ってきた相談を担任に暴露してしまった日には生徒は「裏切られた!」「秘密を守ってくれなかった!」となり、問題の解決どころか余計にこじれ、新たな問題発生の憂き目を見ます。

また、ケースによっては担任、その他の人たちと協力してことに当たらなければならない場合もあります。この際にも、きちんと事前に子供に話しておくべきです。

一方、担任その他の協力を仰がないで問題解決にあたる場合に、最低限守らなければならないルールが当然あります。いくら二者間で解決にあたろうとしても、彼らには学校の親であるべき担任と、本当の親がいるのですから。

そうなのです。担任、親御さんに現在、こういうたぐいの相談に乗っている~と必ず話しておくべきなのです。これをせずして結局、問題が大きくなってしまってからでは何もかも遅いのです。

相談に気軽に乗ってその結果、自分では処理しきれなくなって、「担任の先生、親御さん!どうしましょう?!」でははじめて聞かされたほうは「はぁ~!?」でしょう。ケースにより、相談内容のどこからどこまでを話すかは、微妙であり相談を受けたものの裁量に任される問題かとは思いますが、このこともまた同様に生徒に話しておくべきです。

飛び越えられてしまったとき・・・生徒のためと思えばこそ我慢の時・・・

生徒のためを思うのであれば、まずは感情的にならないことです。それは人間ですもの「寂しいなぁ」「面白くない!」「悲しい・・・」いろいろあるでしょうが、相談相手に選んだのは先生じゃなくって、別の先生なのです。

まず、そこを尊重してあげようじゃありませんか?そしてつかず離れずの距離を保ち、問題解決の行く末を見守りましょう。気になるところは二人からきけばいいのですから。そして、その都度、先生ができるアドバイスなりアクションを提供していくのです。

ここで「面白くない!」「プライド傷つけられた!」などと内心思ってそれがオモテに出たりなんかしたら、「器が小さいな!」「やっぱりこの人には、相談しなくてよかった!」などと思われること確実です。「あぁやっぱり、自分のこと思ってくれてるんだ!」って思われたほうがいいじゃありませんか?

次に担任としてやらなければならないことがあります。それは家庭とのパイプ役はやっぱり担任がしなくてはいけないのです。ここのところを間違えて、相談を受けた教師が家庭と色々やり取りすると問題が難しくなってしまうことがよくあるのです。

そして晴れて問題が解決、悩みがなくなった時には一緒に喜んであげましょう。最後に、相談に乗ってくれた教職員に対してのお礼もお忘れなく。

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部活動顧問、養護教諭との連携の大切さ

保健室に入り浸りになっている生徒、保健室登校の生徒、部活動第一の生徒などの場合、担任との連絡を密にしていく必要性が一層増します。

担任には話せないけれど、保健室の先生にはよく相談に乗ってもらっている、あるいは担任との連携がゼッタイ必要~などというシーンがたくさんあることでしょう。私が経験してきた中でも、体育大学進学(推薦)に当たって部活動顧問と連絡を密にして情報を共有していったり、女子生徒が担任には言えない身体の悩みを養護教諭から密かに教えられたり(本人には絶対秘密ということになってはいる)~などのように担任として、担当者といっしょになってやっていくべきこと、知っておくべきことというものが必ずあるのです。

部活動も一つのクラスとよく言われるように、一つの部活動でもさまざまな問題が毎日のように起こるものです。顧問として「これは担任に話しておくべき」と判断したなら、時間を置かず担任に報告すべきです。また担任サイドからも積極的に顧問との連携をはかり、生徒の情報を共有しておかなければなりません。

ご存知のように、いちばんいけないのは「かかえこむ」ということです。すべて自分ひとりで処理する!できる!~と思うのは、浅はかな驕り以外の何物でもないでしょう。

ちょっと立ち止まって考えてみればわかることなのです。子ども一人を卒業まで見ていくにあたって、どれだけ多くの人たちがかかわっていくことでしょう。一人ひとりの教職員のできることには限度があるはずです。能力的にも時間的にも・・・できるだけ多くのものが一人の子どもに寄り添い、エイドしていくことでまた子どもたちも救われていくのではないでしょうか?

「みんなで見守っていく、育んでいく!」という考えに立つとき、「飛び越えられた、飛び越えた~」などという一時の感情が、いかに低レベルの考えであるかに気付かされることでしょう。

私たちが大切にしなければならないのは、生徒のこれから、そしてしあわせなのですから。

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