実さんの目に「はじめて」映った美代子さんは、どんな風だったのでしょう?
彼を目の前にして、美代子さんはまるで「はじめて」会ったときのようにドキドキだったでしょうね。
だって、実さんは美代子さんに会うのは「はじめて」なんですもの。
美代子さん、世津子さんちでは必死で強い「女」を演じていましたが、御蕎麦屋さんでは可愛げな「女性」そのものでした。
一方、世津子さんは、いま、ごはんどころじゃないはずです・・・
世津子さんあってこそ、今の実さんがいる・・・
一見、和やかな親子の食事風景ですが、実さん、気持ちの切り替えってこんなに簡単にできちゃうものなのでしょうか?
107話の実さんからは、きれいすぎるくらい世津子さんの影が消えていました。
106話の「?」が、伏線が少しでも見えてくるのでは?と抱いていた淡い期待も切なく消え去りました。(泣)
誰かの不幸の上に成り立つしあわせ
みね子親子、ファミリーが会えるその日を夢見て、必死で実さんを探していたこの二年半、世津子さんは「楽しかった~」と表現していました。
今度は真逆の立ち位置です。
それどころか、世津子さんは「さようなら。もう二度とお会いすることはないと思います。谷田部さん。」と言っていたように、もう会えないのかもしれません。
やっとこうやって御蕎麦屋さんで「うまいきつねそば」を食べることができたんですから、僕もうれしいはずなのですが、どうもあの別れ方が納得いくことができず、
本当の、いやいままでの実さんとはどうしても思えない言動ばかりで素直に喜べないのです。
前回の106話でも話しましたが、恨み辛み節はもうよそうと思いました。
今日は楽しいはなしをしたかったのです。
それが、実さんのこのセリフです。みなさんはどう感じましたか?
家族に見つけてもらったんですから
あそこにはもう
それは、もう・・・
酷すぎて、悲しすぎて、情けなくて・・・とても世津子さんには聞かせられません。
これじゃ前回「監禁?」と書いたように、無理矢理?仕方なく世津子さんちにいたってことと同じじゃないですか?
記憶を無くしてしまってからの二年半が、いまここにいる実さんのすべてだったのではないでしょうか?
そんなに、スパッと切り捨てたり、気持ちの切り替えができるものなのでしょうか?
人の情け、恩を何よりも大事にしていた誠実、実直であったあの実さんと雨男さんが同一人物とはとても僕には思えません。
家族だけが幸せであればそれでいい~という人では決してありませんでした。実さんは。
この言葉を聞いてからは、キツネ、タヌキもオカメもラクダの楽しそうな親子の会話も、『べっぴんさん』のすみれだったら「なんか、なんかね~」
と絶対言っていることでしょう。
ウマすぎる設定も、ギャグもすべてが一気に霞んできてしまいました。
こんな穿ったような見方をするのはきっと僕だけじゃないような気がします。きっと。
これじゃ僕的には、全然「大丈夫、きっと」じゃないです。せっかく今週のタイトルいいタイトルだと思ったのに・・・
新しい道を歩み始める前に、これまで世津子さんと辿ってきた道程を振り返る時間が実さんには必要だったのではないでしょうか?
世津子さんにも、きっと必要だったはずです。
どのような時にも相手を思いやれる優しさを谷田部ファミリーには持っていてほしかっただけなのです・・・
美代子さんの
私、コワかったですか?
おっかない女にみえましたが?
イヤな女でしたが?
いづも、あんな顔してるわげじゃねえですから
違いますから
~は御茶目で可愛かっただけに、きょうはなぜか悲しいのです。
最後の御蕎麦のシーンで、実さんが美代子さんとみね子に箸を取って渡してあげたのはやっぱり実さんでした。
唯一ホッとさせられました。
きっとこんな風にせっちゃんにも箸出してあげたことあるんだろうな・・・としみじみです。
あっそうでした、忘れるどごでした。御蕎麦屋さんでこんな和みシーンもありましたね。
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でも、黙っていなぐなんのはやです
それだけは、やです
はい。わがりました
ちょっと今、なまってなかった?
えっ?
フフフ!
消えないもんなんですかね
だといいな、フフフ
いがったですね、御国訛りが戻ってきて、みんなニッコリのステキなシーンでしたね。
谷田部ファミリーは「大丈夫、きっと」の雰囲気でよかったですが、世津子さんにもまた別のしあわせがやってきますように~
何はともあれこれから谷田部家の新しい一歩です。
みんなで応援しなくちゃいけませんよね。
NHK連続テレビ小説 第18週「大丈夫、きっと」第107話 8月4日放送