教師を志す人へ 教育・教師

教員になったら睡眠時間毎日3~4時間ポッキリは覚悟!?~それでも教師を目指しますか?~








教師の平均学校滞在時間13時間、そして平均睡眠時間が6時間30分であるといいますが、これはあくまでも「平均」なんですね。

学校にすべてを捧げている聖者のような先生方はこんなもんで済むわけがありません。朝ギリギリでなんとか学校に滑り込んで、退勤時間のころにはいつの間にかいなくなっている~このような教員も含めた、あくまでも「平均」なのです。

前に教員は5時に帰ってはダメなのか?残業は本当にエラいのか?~勤務時間の線引きは自分で決めるしかない~で帰宅時間の線引き、仕事の裁量についてちょっと詳しく話しましたが、教師の仕事などやろうと思えばそれこそキリなどあるはずがありません。なにしろ、最低限これだけは!~という仕事だけでもかなりの量なのですから、その量はハンパないです。

ですから、勤務時間などあってないようなものと最初から思ってしまったほうが気もラクです。さらにさらに所定の勤務時間プラス学校残業だけでは悲しいことに仕事が終わらず、多くの教師は持ち帰り残業をしているでしょうし、先のギリギリ教員だって、もしかしたら自宅で一生懸命明日の授業の準備をしているのかもしれません。

教師とはなんと因果な職業なのでしょう?献身的な営み、高潔な人格が求められる仕事ではありますが、教師だって人間です。そして労働者でもあるのです。

それなのに人間らしく生きるための時間を削り取り、自分どころか家族までも犠牲にして学校に子供たちに尽くしている教師たちによって、現在の学校、教育界は支えられているのでしょう。

私はハッキリ言って、教師という自分の最低限の仕事も疎かにして義務さえ果たさず、教員の権利ばかりを主張する人間がだいっきらいです。こういった人たちとも仕事ですから付き合ってきましたが、彼らにもそれぞれの家庭環境があり、事情があるのはもちろん分かります。

しかし、献身的であり続けなければ教師でなくなってしまうのではないでしょうか?見返りなど求めず、絶えず自分にできることはないか?生徒のためにいま何をなすべきか?これを追い求め、全体に尽くしていくのが本来の教師の姿でしょう。これを古い考えと片付けられますか?

現場に入ってみるとわかることとは思いますが、ある意味、自己犠牲が半強制の世界です。がんばっている自分に酔いきっているマゾっぽい人もたくさんいます。(いい意味ですよ、もちろん)

「自分いいかもしれない!」

「がんばってるオレってカッコいいな!!」

このような過酷な世界に飛び込もうとしているみなさんには敬意を表します。普通できないですよ。お金だけが目的だったら教師などまず目指さないでしょうし、他にもっと割のいい仕事がきっとたくさんあることでしょう。

お金に換算できない「なにか」があるからきっと、みなさんも教壇に立つ!と決めたのでしょう。だったら腹はくくってください。

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リーマン教員→権利だけを貪り最低限の仕事で切り上げ、自分と家族の生活を第一とする。教員という仕事は生活の糧を得るための手段にすぎず・・・

学校、こども第一とし、学校に住み込むような学校仙人となり、結婚もせず家庭も持たず、一生学校に身も心も捧げ尽くす・・・

みなさんだったら、どちらを選びますか?

どちらの例も極端すぎる!と思われたかもしれませんが、実在の人間です。

ここまで極端にならずとも、教師のワークライフバランス、自分のスタンスを今のうちから考えておくことはとても大切です。さて、みなさんは教師としてどんな生き方を選ぶのでしょうか?今からそんなことを考えてみるのもちょっと楽しいかもしれませんね。

最後に、教師の睡眠と健康についてだけは話しておきたいと思います。

私が教壇を去ることになったのも、身体を壊したためでした。当時、学年主任、生徒指導副部長、教科長、そして運動部正顧問、それ以外にも教科研究部会の仕事などなど・・と仕事が集中し「休日」などという言葉は私の辞書から消えてしまっていた日々でした。朝、警備員さんが学校を開ける前に鍵を預かり一番の登校、そして一人さびしく鍵を閉めて帰る日々・・・

私の能力のなさもあったのでしょうが、とにかく仕事・時間に追われ完全に自分を見失っていた日々でした。当時は睡眠時間が平均3~4時間取れればまだいいほう、徹夜2日続けて~なんてこともよくありました。若かったのですね。こんな無茶なことが一生続けられるはずありません。とうとう倒れてしまったのです。

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最近、過去の私と同じような境遇の方のニュースが報じられました。~「大分県市立中(50)教諭「過労死」と遺族申請 残業、月平均175時間」西日本新聞~これによると、彼は学年主任、女子バレー部の顧問等の分掌をこなし、朝は7時から夜は21:00過ぎまで仕事をこなし、休日返上で部の指導に当たっていたということです。

彼は4月から35日間連続勤務だったそうです。休日なしでフルに3週も4週も働くと、1週間という区切りの感覚がなくなり、来る日も来る日も延々と仕事に追いかけられているような恐怖に近い感覚に陥るのです。これは実際体験したものにしか分からないことでしょう。

私には彼のことが他人事には思えないのです。あのまま私が学校に残っていたら・・・と思わずにはいられないのです。真面目な人ほど危ないです。自分を追い込むことができる人、自己の耐性が強いと思っている人、他人への気遣いが優しすぎる人、他人に助けを求めることを躊躇してしまう人・・・これらの人はマジメに本当に危険です。

私は何とか命拾いをしましたが、みなさん、自分の命はやはり自分で守ってあげるしかないのです。

要は「線引き(何をどこからどこまでやるか)」の問題なのです。自分のカラダはひとつだけ、使える時間も限られている・・・となったら自ずからやれることは限られている、だとしたら優先順位を付け、優先順位の高いものから一分一秒惜しんで集中的にやっていくしかないいのです。

となると、当然できないこと、やりたいけど涙を呑んで諦めることも当然出てきます。難しいかもしれませんが、思いっきり切り捨てることです。現役の時の私はここが甘かったのだと思います。あれもこれもと欲張りすぎ、結局自分をダメにしてしまったのでした。

人間、一人ができることなんてたかが知れてます。結局私も自己満足して自分に酔っていただけなのかもしれません。

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そして私は辞めてはじめて、本来の自分を取り戻せたのです。

辞めたからこそ、いまの自分がある訳なのですから後悔はしていません。でも、教壇に未練があるのもまた事実です。あの授業のライブ感、ゾクゾクするようなワクワク感はやっぱり授業でしか味わうことはできませんもの。

睡眠不足は完全に人間といういきものを壊します、殺します。たとえ生き永らえたとしても、必ずあとからそのツケを支払わされます。私がいい例です。現役時代あれだけ、体力と持久力(現役のランナーでした)、そして健康にだけは自信があったこの自分が、カラダのあちこちにガタがきはじめているのです。

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若い時分はそれで何とか乗り切れるのかもしれません。(私はダメでしたが)しかし、モノには何でも限度があるのです。その境界線を私の場合完全に越えていたのです。我が身は自分で守るしかないのです。

教師人生を「あしたのジョー」の「完全燃焼」よろしく、燃やし尽くすのであればそれもひとつの道でしょう。でもそれでは、教師人生を全うした!すべてやり尽くした!~と死ぬときに言えるでしょうか?やはり、教師であり続けられるのも心身の健康があってこそなのです。

こんなカンタンなことに気が付かなかった私は本当にバカで間抜けでした。

これから教壇に立たれるみなさん、どうか睡眠時間だけは十分に取ってください。これは道半ばに退却を余儀なくされたもののメッセージです。自己に必要な適正睡眠を十分に取って、そのぶん集中力を高めて仕事を進めて行けばいいだけのはなしなのですから。

自分が最大限のパフォーマンスを発揮できる状態になっていることが何より、学校・子どもたちのためになるはずです。

今の私ですか?おかげさまで睡眠時間だけは十分に取れるようになりました。みなさんも、たかが睡眠と侮らず、今日から早めに仕事、学習を切り上げて身体を心をゆっくり休めてあげてください。

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