だんだん好きになっていく過程がいちばんトキメいて、一番見たいはずなのに、なかなか朝ドラでは描いてくれないようです。ヒデくんがみね子に相談されて、うれしそうにオトメのようにトキメく姿はとっても愛らしかったですが、当の我らがみね子嬢の心中如何に?
呼び方ひとつも馬鹿にできない・・・
呼び名の奥深さ・・・
これまで、誰にも分け隔てなくその優しさを降り注いできたようではありますが、みね子嬢、実はですね、けっこう明らかに人を見て、呼び方をいろいろ彼女なりに変えてるんです。ヒドイんですよ。それにしても、由香がみね子を呼び方を、「あんた」から「みね子」になったのにはホッとさせられました。呼び方ひとつでも、その人に対する思いが見事に映し出されているのですね。
彼女の場合、みなさんご存知のようにこうなのです。
①対等もしくは格下、年下の場合→呼び捨て(由香、時子、三男、進、千代子、イチコ、そしてなぜかヤスハルなどなど)
②年上、目上、先輩(綿引さん、島谷さん、ヒデさん、鈴子さん、シェフ(これ自体が尊称)、愛子さん、富さん、宗男おじさん、早苗さん、じいちゃん、世津子さん等々)
③格下以下(KY漫画家コンビ・・・)
③に注目してください。136話で、あかね荘シスターズ&ブラザーズを世津子さんに紹介となった時、みね子はKYコンビ(啓輔&祐二)の名前が出てこず「え~なんだっけ?!」ですよ。もうみね子があかね荘に越してきて1年以上経つというのに、これじゃあんまりじゃありませんか。とにかく、みね子はこのふたりに関しては無関心で、名前を覚える気すらないらしいです。
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一番悲しいことは、無関心そして忘れられること・・・それならいっそ嫌われたほうがまだましかもしれませんね。
みね子のことですから、きっと僕たちのいないトコで啓輔さん&祐二さんにも得意の愛情を振りまいていることでしょう。最終回までには、二度目の愛情を見せてほしいです。(最初はふたりが失踪?事件の時にみんなで心配しましたね)
KYコンビの次にかわいそうなのが、ヤスハルくんです。由香は幼なじみだから仕方ないにしても、みね子そしてなぜか時子までもが「ヤスハル」です。
ヤスハルくんの場合は、愛情&親しみも込めての呼び名なのでしょうが、「親しくないのに呼び捨てかよっ」って言ってましたよね。彼なりに傷付いているのですからちょっと考えてあげてほしいところです。
愛ちゃん⇔トミちゃん~と呼び合うように「呼び方」ひとつと言って馬鹿にしたもんじゃありませんよ。
133話でも前に書きましたが、みね子は最後の最期まで「島谷さん」でした。もっともっと付き合って、お互いがお互いを知っていくようになると呼び方も「純一郎さん」とか「ジュンくん」「ジュンちゃん」ってなるのでしょうが、最期までどこかよそよそしい呼び方であり、遠慮勝ちな彼女でありました。
しかし、どうです。ヒデくんの場合、最初から同僚(ヒデくんは「仲間」という言葉を使ってましたね)で、みんなが下の名前で呼んでたことも手伝って、ずっと「ヒデさん」です。同じ「さん」付けでも、苗字で呼ばれるのと名前で呼ばれるのって、どこか違うというか、全然意味合いが異なると思うのです。
相談も恋の始まり~
それにしても、みね子に相談に乗ってほしい~と言われた時のヒデくんのうれしそうな表情、かわいくてホンワカでした。
ヒデくんはみね子への想いを秘めながらも、普通にこれまで接してきてスゴいなあ~とこれまで思ってきたのですが、あんなオトメチックな表情もするなんてかわいいですね。でも、みね子嬢に気付かれなかったでしょうか?
さて、当のみね子は、いったいぜんたいヒデくんをどう想っているのでしょう?
これまで、島谷さんとみね子の恋が成就するまでのふたりの心中はほとんど描かれてきませんでしたが、今のところみね子はトキメいていないようですね。ごく自然に同僚として友だちとして接しているようです。が、しかしですね、明らかにヒデくんを頼っていて頼もしく思っている様子が描かれています。
やっぱし、世津子さん出前事件のあの発言が大きかったのですね。あの一言でみね子がこんなにも積極的になったのですから。(あまりの変わりように付いていけない面もありますが・・・)そして、今回の世津子さん救出大作戦!!~ 道連れ&巻き込み?のヤスハルくんも断れず、付き合ってしまうところが彼のいいところ&お茶目なところです。そうなんですよね~仕事以外で、ふたりがひとつの目標に向かって一緒に行動するって盛り上がるんですよね。一種の連帯感が芽生え、そして接近の法則が、ジワジワとこれから効き始めてくることでしょう。
これまですずふり亭でお互い目で通じ合うシーンが二度ほどあり、そして今回、青空パーティーでも目と目で通じ合う仲であることがわがりました。
でも、今回以上にみね子が自分の想いや心境変化の過程をもうちょっと分かりやすく丁寧に描いてほしいと思うのですが、もう時間切れですね。いちばんココがドキドキして、トキメくトコなのにザンネン!
※ヒデくん、世津子さん救出作戦のヒトコマです。記者の中に変装して紛れ込ん時、そばに居た記者のセリフ「邪魔なんだよ、あんた」と演技!絶妙でうまかったですね。自分的に136話いちばんのセリフまわしでした。次におもしろかったのはやっぱり、「いぐよ!」「ハイ」ですね。世津子さんとみね子嬢、完全に立場が逆転しちゃってました。みなさんはどうでしたか?
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覆水盆に返らず・・・
ながったごとにはできないんです・・・
世津子さんにはしあわせでいてもらわないと
お父さんにおぎてしまった悲しいできごとが、なしにはなんないんです・・
わたしはなしにしたいんです・・・
「なし」にはできないんです。起きてしまったことは。
みね子の気持ちはなんとなく分かります。なかったことにしたい、チャラにもしくは清算といったところでしょうか。元の鞘に戻っただけだけど、世津子さんからしてみれば「雨男さん」を奪われてしまった・・・みね子からすればお父さんを奪い返した・・・となる訳です。
つまり、自分たち家族のせいで世津子さんが悲しい思いをしている~という自責の念から解放されて、ラクになりたい訳なのでしょう。ただみね子の場合は、それだけではなく、心底世津子さんにしあわせになってほしいと願っているのだと思います。これまでの世津子さんとの付き合いから考えても、そう願わずにはいられないでしょう。そしてみね子の性格からしても、みんながしあわせで笑顔じゃないとダメなんですね。
ただこれはみね子からみた思いであると思うのです。みね子から見た「お父さんにおぎてしまった悲しい出来事」とは、お父さんが行方不明(原因も含めて)になってしまったこと、そして自分たちとの想い出も含めてすべて記憶を無くしてしまったこと・・・でしょう。すべて「しまった」ことなのです。
でもですね、この出来事を世津子さんスタンスで見てみると、自分のトコに転がり込んできてくれた~記憶をなくしてくれた~といいことばかりの「くれた」尽くしです。
そうなのです、みね子にとっては「なしにしてしまいたいこと」であっても、世津子さんにとっては「なしになんか絶対したくないこと」なのでしょう、きっと。
本当は今、みね子がやっていることは、実さんがやらなければならないことだと思うのです。
繰り返しになりますが、実さんが実さんであるならば、世津子さんをほっておけるはずなんかありません。今は本当の家族との日々を再び取り戻しつつあるとは言え、世津子さんと過ごした二年間と言う時間は彼の記憶のほとんどを占めているはずです。そして実さんであれば、彼女から受けた恩と愛情を忘れることなんか決してできないと思うのです。最後になにか、実さんが自分を取り戻す、何かが用意されているとは思いますが、このままでは、あまりにも実さんが実さんでないままでかわいそうすぎます。
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ラストスパートってどうしても必要なの?
これまで、自分と向き合っていくみね子の成長をじっくり、そしてしっかり、丁寧に描いてきた『ひよっこ』・・・
それだけに、朝ドラお決まりのラストスパート、最後はいっぱいおはなし詰め込んでドタバタ騒動+茶番でうまく収めました~だけは踏襲してほしくないです。
無理におはなしをうまく終わらせなくともいいような気がします。全156話に収めきれなかったおはなしは、また別のチャンスにでもいいと思うのです。そして、これまた繰り返しになりますが、それぞれ脇役陣のみなさん個性的で魅力に溢れるキャラクターばかりですが、今の段階でそれぞれにスポットを当てるのではなく、やはりヒロインの想いに集中して描いていってほしいのです。(といっても、もう既に撮影終了していますが)
みね子の変わり身の早さがあまりにも早くて、正直付いていけなかったです。岡田さんも彼女が自分と向き合って徐々に変わっていく様子を、きっともっと丁寧に描きたかったのでしょうが、いろいろな事情がそうはさせなかったのでしょうね。
ふたつのリングがキラリ!
ヒデ&みねの恋の行方は、やはり既定路線まっしぐら~なのでしょうか?
もう一味、隠し味なんか用意してあるとワクワクできるのですが、しょうがないですね。せめてふたりのこれからを予想させるアイテムは・・・でしたね。
NHK連続テレビ小説『ひよっこ』23週「乙女たちに花束を」134~136話