♪済んでしまったことは仕方ないじゃないの♪ 菅原洋一さんの「知りたくないの」・・・
今の美代子さんの心もちにドンピシャ!って感じですね。
作曲: ロバートソン 唄: 菅原洋一 |
あなたの過去など 知りたくないの 済んでしまったことは 仕方ないじゃないのあの人のことは 忘れてほしい たとえこの私が 聞いても言わないであなたの愛が まことなら ただそれだけで うれしいの ああ愛しているから 知りたくないの 早く昔の恋を 忘れてほしいの今回も対比が見事です!実に鮮やかですね。お父さんの過去に向き合おうと、世津子さんの口から真実を聞きたいと願うみね子。そして、かたくなに自分の中に秘め通そうとする世津子さん。所は変わって奥茨城村・・・まじめすぎるくらい誠実な故に、話さなくてはいけないと思ってしまう実さん、そして「知りたくない」美代子さん・・・言ってしまえばラグになる、けど聞いてしまえばツラぐなるんですよね~ なぜ、世津子さんは過去を語らなかったのか・・・病院の先生が言ってたんだけど、谷田部実さんの記憶が、戻ったとしたら・・・ そうすれば、2人の時間が、あなたのお父さんを苦しめないし・・・ そうなれたらいいなって、思ってる そこまで愛おしかった「2人だけ」の時間を、自ら手放してしまった世津子さん・・・みね子だから、実さんだから、そうせざるを得ない何かが彼女の心の中で働いたのでしょう。 世津子さんの気持ちにできるだけ寄り添って考えてみました。そこから浮かび上がってきたのはこういうことです。やはり誰かに話してしまうことによって、「2人だけ」「私だけ」の想い出、時間ではなくなってしまうことがたまらなくコワく、イヤだったのでしょう。いくらみね子であっても、彼女の譲れない最期の砦なのだと思うのです。もうひとつの考えられる理由は、みね子そして谷田部家のこれからを思っての彼女の優しさゆえだと思うのです。 いくら大人になったとはいえ、未だ真実を受け止めるには幼すぎる、刺激が強すぎると思ったのではないでしょうか?知らなくてもいいこと、知らない方がいいことってきっとあるはずなんです。そんな彼女の大人の心遣いだと僕は思いたいです。 上の世津子さんのセリフの「だけ」に注目してください。 悲しすぎます、切なすぎます。さらに追い打ちをかけるように「そうなれたらいいなって」、自己犠牲の極致ですね。想い出だけにこれからの彼女は生きて行くというのでしょうか? Sponsored Link しあわせは、誰かの不幸せの上に成り立つというエゴイズム・・・せっかくの美代子さんと実さんのラブラブな、いい感じも世津子さんの心境を考えると、素直によかったね!何度もトキメけて、プロポーズされて~なんて思えないのです。確かに美代子さんから見たら、夫を奪い返した!になるのでしょうが、世津子さんからしてみたらどうでしょう・・・彼女の元には何も残っていないですよね。愛する人も仕事も無くし、住む所さえ追われている悲しき一人身。 早苗さんが、世津子さんを自分と向き合わせるために取った強硬手段は、やはり必要だったのです。それが分かっていたから敢えて切りだしたのです。 『ひよっこ』はお父さんと晴れて再会を果たし、めでたしめでたしの物語ではなく、そこからの再生がもうひとつのテーマになっていると思うのです。登場人物のそれぞれが、リバースを果たしつつある今、世津子さんも再生に向け、舵を切ってほしいのです。それには、実さんの力が必要かどうかは世津子さんでなくては分かりませんが、少なくとも、あのような別れ、そして今はあり得ないと思うのです。 誰が悪いわけではありません。誰も悪くなんかありません。仕方なかったのです。しかし、何事にも通さなくてはいけない筋であったり、けじめというものがあるはずなのです。終わり、別れもきちんと「終わらせたこと」にしないと永遠に終わらないでずっと後を引くのです。「なかったこと」になんかできるはずもありません。 知らなくてもいいことは確かにあるでしょう。美代子さん、みね子は知らない方がいいのかもしれません。けれど世津子さんが再生していくためにはきちっと終わらせてあげることが何により大事なのではないでしょうか・・・ あっ、いや・・・なんつうが・・・かわいいなあと思って 好きだ。美代子のこど こういうしあわせな「2人だけ」の時間が持てるようになったのも、世津子さんが自らのしあわせを手放したからこそなのです。 もし、そうだとしたら世津子さんが言うように、記憶取り戻して、世津子さんのことはきれいさっぱり忘れてしまったほうが、世津子さんは救われるでしょう。 『ひよっこ』25週「大好き」146話 9月19日放送分 |