教師 教師を辞めたいときに 教育・教師

本当に辞めちゃって後悔しない?(教員の転職が難しい訳)~私の転職遍歴から考えるあなたの転職先~








せっかく叶えた教師への夢。しかし、さまざまな事情で教壇を去ることを考えている先生方もいることでしょう。これまで、教師を辞めたいときにシリーズなどで「辞める!」と本当に決めてしまうまで、ワンクッション置くこと、そして辞めるのであれば何より自分の「力」を蓄えてからにしたほうがよいことを詳しく話してきました。そこで、あえて今回は、学校、教師への未練を引きずるような話は避けます。

それでもなお、「辞める!」決心が揺るがない先生、次の仕事、やるべき仕事はもちろん決まっていますよね。退職願を出して伺いを立てて、退職の辞令をもらったその日から、先生はもう「先生」じゃなくなってしまうのですから・・・

今回は、たいへんな決断を下したあなたのために、私の転職遍歴を交えながら先生のこれからの行く先をいっしょに考えていきます。

学校を辞めてなお、学校に未練たらたら
あなたは学校に未練は微塵もないですか?

私の場合、無職となった日から仕事探し~というバカの見本のようなコースをたどりました。からだを壊し、別の世界を見たくなって辞めたというのに、何ら転職の準備もせず「なんとかなるだろう!」と持ち前の能天気で乗り切ろうとしていたのですから何ともおめでたいです。

辞めてからいろいろな仕事をしたかったはずなのに、実際に転職の様々な情報にふれても目が行くのは、やっぱり教育業界ばかりなのです。あらためて自分がどんなに学校が好きだったのかを思い知らされました。せっかくの機会なので、日本のいろいろな地を自分の足で踏んでみたい!という気持ちに駆られ、退職金を使い果たすつもりで始めたのは、京都、静岡、横浜、茨城などを駆けめぐった数年間の仕事旅でした。

この間、受けて実際に仕事に就いたのは、一部を除いてすべて教育業界でした。きっと公立学校とはまた違った視点、視野から教育業界を見てみたかったのかもしれません。このころは四十になったばかりだったのと、同じ業界だったのが幸いしてか打率は8割と高打率をマークしていました。具体的には、フランチャイズ塾の雇われ教室長、通信制高校教員などでした。

異なった視点視野からもう一度、学校を見直すことができたのはとても有意義で勉強になりましたが、ますます学校への思いが強くなっていってしまったのは困ったものでした。自分ではどうしようもない、この「気持ち」の問題はどうしようもなかったですね。

私の場合、学校が嫌いになったとか、仕事がキツすぎてもうやってられないとかではないだけに余計、学校への未練が断ち切れなかったのかもしれません。

私の経験からの話になりますが、いま学校に、子どもたちにちょっとでも未練を感じている先生がいたら、ちょっと待ってください。私と同じような気持ちを味わう事になりますよ、きっと。学校を辞めてからほんとうに長いこと、学校のことばかり思い出され、忘れよう忘れようとしてもなかなか私に取りついて私を離さないのです。こんな切ない何とも言えないみじめな気持ちは誰にも味わってほしくありません。

退職してしまった先生方からの相談も何件かこれまで受けてきましたが、やはり未練が最後まで残ってしまうパターンというものはあるものです。

①結婚を機に思い切って退職してしまった

②学校でのトラブルをきっかけに辞めてしまった

③管理職の誘いがあったため、それを避けるためにあえて退職の道を選んだ

④親の介護・看護のためやむを得ず学校を去った

⑤うつになってしまい、もうこれ以上休職できない

理由としては、これらが主なものですが、これらの先生方に共通しているのは、②のパターンを除き、みんな教職がイヤになったわけではないということです。そして他に自分の目指すべき確固とした行く先が決まっていなかったことも共通事項でした。当然、準備も何もないわけです。

このような事態を避けるためにも、「辞める!」と断を下したなら、「辞めた!」となる日までの残された日々を最大限に有効活用しなくてはならないのです。

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地元に戻ってきてからの転職活動
~辛酸舐めつくしすぎ!~

予定通り(?!)退職金を使い果たし、いろいろな地を回って自分をあらためて見つめなおすことができたのはよかったのですが、地元に戻り、はて、困りました。年齢はすでに40も半ば、そして首都圏のように仕事も多くの中から選べず、当然高望みなんてできるはずもありません。

こういった悪条件の中、教育業界も含めた私の転職トータル打率は3割を切るまでに落ちていったのでした・・・これまでの放浪の旅で「自営」という道が見えてはきたものの、何を始めるにしてもまずは食べていかなくてはなりません。ごはんのために、働かなくてはならなかったのでした。

いまでこそ、自営で自活しておりますが、地元に戻ってからは学童、私立学校などの教育業界は比較的やさしく私を受け入れてくれましたが、異業種では面接までたどりつけず涙を呑む日々が続きました。この間、の合格、就業状態は以下になります。

①合格&就業(原発放射能測定員、市役所臨時事務職員、PC動画編集員、結婚相談所営業事務員、大手住宅メーカー営業、学童保育指導員、私立女子校講師などなど)

②不合格(自動車事故損害調査員、健康器具販売員、地元住宅メーカー営業、幼稚園教諭補助、神奈川県教員採用試験(経験者枠)3年連続不合格などなど)

転職遍歴からわかったこと、気付いたこと

私のように40も近くなってからの異業種への転職は、よほど本人に「チカラ」がない限り自殺行為になってしまうことは、ほぼ間違いありません。もちろん、私に力、そして魅力がなかったであろうことは否定できませんが、何も私だけに限ったことではないようです。

そしてこれらは、教員の転職に限らず、他の業種、業態の方の転職にもあてはまることなのです。教師に限らず、30代半ばを超えてからの転職活動はより慎重にすすめていかなければならないのです。同じ教育業界に転職するのであっても、まさか20代のようにその人の持っているポテンシャルに期待なんかされるはずもなく、即戦力でなければ、とてもとても採ってなんかもらえません。

いま、何ができるか?何で会社に貢献できるのか?しか問われないのですね。厳しいですけれど、これが現実です。この歳になってからの営業、企画、総合職などへの転職はよほど強いコネクションがあるか、即戦力を身に着けていない限り、まず無理~と思っていたほうがいいかもしれません。

私は気付いたのです。教員・教師は転職には向いていない人種なのだ~と・・・考えてみればなったら、なれたら一生モンの仕事であるし、一生続けることが前提の仕事なんですね。

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教師が転職に向いてないワケ!

教師になったその日から初任研があるとは言え一人前として扱われ、「せんせい、先生~」と連呼される~学校教師以外にこのような仕事、私は見たことも聞いたこともありません。そして、赴任初日から、教育サービスの対象である児童生徒に指示出しまくりです。

子どもが主役であるはずの学校なのに、自分が主役でいないとイヤ、自分が主人公のような気分になっている教員って結構いると思います。民間企業行ったとして、自分中心にまわってる~なんてシアワセ気分に浸れるのはキョウビ、かなり儲かっている社長さんぐらいでしょう。

殿様気分だけが、民間との落差ではありません。意外なところにそのGAPはあるのです。教師として学校で生きていくなかで蓄えられるスキルとは、人に寄り添い見守り援助していくチカラ、人をまとめ、導いていくチカラ、同僚を含めみんなとうまくやっていくチカラ~このようなスキルだと思うのです。

この蓄積された経験が、教育業界以外の業界が必要としているスキルとは悲しいことにマッチしていないのです。強いて言えば、コミュニケーションのチカラだけはどこへ行っても必要とされるでしょう。クラスをまとめ経営していくチカラ、事務遂行能力、父兄、地域、教職員との折衝能力なども転職先によっては活かされるチカラだとは思います。

しかし、クラス、部活、授業~と自分が絶えず中心になって狭い学校というハコの中で生き続けてきた人が、いきなり広い世界へと放り出されても、そのギャップに悩むことになるのも分かるような気がします。

だって、学校以外の職場で、いきなり自分が主役級になれるところなんてないんですもの。それに加え、教員であった場合、これまでの自己の実績をアピール(数値等で)することが困難なことも教師の転職を難しいものにしているのです。

塾であればどこに何人合格させた、何点UPさせた~と実績を数値で示しやすいかもしれません。しかし、泥臭く、地道にはいずくばって生徒指導畑を歩いてきたおじさん先生などはどう、実績をアピールすればよいのでしょうか?

学校内であれば、一教員のこういった流した汗と流した涙も「努力」として評価もしてくれますが、民間ではそうはいきません。「はぁ~」となって、努力するのなんて当たり前、「ところで結果は?」「実績は職務経歴書には書いてないようだね・・・」となること必至です。

このような学校と民間企業との著しいギャップに気付いていない転職予備軍は多いと思います。何はともあれ、まずはこのギャップに気付きこれらを埋めることから始めなければならないのです。

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それでも転職に向いている教員はいる・・・

これは前にも話しましたが、冷静沈着に自己分析ができていて、いまの自分のパワーをさらに更に磨き伸ばしていくための努力を怠っていない人です。こういった人は当然、自分がやりたいこと、なすべきことの未来予想図がきちっと描けているのです。それも思い付きなどでは決してなく、かなりの時間をかけて着々と準備をすすめているのです。学校で仕事をしながら・・・

人の成長を援助し寄り添っていくことよりも、自分の成長に何よりも喜びを感じるような人が向いているのです。彼らは学校だけでしか通用しないかわいそうな人では決してなく、学校というカゴから飛び立っても立派にやっていけること請け合いです。みなさんの周りにもいませんか?なんでこんな優秀な人が教員やっているんだ?~って人が・・・

裏を返して言えば、そのような優秀な人が自己のチカラを存分に試せる民間を蹴ってまでも、学校という場所には筆舌に尽くしがたい魅力がある~ということなのです。このことはとても大切なことのような気がします。

やっぱりそれでも教育業界!
それも学校!で働きたい!

勢いで辞めてはしまったものの、学校が子どもが懐かしくてしかたがなくなる人もきっといるはずです。それまで教諭、専任であっても辞めれば「ただの人」。自治体によっては経験者枠での採用もありますが、新規採用以上の超難関です。

講師差別、教諭、常勤、非常勤ぜんぶやってみてわかった非正規のツラさせつなさでもちょっと話しましたが、私自身も非正規の現状は痛いほど味わってきました。学年主任を務めていた自分が、いざ非常勤で働くことになり、全体集会の教員紹介で一番最後になったときはちょっぴりセンチな気分にもなりました。

辞めてしまっても、やっぱり好きなものは好き!自分のこころだけはごまかせないような気がします。こういった人は自分の心に素直になってみるのもいいかもしれません。待遇(金銭的、身分的)なんて気にせず、場所にこだわらなければ、よほど特殊な教科、校種でない限りあなたを迎えてくれるところはきっとあることでしょう。そのうえ、いままでの経験もまったく無駄とはならないのです。

もう学校はたくさん!
教職経験を活かして塾?!

これまでの学校での自分のスキル、経験を活かしたい!と考えるのも当然です。しかし、ちょっと待った!!前にも話しましたが、学校と民間とのギャップを埋めないままに塾業界に飛び込んでいくとひどいヤケドを負ってしまいますよ。学生気分でパート・アルバイトで働くのとは事情がまったく違うのですから。

フランチャイズの雇われ教室長にしろ、自分で塾を開くにしろ、そこは遊びボランティアなどではなくビジネスなのですから、経営を成り立たせなくてはいけないのです。至極当たり前のことではありますが。

部活動はないし、生徒指導などに多くの時間を割かれることもあまりないかもしれませんが、児童・生徒の成績上げて、○○高校に何人合格させてナンボの世界ですよ。ご存知だとは思いますが。生徒も親御さんも学校のようなヒュウマンな触れ合いなど、はなっから期待していませんし、そんなの前面に出したらウザがられること必至です。塾には成績アップ以外の何物も期待などしていないのです。

私の場合、免許が高校商業でありましたので、主要教科の教科指導は塾、家庭教師などでかじった程度でした。そこで教科の指導法の研究をかなりリキを入れやり直しました。学校時代以上に、教科の指導力が厳しく問われるのですから私も必死だったのです。

教科指導に特化したい!教科指導に命を懸けている!~なんて人にはピッタリかもしれませんね。しかし、ちょっとだけ待った!!その塾がフランチャイズの雇われ教室長であったらとてもとてもたいへんですよ。私は愛知に本部のある、かの大手フランチャイズ塾の教室長をやりましたが、とにかくやること、やらなければいけないことが学校時代並みに多すぎてかなり難義しました。

本部、各教室とのやり取りの文書フォームの多さと分かりづらさ、そして近隣教室との合同会議の多さ、長さにも閉口しました。おまけにバイト講師は学生のノリで片手間って感じですから、平気でドタキャンの嵐。その穴埋めは当然教室長です。学校時代とはまた違った種類のプレッシャーがたくさんありました。

やはり、塾をやるのであれば完全に個人で自分で始めてしまうか、ビジネスオーナーとなり、教室長を雇い、自分は講師として授業だけを担当し、あとは経営、管理だけに専念する~というのがおいしいとこ取りでいいのではないでしょうか。

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塾も学校もイヤ!
でも子供と触れ合う仕事がしたい!

こうなったら残された選択肢はごくわずかになってきます。以前私が勤務していた学童保育、そしていまの放課後デイサービスなどに絞られてくるでしょう。これらは学校ではありませんし、教科指導力などを厳しく問われることもまずありません。

しかしです。ご存知であるとは思いますが、待遇面それも金銭面で疑問符がつくでしょう。仮に学童保育の正規職員として勤めることができたとしても、首都圏でよくて総支給額で22~23万円、地方に行けば13~15万円なんてザラです。ちなみに私の住んでいる地方都市での学童の最高月給は年齢経験あるなしかかわらず20万円で、昇給ナシ、賞与年1回1ヶ月分~たったこれだけです。年収にすると総支給額で260万円です。私の公立退職時の年収がおよそ700万円でしたから、実に3分の1にダウンすることになります。

放課後デイにいたっても、これも仮に児童発達監理責任者の資格要件を満たしていたとしても25~26万円がいいところでしょう。教師時代より確実に、それも大幅に給与ダウンすることは間違いないのです。

福利厚生なども、学校時代の共済、私学共済のようなご立派なものはハナから期待できません。学校を辞める~ということは、こういった学校人が享受してきた実にありがたい恩恵をも放棄するということなのですから仕方ないですね。

しかしです。とにかく、忙しくてあっという間でも、学校、塾にはない、独特のおおらかさ、自由な雰囲気がたしかにあるのもまた事実です。放課後デイにいたっては資格要件が厳しくなりましたが、学童はまだまだ無資格で働いている人も多い現状です。教員免許、保育士などの資格を持っている先生方は歓迎されることでしょう。待遇面にだけ目をつぶればこのような働き場所も実際いくらでもあるのです。

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学校、塾、教育業界、民間企業みんなイヤ!
そんな人には・・・

自分で何かをはじめてください。やりたい仕事がなければ、自分でつくっちゃえばいいだけのことなのです。私だって紆余曲折はありましたが、なんとか自活できているのですからみなさんにできない訳ありません。確固とした信念さえあれば、あとはなんとかなってしまうものです。不断の努力も当然、必要ではありますが。

しかし、ノラ犬は野良犬なりの覚悟が必要なのです。飼い犬である限り、住む場所とごはんは約束されていますが、ノラの場合自分でえさを取ってこなければ、即飢え死にです。この覚悟さえあるのであれば、独立開業、自営という道も、いまスグとは言いませんが選択肢の一つに加えて欲しいと思うのです。学校にはない、実力勝負の世界にしかない魅力にあふれている世界です。

やりたいこと、やるべきこと、ミッションが明確であり、覚悟と起業にかける熱い思いがあればあとは、突き進むだけです。

因みに、「起業」って何をやればいいんだ?~なんていつもアタマの中でグルグル堂々巡りばっかりで、いつまで経ってもアクションを起こせないような人はまったくをもって起業向きではありません。そのような方は思いとどまったほうが無難であると私は思います。

前に話した「教員辞めてもいい人・辞めた方がいい人~過信・自信✖、確信〇~後悔だけはしたくない~」などを見て、もう一度ご自分を振り返ってみてください。

私は教師として働いてきた経験が無駄だったと思ったことは一度もありません。子どもたちと、同僚たちと学校で過ごしたあの日々は私の大切な宝物です。昔は自身を振り返る余裕などまったくありませんでしたが、いまは懐かしく昔を思い出すことができます。

人生は何かをなすにはあまりにも短すぎます。迷われているこの一時も確実に、刻一刻と削り取られていっているのです。あなたも私も着実に死へと向かっているのは紛れもない事実です。残された時間、どう使いどう活かしていくか・・・決めるのはいまです。

進むも引くも、その人本人次第で天国にも地獄にもなり得ます。どちらに進んだとしても正解などないし、間違いでもないような気がします。あくまでも最後に決断を下せるのは、人生というステージの主役&監督&シナリオライターである、先生、あなたなのですから。











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