人間関係

「手紙」の学校現場での活用法!手紙のパワーってやっぱすごいね!この思い今、伝えたい!「手紙を書こう!」

年賀状ではなく、「手紙」を最後に書いたのはいつだったか覚えていますか?もしかしたら、思い出せないくらい御無沙汰かもしれませんね。私はつい最近、昔の教え子にもらったハガキのお返しに「手紙」を書きました。

現代は何でも機械でベンリに済ませてしまいがちな世の中で、みんなそのことに慣れ切ってしまっていているようですが、やっぱり相手を想いながらペンを走らせるのはワクワクします。

そして、返事は期待はしていないのに、ポストに自分あての手紙が入っていた時のドキドキ感は、メールでは味わえないですね。思い切って久しぶりに手紙でも書いてみませんか?








手紙は時間のある時に
のんびりと慎重、ていねいに書こう!

私はいただいたハガキ、手紙を捨てることはできません。なぜか、メールは開封後、整理してしまいますが、「紙モノ」は捨てられないのです。きっと、手軽なメールより書き手の想いが「紙」にいっぱい詰まっているからなのでしょう。おそらく、みなさんもそうなのではないでしょうか?自分の出した手紙は取っておいて欲しいと普通は思うのでしょうが、これまで出してきた手紙の中で私には1通だけ、捨てて欲しい手紙があります。

学生時代に名前も知らない他学部の学生に手渡しでした。一目ぼれもこれが最初で最後でした。自分の思いとおまけに創作短編小説まで添えて・・・いま思うとなつかしいさでいっぱいですが、当時は必死で徹夜で書き上げた記憶があります。

卒業間際に彼女に渡したのですが、しばらくして返事が来ました。冷静にそして詳細にわたって私の短編小説を分析してくれた内容がほとんどで、「とにかく書き続けることも才能のひとつだからめげないでがんばって!」とご丁寧に締められていました。

一気に「なにか」に突き動かされて書いたため、冷静さを失っていたのでしょう。彼女としては、小説の感想を頼まれたくらいに思ったのかも知れません。今となっては彼女の真意をしるすべはありませんが、彼女に伝えたかったこと、何も伝わってはいなかったのかもしれません。堀北真希さんを40通以上のラブレターでオトした山本耕史さんにラブレターの極意を聞いてみたいです。今となっては時、既に遅し!ですが。

おそらく彼女は私の手紙を捨ててしまったでしょうがたいてい「手紙」は残ります。場合によっては読み返されもします。ということは、「書き始めよう!」とアクションを起こすまでは気軽に!でいいのですが、書き始めてからは、慎重かつていねいに書かねばなりません。

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相手(読み手)の気持ちが一番!
そして自分の気持ちをまとめて!

手紙を書くいちばんの目的は相手に想いを伝えることです。(ビジネスレターを除く)~ということは、「相手がこれを読んだら、どう思うかな?」と絶えず意識して、相手を思いながら書かなくてはならないということなのです。

ここが手紙の一番のウリだと私は思うのです。「相手が一瞬でも自分のことを思いながら書いてくれた!」これはまぎれもない事実です。時間も、労力もちょっとしたお金もかけず、パパッと済ますことのできるメールにこの味は出せません。

そして、相手の気持ちだけでなく、相手にキチンと伝わりやすいように「自分の気持ち、想い」を整理して書くのです。自ずから、いきなり書き始めるのではなく、伝えたいことをまとめ、下書などをキチンと済ませてから書き始めることになるでしょう。

そうです。残るものなのですから、「誤字、脱字」「言葉遣い」には細心の注意を払いましょう。そして何よりも大事なのが、キレイな字とはいいません。ていねいに書くことなのです。

結構、手紙を書くってたいへんですね!しかし、デメリットを補って有り余るほどの魅力が手紙にはあるのですから、仕方ありませんね。このプロセスを数をこなすうちにきっと楽しめるようになりますよ。その意味でも、手紙を書くときは時間的に余裕のあるときに、のんびりかまえてお茶でも飲みながらどうですか?

グッズにもこだわるのがツウ!なのです!

私はいつも、余分にレターセット、便せん、そして切手をストックしています。今は昔と違って季節に合わせた記念切手、手紙専用に販売されているカラフルな切手がたくさん売っていてちょっと大きな郵便局に行くと目移りしてしまうくらいです。

便せん、そしてペン、万年筆にもこだわると楽しいですよ。飛び出す手紙とか絵本手紙なんてのまであるのですからビックリですね。たまには郵便局に足を運んではいかがでしょうか?

手紙の効用!やっぱり手紙ってすごいね!

プライベートだけでなくビジネスシーンでもその威力を余すとこなく発揮するのが「手書き」の「手紙」のすごいところ!また学校のはなしになりますが今回はたとえ話ですから聞いてください。今夜は教頭先生が着任したばかりの新任教師を数人誘っての飲み会です。なんとヘッドティーチャーのおごりです。たのしい飲み会でした。教員同士は連絡網ができあがっていて最低住所、電話番号、メアドはお互い分かっています。

①佐藤先生 その晩のうち御礼のメールを打って、翌日は別に御礼のあいさつは無し

②鈴木先生 翌朝、教頭デスクまで出向き、昨晩の御礼を述べた

③斉藤先生 朝のあいさつと同時に昨晩の御礼を述べ、1日遅れではあったが御礼のハガキを書いた

上の御三方のうち、どなたがいちばんインパクトが強く、好印象を与えるでしょうか?言わずもがな、③の斉藤先生が好印象を勝ち得ました。直筆の力はすごいのです。手紙はメールよりその効用は数段上なのです。(速さでは負けますが・・・)

いまどき、なかなか年賀状を除く手紙をもらう機会が少ないうえ、時間と労力を割いてくれた~というところがポイントが高く、強くその人を印象付けるのです。特に手紙を出す相手が年配の人ほど、強く印象付けられると思います。

ビジネスシーン、年賀状だけでなく、ふと思い出したあのひとにまずは季節がら暑中お見舞いを出してみませんか?




意外と手紙は学校でも使える!

プライベートシーンだけではなく、実は教育現場でも「手紙」はそのパワーを発揮してくれるのですから利用しない手はないですね。何より手紙には「ワンクッション」置く、という緩衝材の役割と「直筆」そして「手間暇(てまひま)」というあたたかさがあるのですからその効果のほどは強烈ですよ。最後に、私が現場でどのように手紙を活用していたかを話します。

そもそも、なぜ私がプライベートだけでなく、手紙を学校でも活用することになったのか、から話します。友人関係で悩んでいたクラスの生徒がいました。ちょっと相談にのった程度くらいにしか私はとらえていなかったのですが、数日たって彼女の母親よりていねいな礼状が届きました。

「本来なら直接伺って御礼を述べるところ、失礼をお許しください~」から始まり、「いただいたアドバイスもさることながら、娘は真剣にはなしを聞いてもらえたことがうれしかったようです~」と愛娘に対する愛情と感謝の気持ちがあふれている、読んでいてあったかくなる手紙でした。

素直に「こんな文章が書けるなんてすてきなお母さんだな!」と思えて一日がとても幸せでした。

これまで、手紙を学校、仕事場で活用したことはなかったのですが、このお母さんの手紙にこころ動かされた私はあらためて「手紙」を見直してみることにしたのでした。そして考えれば考えるほど「ありとあらゆるトコロ」で手紙、とまでもいかなくともちょっとしたメモなど現場で活用できそうだな!と思えてきたのでした。

まずは手始めに、自分の教科から始めてみることにしました。教科担当として、やっている教師が多いと思いますが、週一程度の「ノート提出」です。これまでは、簡単なコメントを書いて返す程度だったのですが、これですと週一回ですので、即時性はなく一時的に生徒の学習ノートを預ることになることになってしまいます。家に帰って復習など学習したいときに生徒は困ります。そこで、学習授業ノートとは別に「質問感想ノート!」を生徒に用意させたのです。




このノートには、名前のとおり授業中に湧きあがってきたけど質問できなかった問題、そして自由に授業の感想、要望などを書かせました。こうすることにより、一日ごとに分からなかったことを質問することができ、翌日にはその回答が生徒はもらえるのです。これは「手紙」ではありませんが、毎回ビッシリと感想などを書いてくる生徒がいて、自分の授業を振り返るいい機会になりました。

ただ、負担は結構来ますよ。1クラス35人として、教科受け持ちクラス分も合わせると200人は軽くこえるのですから。いったんやり始めたのであれば、途中で投げ出すわけにはいきません。たとえ、提出する生徒が減ってきたとしても最低学年が終わるまでは続けなければなりません。

教師の仕事はこのようにジレンマとのたたかいですね。やりたいこと、挑戦したいことはたくさんあるのに、時間、労力との兼ね合いで断念せざるを得ないことがたくさんです。自分で線引きできる教師という仕事ならではの尽きない悩みです。

そしてどんどん私は「手紙パワー」を活用していくことになるのでした。定期考査のテストペーパーのコメントの行数も確実に増えていきましたし、何かにつけてちょっとしたメモ、コメントを添えるのが習慣になっていきました。

書くようになってよかったことはたくさんありますが、やっぱり生徒父兄との意思疎通がスムーズになったことが一番の収穫でした。肩ひじ張らず、ちょっとしたメモだけで何も書かれていない文書よりは、味があると思いませんか?

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手紙が仇(あだ)にならないために!

いいことづくめの「手紙」ですが、実は注意しなくてはいけない点があります。

①公平公正に徹する

頻度、内容もそうですが、特定のものにだけ偏ったものになったり、「ひいき」と生徒父兄に受け取られるようになっては何のために始めたのか分からなくなってしまいます。

②秘密の厳守

内容にもよりますが、生徒家庭のプライバシーまで踏み込んだり、内容をさらけ出すような結果になっては決していけません。

③TPOをわきまえる

例えば、質問ノートには個人的な内容が書いてあることがあるでしょう。生徒本人がいないからといって、他の生徒に渡すように頼んだり、本人の机に入れておくような安易な行動は慎むべきです。シーン、時間等すべての環境を考慮に入れなければならないのです。

④やりすぎ注意!

なんでも度を超える深入りは厳禁です。ノートのような定期性のあるものは勿論、継続が大事ですが、内容がかなり深く突っ込んだりするようなものは、ケースバイケースで直に面談等のケアが必要になってくるでしょう。また、手紙にしても常に読み手を思いやる気持ちと「新鮮さ」を保ちたいものです。

トラブルの時こそ、
ワンクッションおいて文章にしよう!

手紙がその効力をいかんなく発揮するのは実は普通の時ではなく、問題が起きた時なのを私は知りました。緊急時は別ですが、生徒、家庭とのわだかまり、誤解を解きたいとき、根強い指導も通じなかった生徒ともっと話したいとき、幾度となく私は「手紙」に救われました。

直接話し合ったり、電話で話をしたほうが即、相手の反応を得られますので私たちはこれらに頼ってしまいがちですが、手紙には相手の都合に合わせて、「待つ」というゆとりがあります。面と向かってはなかなか言えないようなこともやんわりとした表現でしたためられるのではないでしょうか。

どうせ時間がかかるのですから、トラブル時の手紙を書く時は、こちらものんびりと構えて冷静かつ慎重、ていねいに手紙を書きたいものです。不思議なことに書きすすめるうちに、自分の考えもスッキリとまとめられて気分も落ち着いていくのです。手紙の効用は挙げていったらキリがありません。

生徒同士のトラブル時なども、お互いに落ち着かせてから手紙を書かせたことがあります。前に「いじめ」のはなしをした時にも述べましたが生徒本人から加害生徒あてに手紙を出して解決になった例もありました。

このように生徒教師間に限らず、ありとあらゆる人に対して手紙は書けるものなのです。もちろん一方的に相手の非の事実を並べてあるだけの文章は「手紙」ではありませんね。あくまでも「手紙」なのですから、このことだけはいつも頭においておいてください。

何のために手紙を書いているのか?

相手(手紙の読み手)の立場に立って書いているか?

自分は何を伝えたいのか?


そして、結論!

学校でも手紙の効用、侮るべからず!

手紙のかたちをとらずとも、メモでも走り書きでも直筆には心がこもる!

もっともっと手紙を活用すべし!

手紙は「書き手」と「読み手」がいてはじめて意味をなす!

デジタル時代の今こそアナログ!

自分の気持ちを整理してから、相手を想いながら!

まずは、書いてみよう!出してみよう!










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