仕事 教育・教師 相談ケース

仕事がデキる教師は段取り上手!事務が苦手の先生のための段取り力アップのコツ!





今回は珍しく教育に関する相談ではなく、「仕事効率アップ」「仕事流儀」といった仕事術についてです。相談者さんは現役の中学教師(男性)ですが、「事務の仕事がほんとうに苦手。これと会議がなかったらどんなに学校が楽しくラクになることか。」~切ない嘆きが続きます。

私も教師時代は事務の仕事がダメでニガテでした。部活終わって8時(夜ですよもちろん)自分の机に戻りボロボロのカラダに鞭打ち、眠い目こすりながら山のように積み重なった書類を崩していく~日付をまたぎそうになるので「持ち帰り残業」の毎日・・・(でも、持って帰っただけで終わること多しむなし)

現役時代は時間に流され、滝のように流れて来る仕事をただひたすら延々と処理しているだけ感が否めませんでしたが、自由業となってからは自分の流儀、ペースで仕事をしなければ何も始まりません。すべて自分で考えなくてはいけなくなった今、自分なりのやりかたとマインドをつかんでからは時間と労力の振り分け、使い方が確実にうまくなりました。

その結果、当然能率効率アップ→デキる仕事の質、量ともに大幅アップ→さらなる改善のための努力→もっともっとデキることが増えてくる!→さらにヤル気が湧いてくる!~といいことばかりの状態になっていくことができたのです。

学校教員の事務と自営業のデスクワークとではその性格も異なるものが多いですが、ふだんからストックを増やし、作業処理の手順をルーチン化しておく~ということがその究極のコツであることに何らかわりはありません。

デスクワークは、やり方とコツさえいったんつかんでしまえば、案外とうまい具合にスイッチが入りヤル気ががぜん湧いてくるものなのかもしれません。なにせ、あれだけ学校時代、事務作業を嫌って苦手意識丸出しだった私が、いまではなんの苦手意識もなくむしろ好きになってるくらいなのですから。

きょうは、そんな私から事務を苦手としている先生に向けてのワンポイントアドバイスです。







そもそも、「段取り」ってなに?

クラス、学年、部活に所属セクション、教科などのありとあらゆる作成、提出しなくてはいけない文書、報告書がたくさんですね。当然、提出期限があります。教師の場合、学校以外のビジネスマンと違って事務に費やすことのできる時間は本当に限られています。

朝の職会、打ち合わせに職員室の椅子に座ってから、部活終わって戻る夜の8~9時近くまでの間、席をあたためたこと一度もない~なんてこともありました。授業6コマびっちり、昼もクラスで摂っていればこうなってしまいますよね。特にコマ数の多く、部活動のある中学教師はこのパターンに近いのではないでしょうか?

つまり、教師の場合、事務に費やすことのできる時間は本当に限られている~という当たり前のことをまず、再認識すべきなのです。ただでさえ、限られたこの事務時間が緊急トラブルなどで大幅に持っていかれてしまうのですから目も覆いたくなります。

だとすると、残された時間を「確実」に、且つ「有効」に集中して使っていくことが求められるのです。

前置きが長くなりましたが、そもそも「段取り」ってなんでしょう?いまの私が思い浮かべるキーワードは「事前準備」「TODOリスト」「優先順位」「環境整備」「シュミレーション」「連絡調整」などです。そうなのです、「段取り」とは、ディレクターを助けるADのような役割を担っているのです。

仕事そのものがうまく流れていくよう、目配せ心配りを怠らず仕事の行く先について細心の注意を払う役割です。

広辞苑を引いてみると「ものごとを行う手順や方法、その準備。または心構えとあります。

カンタンに言ってしまえば、やらなければいけないさまざまなコトの完遂までの道筋を、最短、最少の労力で達成できるよう見通しをつけ、実際の処理・作業の手順を思い描きカタチにすることです。もちろんこの過程で、最高のパフォーマンス、果実が得られるような手順にしなければなりません。「一応やった、カタチはつくった!」ではダメなのです。

段取り下手だった過去・・
私の要領の悪さのかずかず・・

学校時代の私は、いまの私からするとほんとうに要領が悪い~この一言に尽きます。

デスクワークという仕事の進め方の基本もなにもあったものではありませんでした。このような感じで仕事をしていた「つもり」になっていたのです。

①思いつくままに、その時の気分次第で目の前にある仕事をとりあえずやっつける

②好きなワーク、やりやすいものから手をつけ、面倒くさく嫌いなものは後回し

③時間などまったく気にせず、ダラダラやっていた

④職員室(学年用)、生徒指導部、教科室~と机が3つあったのに、文書等のすみ分けをまったくせず机上が雑然としていた

⑤当然、仕事の種類に応じて場所を使い分けることもできずにいた

⑥すべての仕事を一人で抱え込み、同僚に聞く、場合によっては助けを求めること、力を借りることもまったくしなかった

⑦段取りの基本であるゴールの設定、タスクの細分化、順序手順の組み立て、時間配分などまるっきり無視

いかがでしょうか?もし、あなたに一つでも思い当たるものがあれば、先生の段取りはカンペキということはできません。私たちが目指す「段取り」はデスクワークにおいて、できるだけ少ない労力、そして短い時間で最高のパフォーマンスを発揮するためのものです。

そのためには、「効率」「能率」という「過程」が重視され、最重要視されるのが「果実」「結果」「成果」です。このことをもう一度再認識すべきです。

敵を知り、己を知れば、百戦危うからず!
気合だけではなんともならない!
自分の事務処理能力を正確に測定、把握することの大切さ

だいたいの段取りの意味はわかった、でもどうやっていけばよいのか?それを早く話してくれ!~そうですよね、肝心の進め方についてこれから話していきますので安心してください。その前に、質問です。あなたは自分の「仕事力」(ここでは事務処理能力に限定して)をどれだけ正確に把握していますか?

自己の力量を知らずして敵(処理対象)に突進するのは無謀すぎます。玉砕覚悟ですか?以前の私がこのタイプでした。精神論で自分を鼓舞し、気合で何とかなる~って気合入れても眠いものは眠い、進まぬものは進まぬ。徹夜も何日も続けば事務だけでなく、いろいろな他の仕事にも影響が出てきたのでした。

教員に限らず、どんな仕事でもおおよそは、このくらいで出来るな~と感覚、カラダ、アタマで分かっていると思います。

しかし、このあやふやな感覚に頼って私はこれまでさんざんな目にあってきました。つまり、自分の力の自己評価と実際現実との間に隔たり、ひらきがありすぎたのです。

「過大評価」ってやつです。「過信」ともいいますね。自身の「自信」も「確信」つきのホンモノだったら問題は何もないのですが、このなんとも頼りない「過信」だのみの感覚というものがいちばんあやふやで危なくやっかいなのです。

会計の世界では「保守主義の原則」というものが会計原則のひとつに挙げられれています。利益は最小に、費用は最大にして見積もる~という原則なのですが、自分を「過小評価」とまでいかなくとも「正当」に評価しなくてはいけないのです。

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そうなのでした。「敵」とは、じゅうぶん知っているつもりであった「自分自身」のことだったのです。これ知らずしてコトに当たるのは非常に危険です。

自分の力量を測るためには、日ごろ処理している仕事を最小のタスクに分けて、処理にかかった時間を記録し、常に自己の処理能力を把握している状態にすることです。

何げなくふつうに言っていますが、非常に重要なことです。

たとえば、ブログ1記事(6,000文字)書き上げるのに3時間(180分)かかったとすると、6,000÷180≒33~と算出され、1分あたり33文字打てた、処理できたことになります。たとえはブログのはなしですが、このように作業、処理ごとに自己のパフォーマンスを計測し、自己のスキルを常に把握しておくことはとても重要です。

次の記事を書くときにも同じように計測し、絶えず自己のパフォーマンス向上につとめるよう自分を追い込むのです。なぜならば、繰り返しになりますが、最小の労力で最大限の結果を出すためにはちんたらなどやってられないのです。

もっともブログであっても、ただキーボドを打ち続けて記事をアップすればいい~というものでもなく、そのあとの検証(記事の反応、読まれ具合、収益貢献度測定)→反省、改善~といった作業も当然ありますが、こういった作業も数値化していくことにより、さらなるパフォーマンス向上につながることでしょう。

このように自己の処理能力を常に把握しておくことにより、最適な手順、時間配分がなされるだけでなく、常に最短で最良の方法を選択できるようになれるのです。

目標、ターゲット、目指すゴールを明確に!

優先順位をハッキリさせることが大切!

自分の処理能力が明確になれば、あとは限られた時間を「ターゲット」「タスク」に向けて振り分ける作業になります。

いまやらなければならないこと、いまやるべきこと、いまやったほうがいいこと、できればいまやったほうがいいことの4段階に仕事、処理対象を思いきって分け、このうち上位の2つに注力します!

そして、どっちでもいい、いまやらなくてもいいこと~このようなものは処理対象から一時的に思いきって外すことです。そしてここでも大切になってくるのは事前準備です。

やるべきことが明確になり、使う時間も決まったらあとはタイマーをスタートさせます。カウントダウン方式でやります。音を鳴らせない場所でしたらバイブ機能付きのもの、もしくはスマホでもいいですね。注意が分散されると能率ダウンですので、分室等他に仕事に集中できる場所があるのなら作業場所にもこだわりましょう。

ただ漠然とタイマーをセットして作業に取り組むだけでは、あまり意味がありません。タイマーをセットして作業、処理に取り組むのは次のような意味があるのです。

自分のデスクワークパフォーマンスを常に数値として把握しておく必要があるから

限られた時間内に作業を完了させようと自己を追い込むため

そうなのです。その結果、処理能力・スピードアップ、そして集中力もついてくることが期待されるのです。

注意事項

まとまった時間が必要な仕事、細切れ時間でできるものをハッキリ区別する

仕事の性格からして、完璧なもの、成果が求められるような仕事は、まとまった時間が取れるようなとき、もしくは場所を変えて家などでやるべきです。細切れ時間などを使って処理することにより、注意が分散されミスも多くなります。そして再度取りかかるときに、再びエンジンのかけなおしとなりますのでロスタイムが実に痛いのです。

目標、ターゲットが大きすぎるのは×、漠然としたものも×

大きなターゲットも必ず細分化、タスク化すべきです。そして、小さくしたタスクも大目標のどの部分にあたるのか常に作業中も把握していることも大切です。

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実際の私の段取り例の紹介

ウォーミングアップ編

①週間、月間、ターム間目標等に従って明日の段取りを組み立てる。机上、書類の整理整頓、周辺のそうじをしてから帰宅

この時に注意したいのは、先の「会計原則」に従って、自由になる時間を多く見積もらないこと。
いつ何があるか分からないのが学校であり、教師のさだめでもあります。

②寝る前に明日の仕事のシュミレーション

③早めはやめに学校に行く

かつて私は6:30には学校についてました。朝錬が始まる7:30までの間の60分は事務作業に専念できる貴重な時間でした。これはもちろん、生活環境が異なりますのでみなさん全員に勧められるものではありませんが、時間を作り出す、絞り出す努力も時には必要でしょう。

④もういちど整理整頓、そうじ

⑤TODOリスト、優先順位の確認

⑥事務作業開始

まずは作業を伴う単純、カンタンなものから私は始めています。メールチェック、文書整理等まずはエンジンをあたためてからGO!です。

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デスクワークの進め方、4ステップ

①タスク処理に必要な時間の見極め(算出)と手順配分計画

ここでもやっぱり自己の処理能力、デスクワークパフォーマンスを正確に把握していることが重要になってくるのです。

もうすでに「段取り」の段階で優先順位づけは終えているのですから、あとは今日処理予定のワークを空き時間(可処分時間)に落とし込めていくだけです。まとまった時間がどうしても必要なものは部活を終えた後、教科の到達度チェックテスト採点は授業の空き時間に~などのように配分していくのです。

とは言っても、空き時間のほとんどない中学校の先生などは放課後にならないとデスクワークの時間がまったく取れないという状態でしょう。このような場合には、そのまとまった時間内でどのようなタスクをどのくらいの時間で処理予定なのかを配分するのです。

②作業完了(ゴール)にたどり着くまでのやり方、方法を考える

同僚、生徒を頼った(私は担任秘書というクラスの係りを決め、任せられる部分のクラスの仕事(生徒のプライバシーにかかわることを除く)は彼らに託していました)ほうが早く確実に終えられるかどうかの見極めも大切になってきます。

③実行

この実行に当たっては注意事項が何点かあります。

★完璧なデキが求められるものなのか、それともとりあえず着手して前へ進むことが重要なものなのか?

この見極めもまた非常に重要です。すべてにおいて完璧主義を目指すと能率が大幅にダウンするだけでなく、非常に疲れます。

★提出期限のある重要な文書、報告書などが間に合わないような場合には、抱え込まず必ず他に早め早めの相談、報告

④計画の反省と評価

一日のワークの終わりに必ずこれを実施します。計画通り完遂できたか?到達度はどのくらいか?これもまた感覚で評価するのではなく、数値、目に見えるカタチにしなくてはなりません。

ワークの内容もさることながら、かけた時間と労力(気苦労も含めるかどうかはお任せです)に対するリターン・・・これを重視します。良かった点、悪かった点含めてトータル的に見ていきます。これを次の段取り設定の時に活かすのです。

段取りの前の「前段取り」が何よりも必要なワケ
仕事、職場環境の大切さ!

私が勝手に呼んでいる「前段取り」ですが、段取りの前にするべきことをこう呼んでいます。

具体的にどういうものを指すのか挙げてみます。

①メール返信文の「定型フォーム」を予め作っておき、すぐに使える状態にしておく

②常に整理整頓を心がけ、欲しい時に欲しいものがすぐ取り出せる状態にしておく

③時間があるときには、普段できない事務作業をどんどん先にすすめ(優先順位に従って)、仕事のストックを増やしておく

④仕事の進捗状況が一目でわかるチェックシートをつくって、現在の立ち位置を常に把握できるようにする

などなど下準備としていろいろ考えられますね。
つまり、その仕事がうまくすすむように常に考え、自分のエンジンに即フルスロットルをあげあられるような状態にしておくことなのです。

モノゴトは何でも動き出すまでがエラく時間と労力をより多く必要とするものです。クルマだってそうですよね。仕事だって同じです。どのような仕事であれ、すぐに取りかかれる状態とまではいかなくとも、前の日にちょっと書類に目を通しておいた、イメージングしてた~これだけでもずいぶんと違うものです。この差というものは実は大きいのではないでしょうか?

限られた時間で効率よく成果を出すためには普段からの「段取り」と「前段取り」がものをいうのです。
何よりもすぐに取りかかれる状態になっていること、そして気持ち心構えが仕事に向いていることが大事です。

いちばんやっかいなのは人間の気持ちというものです。この気持ちをうまくコントロールする、つまり「ヤル気」にさせることができればコワいものはないですね。

やはり、自分をその気にさせるためには環境の存在は実に大きいです。

★机上、机まわりがキチンと整理されている

★文書、書類が性格、種類、分野、セクションごとに時系列にキチンとファイリングされている

★仕事達成のための連絡調整があらかじめキチンと確立されている

★デスクワークを進めていくうえで必須である、段取り、計画、実行、評価をつねに把握できるオリジナルの手帳、デバイスが用意されているか

★PCもまた同様に紙ベースファイリングと同じように、必要な時に瞬時にデータが取り出せるようなスタンバイ状態になっているか

これらの要素は本当に重要なものなのではないでしょうか?繰り返しになりますが、「効率」と「成果」が何よりも重要なのですから。そして、教師はそれでなくともデスクワークに割くことができる時間は限られているのですから。

ちょっと長めに今日はデスクワークについて考えてきましたが、教師が事務を執り行うにあたって大切なものは

一極集中優先順位・・・この2つに集約されるような気がします。といいますのも現役時代、私にはこの2つが欠けていたためとにかく要領が悪かったからなのです。ただでさえ少ない教師の可処分時間、一分一秒も愛おしいですよね。だとしたら、脇目も振らず目の前のワークを終わらせることにのみ集中すべきなのではないでしょうか?

そして早くデスクワークを終わらせたぶん、こどもたちとの時間に使えたら最高ですね。最後に睡眠だけはじゅうぶんとはいえないかもしれませんが、できるだけ取ってください。私は身体を壊して教壇を去ることになりましたが、慢性的な睡眠不足もその一因だったのです。

学校に行くことができる、授業ができる~これらは実はほんとうにしあわせなことなのかもしれません。
















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