昔の同僚と久しぶりに会って、いろいろ現場の悩みやグチを聞かされているうち、私が現役だったころとまた「写真撮影事情」もだいぶ変わってきてしまったようで、ちょっとショックでしたね。なんでも、クラス開きの余韻冷めやらぬうちのホヤホヤの雰囲気をカメラにおさめたくって新しいクラスでの集合写真を撮ったところ、数日後に担任である友人あてに、保護者からクレームが入ったそう。
それも、管理職にさんざん悪態ついて担任を非難した挙句、今度は担任に代わってもらって延々と30分もお説教をもらってしまったとのこと。「どういうつもりで写真を撮って、何に使われるかも何の説明もない。ましてや家庭、子どもの同意もなしのいきなり強制の撮影・・・いったい何を考えているのか分からない・・・自分の子どもの担任がこんな非常識な人なんて大ショック! 然るべき説明と謝罪を求める!」というキョーレツな保護者だったそうです。
友人の気持ちもそりゃわかりますよ。入学式、クラス開きホヤホヤのフレッシュな表情を収めた貴重なワンショットは、まさしくこの時だけなんですもの。私なんかは、保護者が子供ともどもフレームに収められるまたとないチャンス、入学式&卒業式には必ず集合写真に収めて後から全員に配ってたものでした。
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撮ってプリントして、これまで喜ばれたことたくさんあれど、罵られるなんて・・・私の時代には想像だにしなかったことですが、現代にあっては担任に限らず、自衛のためにもさらにさらに先の先を読んで行動に移さなくてはいけない和めない何とも言えない時代になってしまったのですね。別に仏の時だって、デジカメを構えるとやんちゃなお嬢やお坊がわんさか寄ってきてフレームに収めるのに苦労したり、卒業式の後、子どもたちからツーショット画像をよく頼まれたりしたものです。おおらかな時代だったのかもしれません。
こりゃしょっぱなから出鼻くじかれるは、やる気急激にダウンで友人も相当へこんでいました。彼もそれなりの場数を踏んだ担任歴の長い、けっこう子ども思いのいい奴なんですけど、現場を離れて結構な時間の経つ私にグチをこぼすほど追い込まれているんだと感じました。
保護者と教師、学校とのいざこざはいまに始まったことではなく、むかしからそれなりにいろいろとありましたが、これだけのトンデモ、ナンデモありの家庭はなかなかにお目にかかれるものではありません。私の場合、問題が難しいほど、相手が手強ければ手強いほど攻略?に燃えるタイプなのですが、しょっぱなからコレやられてはそりゃ凹むでしょうね。友人のことながら、私だったらどうする?と思わずその場で考え込んでしまったのでした。
今回の一件は、父兄が未だ担任との一定の関係がまだ構築されていないところに、いきなり担任飛び越えて管理職にクレームが行ったことがますます問題を大きくしてしまった感が否めません。それも、お互い顔の見えない「電話」での会話であったことがさらにさらに問題をこじらせてしまったのではないかと私は思うのです。
通常、このような一方的なクレームの場合は、すべてを電話で終わらせようとするのではなく、「日を改めてお話、伺いましょうか?」「その間に、こちらで何かできることありますか?」などのようにいったん冷却期間をおいたほうが無難であるということも担任歴の長い彼はわかっていたはずなのです。
なのに、突然の電話で一方的にまくしたてられ、友人も売り言葉に買い言葉で応戦?してしまったため、あとあとたいへんなことになってしまったのでした。こちらが相手の言葉、感情を真正面から受け止めて対応することは普通はとても大切な事ですが、相手が激昂している場合などは、火に油を注ぐようなものです。
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これまで、保護者と学校、教員との関係改善の方策についてはユメザスで何度も話題に取り上げてきたので、深入りは避けますが、時代は変われど結論はこの2つに行き着きます。ちょっと寄り道して、もう一度確認しておきます。
➀ 普段からの家庭とのコンタクトを地道に誠実に重ねていく~これに尽きる。
② ダメなものはダメに徹し切る。
この一線はゆずれない~ということ。我がの教師としての矜持を持ち続けるということ。 AND 何を言っても響かない、こちらの気持ちが通じない家庭は確実にあるということは頭の片隅に。担任が抱えている子どもは決して一人だけではない。あきらめて他の子どもたちのための時間に費やした方がいいという場合もあるということ・・・しかし、あきらめずにとことん付き合って好結果・・・という場合も当然ある。ここがなんとも難しくてつらくて面白いところ。
これに一つだけ付け加えるとすると、以下の一点も私はとても重要なこととして実践してきました。
「あなたを認めます。あなたの話も聞きます。ので私の話も聞いてください・・・」というスタンス(ここで自分をわかってもらおうとか、認めてもらおうなどとはしないことが大事)
そういえば、私がクラスを持ってた時分には、必ず「写真係り」を男女2人づつ配置し、季節・イベントごと、日々の何気ない風景を常識の範囲内で許可なんてあってないようなもので撮影させてました。もちろん、本人が嫌がっていたり、明らかにこれはダメだろうというショットなどは本人たちもブレーキがかかるのか、問題なしに仕事をしていました。彼らの流した尊い汗は、卒業文集、卒アルだけでなく、卒クラ(クラス終い)時に渡すクラスアルバム&文集に「懐かしい思いでショット」として確実にカタチになったのでした。
担任から見た子どもたちの風景だけではなく、子どもたち目線のショット、そして教科担当の授業風景など、今あらためて見直してもほっこりできて、これやってて「よかったな~」と思えるのです。また、彼らが卒業した後、呼ばれる結婚式なんかに私の場合、当時のスナップショットをたくさん持って行ったり(新郎新婦だけでなく、呼ばれてる同級生のショットもたくさん)、恩師スピーチの時にバックに当時の風景をスライドで流してもらったり~とそれはそれは当時の想い出画像が大活躍するのです。
話が昔話にそれすぎましたが、現在の学校カメラ事情はなかなかに和めない状況に陥っているようです。最近では、一部の特殊性癖者が私物のデバイス、学校のカメラなどで自分たちの欲望を満たすために子どもたちを毒牙にかけていたというのですから、どうしようもない。いやはや学校、教室、校内のどこにいても安心なんてできないなんて、いったい子どもたちは誰を信用したらよいのでしょうか、どこに逃げ込んだらいいのですか?
このディープすぎる問題は、何も今に始まったことではなく、ただただ己のこのどすぐろい欲望を満たしたいがために教壇に立っている破廉恥(恥を恥とも思えないほどバカだということ。恥知らずともいう。)教員はいつの時代も、どこにでも一定数いるという事実は学校に勤めた者であればだれでも知っていること。ただ単に、これまでに、これだけ表立って出てこなかっただけの話。
しかし、国会で取り上げられたりしてここまでコトが大きくなってしまったので仕方なく文科省は、各教委に通達を出したようです。なんでも、私物のスマホで子どもを撮影したり、学校の端末でも撮影した画像を許可なく校外に持ち出したりすることがないよう服務規律の徹底を求めたのだそう。
果ては学校中至る所に防カメ設置論まで飛び出す始末で、もうめちゃくちゃもいいところ。相次ぐ教員の子どもたちを対象とした性犯罪は防犯カメラなどではどうしようもないことは火を見るよりも明らか。何より「犯人」は防カメの前などでは決して間違いを犯さないし、撮るためのものが何も撮れてないのでは、なんのためのカメラなのか全くを持って意味ナシ。そこで、今度は「隠しカメラ」となって、それこそ教職員、児童生徒、保護者からも「盗撮」ではないか? の声が上がってしまうこと必至。やはり、学校においては「悪事暴き」「犯人捜し」はマイナス面ばかりが目立ってしまうような気がします。
カメラに委縮して本来の教育活動が損なわれたり、カメラの眼が届かないところでのいじめや体罰が行われたり~とますますこれらの行為が陰惨なものとなり、エスカレートしていきやしないですか?私の深読みしすぎでしょうか。
やはりカメラのような機械などに頼るのではなく、人間の「目」「眼」を置くべきなのでしょう。何でも話し合える人間関係の再構築、見直し・・・そのためにはやはり「余裕」がゼッタイ必要。時代の変遷とともにますます肥大化しつつある現代の学校において、何が大切なのかはみなわかっているはず。
すべて理詰め、効率主義にとらわれた学校に未来はないです。学校ではさまざまな教職員、子どもたちがいて許されるはずの場所なのですから。何はともあれ、学校でのスナップ写真は、いつだってあの頃に戻れるとってもいいもの、大切なものに変わりはないです。先生!あなたの感性で、一瞬を切り取って子どもたちに想い出として残してあげる・・・とっても素敵なこと、そしてしあわせなことですね。
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