いつもハラハラさせられて、守ってあげたくなるような妹のようなみね子ですが、東京で地にしっかりと足を付け、前を向いて生きている社会人なのです。
97話は、「貧乏、お金持ち」×「学生、社会人」×「理想、現実」~という永遠のテーマ同士を総登場させたトリプルマッチのような、ドラマとしてはぜいたくすぎる
回ですが、いろいろな想いが交錯して切なすぎます。
みね子の島谷さんへ返した「想い」は、自分の気持ちを押し殺して、島谷さん、そして島谷家のことを想い、あえてストレートな表現で突き放す「変化球」でした。
この「一球」にかけるみね子の想い・・・考えると切ないです。
島谷さんから受けた「ストレート」な想いをこんなかたちで返せるなんてやっぱり、相手のことをいちばんに考えてあげられる大人ですね。
「月時計」、それでも時は流れてく~
実家の窮地を救うための縁談が、島谷さんに持ち上がっている~その一部始終を由香より聞いていたみね子は、バー「月時計」で島谷さんの言葉を待ちます。
自分が聞くことになる「現実」を知ってるのに、平静を装い、すべてを受け入れる準備が整っているような悲しげな表情が切ないです。
ふたりを慮って、ひっそりと二人だけにしてあげるために消えていく店主邦子さんの背中がさびしいです。
すべての事情を話し、それでもみね子が好きだから実家とは縁を切る~と島谷さんなりのストレートな想いをみね子にぶつけたのです。
だから何も持ってない人になってしまうんだ俺
大学もやめる
仕事も探さなきゃ
貧乏になっちゃうかもしれないけどごめんね
でもさいいと思うんだ
お金なんてなくてもさ自分らしく生きられれば
自分のことをそこまで考えてくれていた~うれしくないはずありません。女の子なんですもの・・・
みね子は、うれしい気持ちを必死で押し殺してこう返します。
まだ子どもなんですね島谷さん
そんな簡単なことじゃないです
貧しくてもかまわないなんてそんな言葉、知らないから言えるんです
貧しいお金がないというこどが、どういうこどなのか分がんないから言えるんです
いいこどなんて一つもありません
悲しかったり悔しかったりさびしかったり、そんなこどばっかしです
お金がない人で貧しくてもかまわないなんて思ってる人はいないと思います
それでも明るくしてんのはそうやって生きていくしかないからです
生きてぐのがいやんなってしまうからです
そうやってがんばってるだけです
私は貧しくてもかまわないなんて思いません
それなのに島谷さんは持ってるもの捨てるんですか?
みんながほしいと思ってるものを自分で捨てるんですか?島谷さん?
私
私
親不孝な人は嫌いです
島谷さんから、「ずっと一緒に生きたいと思っている」という言葉を受けて最初にみね子が返した言葉がこれです。
うれしいです
ありがとうございます
(お父さん、うれしいです)
うれしいけど、そしたら島谷さんのおうちはどうなるんですか?
うれしい、感謝の気持ちを伝えながらも、いのいちばんに相手の家のことを、島谷さんのことを考えてあげられる。
すごいです、ステキです。
そういえば前の回で、由香から島谷さん親子の会話を聞いたときも、いのいちばんに聞いたのは島谷さんのおとうさんの様子でしたね。
みね子は島谷さんとだったら、きっとどんな貧乏な生活だってしあわせだったはずです。
「島谷さんに、ずっとついていきます!」ってどんなに言いたかったことでしょう。
それをあえて島谷さん、そして島谷家のこれからを想って、自分が知っている経験してきた「貧乏」を熱く語ったのです。
そしてもう一つの想いは、家族のことをほんとうに大切にしているみね子だからこそ、そんなかんたんに「家族との縁を切る!」なんて言い出す
島谷さんを許せなかったという想いでしょう。
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別れの予感~そして時は日付を越え、トッキー(時子)あらわるる
(お父さん、このまま時間が止まればいいのになと思いました
どちらかが口を開けばお別れだって分がってっから)
みね子ちゃん
はい
先に出るね
はい
ありがとう
すてきな人を好きになれてよかった
えー!そんな!もう「過去形」ですよ、おわったんですか?島谷さん!
男として、みね子をギュっとつかまえてずっとずうっと離さないでいてほしかったけれど、
これも島谷さんならではのみね子に対する「想い」そして「優しさ」なのでしょう。
どうにもならないこともある・・・まさに「理想」と「現実」です。
それにしても、島谷さんを追いかけようとして止まったみね子の表情が切なすぎます。
今回は切なすぎるシーンの連発です・・・
時は深夜の12時を告げ、日付けをまたぎます・・・
バー「月時計」は前は時計屋さんだったから時計をたくさんディスプレイしてるのですね。
それにしても、「時が止まっている」時計がいろいろありますね。
みね子は20歳になりました!
みね子の新たな出発です!
切ない誕生日ですが、トッキーの来店で救われました。
おさえていた感情が爆発です。
島谷さんとの恋をセッティングし、後押ししたのも、ここバー「月時計」で時子・・・
エンディングを迎えたのもこの「月時計」、そして時子の胸に抱かれて泣きじゃくるみね子・・・
恋の始まり、家、おとうさんを想って遠慮するみね子に
「しあわせになっていいんだよ、みね子~」と言ってあげたのも時子
そして、恋が終わりを告げたみね子に、それでもやっぱり残ったのは「ともだち」のトッキー
「泣いていいんだよ、みね子~」ってちょっぴり言ってほしかったです。
いいですね、親友って・・・
今回は島谷さんみね子とのラブストリーよりも、時子みね子の友情がとってもあつ~い回でしたね。
97話もトッキーの登場で救われました!
ありがとう!トッキー!
さよならした~
(泣き声)
私まだ「ありがとう」って言ってない~
島谷さんにすごいひどいことばっかり言って~
(泣き崩れるみね子)
やっぱりみね子はみね子ですね・・・
NHK連続テレビ小説(朝ドラ)第17週(運命の人)97話
登場人物紹介①
バー「月時計」店主 竹内邦子役 白石美帆(しらいし・みほ)さん
『役柄』
バー「月時計」の店主。家業であった時計屋を改装してバーを始めた。省吾とは子どものころからの付き合いで、妹のような存在。夫は貨物船の乗組員で世界中を航海しているが、離れてはいても心は通じ合っている。地方から出てきたお客さんが、お国ことばを聞いてほっとできるようにと、各地のことばを勉強している。
~NHK_PR HPより