ものごとには何でも限度というものがあります。人を人とも思わぬ暴力暴言の嵐に、いったいいつまで耐えればいいのでしょうか?出口の見えないイラ立ちと恐怖から、張り詰めていた糸がプチッと音をたてて切れました。
実際、ブチギレ、マジギレの効果はどうなのでしょう?キレることは、いじめ加害者の心理にどのような影響を及ぼすのでしょうか?ブチギレる前に、まずは今、自分の置かれている状況を冷静に見渡し、マジギレ後のシュミレーションを念入りにしておかなくてはいけないのです。
これは本当に大切なこと。いっときの感情にまかせてキレてしまえば、その時はスッキリするでしょうが、そのあとのことも当然考えておかねばなりません。そうなのです。その後のことも考えてキレるというアクションは、本気(マジ)でブチギレることではなく、冷静にキレるフリをするということに他なりません。
それほど、キレることには慎重にならなくてはなりません。なぜなら、キレること自体にはかなりの危険性をはらんでいるだけではなく、あとあとさらにさらに状況を悪化させてしまうことがよくあるからなのです。
情報の重要性!まずは相手を知り
自らの置かれた状況を冷静に把握する
つらく、生きるのが苦痛な毎日。何とか脱け出したく、様々な方法に思いを巡らせていることでしょう。しかし、抜け出すための「手段、方法」だけを探るのであれば、正直な話、うまくはいかないでしょう?
なぜなら、その「手段、方法」は、「原因、要因、理由(わけ)」にあったものでなければ、何ら効果はないに等しいから。魚のいない川に網を投じるようなものなのです。
まずは、現状を冷静に見極め、
① 何が原因で今、自分はいじめられているのか?
② いじめ加害者集団、クラスの人間相関、関係図
③ 「②」を取り巻く、家族を含めた周辺の人間の情報
④ 自分を助けてくれる人間の把握
⑤ 様々な対抗手段のシュミレーション
⑥ 最悪のパターンのシュミレーション
最低、これだけの状況分析と情報収集、分析をあなたなりに行わなければなりません。
あなたからしたら、いじめられる理由、原因などおよそ思いつかず、いわれのないいじめに苦しんでいるかもしれませんが、加害者彼らは、彼らなりの何らかの理由があっていじめているのです。なんとなくも含めて、つまり加害者にとって「利」、トクすることがあるからなのです。
① 自らの「チカラ」をアピールし、上位に立ちたい
② 自らの弱さ、自信のなさを隠すため
③ 憂さ晴らし、イライラする
④ 自分の残酷な気持ちを満足させるため
⑤ 仲間との連携を保つため
⑥ 自分の満たされないこころを誤魔化すため
⑦ 気に入らない
⑧ 痛めつけたい、苦しめたい、悲しませたい
⑨ 嫉妬心を抑えられないため
⑩ なんとなく、偶然にそうなった
などなど、あなたはただ単に加害者の満たされないこころのスキマを埋めるものとして扱われ、被害にあっているのです。あなたをいじめることによって、加害者はどんな「利益」を手にしているのか、まずは状況分析をしてみてください。
いつ、どこで、誰に、ブチギレるか?
耐えに忍んで、今日までなんとか生きてきた。そして、ついに我を忘れて狂人のようになって相手、ものを破壊しつくす!これができたら、一時あなたはどんなにスッキリとすることでしょう。
しかし、実はこれは最悪のパターン。ブチギレる&マジギレるということは、自分を見失っていることなので、解決、勝利からはおよそ程遠(ほどとお)く、その後の、冷静な状況判断もまったくできなくなってしまうのです。
もし、仮にどうしても「ブチギレ」るのであれば、しっかりと事前に情報収集をし尽(つ)くし、シュミレーションを何度も行ってからでないとダメ!つまり、「ブチギレ」はあくまでも「ブチギレ演技」であるべきなのです。
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① 集団でいじめられているときにか、1対1のシーンでか?
② グループリーダーに対してか、それとも末端構成員に対してか?
③ クラス内でか?校内、校外か?
④ 教師がいるところでか、そうでないシーンでか?
⑤ どのようにブチギレるか?
⑥ 話す「セリフ」はどうするか?
⑦ ブチギレの後処理はどうするか?
⑧ 教師にどう報告するか?
ビジネスでは、情報が何よりも重要性を持ちます。なんら情報を持たずして相手に闘いを挑むのは、討ち死に行くようなもの!玉砕(ぎょくさい)覚悟ならともかく、「勝ちに行く」のであれば、まずは相手を知ることです!
これまで私の経験から言うと、キレるというアクションを被害者が取った場合、さらに加害生徒は面白がりさらなる攻撃、反撃をその場で加え、その後執拗(しつよう)&陰湿(いんしつ)ないじめに発展する可能性がかなり高いです。
キレたこと自体を逆手(さかて)に取り、
「おまえだって攻撃してきたじゃん!」
「これはケンカだよ!」
~ってなるのがオチです。
酷い事例では、一回マジギレしたことをいいことに、呼び出し暴力がさらにエスカレートし、
「もう一回キレてみせろよ!」
~と、ひどい暴力で迫り、キレられないでいると、さらにボコボコにされてしまった・・・という案件があったのです。
それでもあなたはキレますか?キレたいですか?
ブチギレ!最悪のシナリオを描かなくてはいけないワケ
最高のシナリオは相手も自分も傷付かず傷つけず、加害者が「コイツはキレたらまずい、関わりたくない!」と思いこませることでしょう。しかし、繰り返しになりますが、最悪のシナリオ、そして最悪の場合にとるアクションこそ、描いておかなくてはならないのです。
自分でも思わぬ力が出てしまい、相手にとてつもないダメージを与えてしまった。物を使って、相手を殺してしまった。思わぬ反撃を受け、ボコボコにされてしまい、更に酷いいじめに遭うようになってしまった。描いても描いてもキリがないのです。
つまり、このような可能性が大の時は、無謀な闘いは挑まぬ方がよいのです。
あなたは「被害者」であるはずで、今まで大変な苦痛を受けてきたのに、相手を傷つけ殺してしまってはあなたが、今度は「加害者」となってしまうのです。
キレる、フリは暴力を伴わない手段で
ハッキリと自己主張をすることは大切です。堂々と自分が今、受けている状況の不当性を主張することです。それが、どうしても難しく、できないのであれば、完全にキレ、暴力に訴えるのだけはよくない。暴力を伴わない「キレる演技」だけに思いとどまって欲しい!
完全にキレた結果、予測不能な事がありすぎなのです。あなたを、あなたの家族を更に窮地に追い込むことになりかねないことがいちばん恐ろしいこと。やられる痛みを知っているあなただけには、「加害者」になって欲しくないのです!
ただ、いままでさまざまな人たちに相談しても、自分でもいろいろ悩んでそれなりに実行してもダメだった場合、最後の方法として「キレるフリ」をしてみる~という手もアリなのかもしれません。あくまでも「演技」としてですが・・・
しかし、演技のはずが、なりゆきで、相手のリアクションが想像以上想定外で、演技が演技でなくなってしまい「マジギレ」になるということも実はよくあること。
これまで私が述べてきたことは長年教師をやってきて、キレる生徒たちと付き合ってきた経験から導き出された私なりの結論です。
いまのあなたの状況のつらさ切なさ苦しさはあなただけにしか分からないもの。しかし、今の状況があなたの人生のすべてではないはずです。
耐(た)えて忍(しの)んでこそ、そこから生れ出(い)づる「生」というものがあると私は信じたい。
苦しみの中にこそ光あり!
今こそ、あなたの将来に向けてあなたオリジナルな「力」を蓄えようではありませんか?!
そして、結論!
いじめ被害でも、「情報」の価値は大!
ブチギレ演技決行の前に、入念なシュミレーションを!
マジギレはあくまでも「演技」で!
最悪のシナリオを描く!
あなたはあなたでしかない!
自分を見失うのはあなたがあなたではなくなること!
いじめられる「理由(REASON)」など何もない!
「Reason」 詞 澤地隆 曲 CHAGE 歌 CHAGE&ASKA