今日、紹介するのは次の本当に切実な相談です。
あんなにあこがれていた教師だったのに、現実は違いました。とうとう、「続けたい、学校に残りたい」というわずかな気持ちさえもなくなってしまいました。
一応、学校には行ってはいるのですが、心ここにあらず状態で、本当の自分はどこかに行ってしまったようです。私は病気でしょうか?
私なりにこの3年間、努力してきましたがもう疲れました。思えば、報われたこと、生徒たちにしてあげられたことは、ほとんどなかったんじゃないかなと思うのです。
来年3年で初めての卒業生を出すつもりでしたが、いまはもうその気力もなくなりました。
別に自分じゃなくっても、なりたい人はいくらでもいるでしょうし、もっと生徒のためになる仕事のできる人のほうが、生徒にとっても学校もうれしいんじゃないかなと思ったりもします。
辞めた後のことは何も考えられませんが、今はとにかく辞めたいのです。
生徒との夢見ていたあたたかい心の交流もいまはありません。父兄の理解も得られず、学校での人間関係もうまくいっているとはいえません。そのうえ、私にはこれといった取柄、特技は何もないのです。
なぜ自分のような人間が教員になろとして、そしていま教員をやっているのか、いまあらためてとっても不思議に思うのです。
なんでもいいんです。辞める決心が固まるようなアドバイスをお願いします。
~今回はメールのみでの相談でしたので、双方原文そのままに紹介します。~
心中お察しします。さぞかしお辛いことでしょう。
辞めたクチの先輩として、私も当時の記憶がよみがえり切なくなってきました。でも、私はお医者ではありませんのであなたが病気なのかどうかなんてわかりません。
無責任な回答はしたくはありませんので、私のこれまでの経験からこたえられる範囲で話してみます。
まず、はじめに「辞められる決心が固まる~」とあったのが私はすごく気になりました。あなたは誰かに背中を押してほしいのですか?誰かにアドバイスされて辞めたとしたって、その後の長い人生のライフプランを描いていくのはあなた自身のはずです。
私も相談者さんのように、その後のプランが大してあったわけではなく、退職後辛酸舐めつくしましたよ。私の場合、学校は大好きでしたが、大好きすぎて身体を壊しました。
いまは自営として自活していますが、ここまでのマイストーリーは血と涙なくしては語れません。プライドなんて辞めたその日に捨ててしまいました。相談者さんはまだお若いようなので人生やり直しはいくらでもきくでしょうが、ある意味学校はぬくぬくのぬるま湯です。
仕事に際限がなく、心身ともにたいへんなのは重々承知です。しかし、毎日毎日ノルマ、数値に追われることもなく、別に原価意識など持たずともよく、おまけに仕事のデキ、不出来にかかわらず高給保証~人間いったん甘い汁を吸うと後々がたいへんなものなのです。
せめて、辞めた後の人生設計が描けていて、就職先もしくは起業がうまく回り出してからにしたほうが賢明だと私は思います。辞める辞めないは相談者さんが決めることですが、ひとつおすすめするのは、信頼のおける誰か(ネットではなくリアルな関係)に相談してみる~ということなのです。
あなたのことを本気で心配してくれる人なら、私とは違ったまた本気のアドバイスがもらえるのではないでしょうか?私も本気で回答はしていますが、いかんせん血縁関係にあるはずもなく、親御さんなどとは本気度ももちろん違います。ましてや相談者さんとは一度も会ったことなどないのですから。
私のこちらのサイトでの教師を辞めたいときにシリーズでも再三再四話していますが、私があの時、誰かに相談できていたなら、また違った人生になっていたかもしれないと思うのです。
※「「教師辞めたい!でも続けたい!」生徒指導の挫折の乗り越え方~ものの見方を変え、自分を変える!~」
※「教員辞めてもいい人・辞めたほうがいい人~過信・自信✖、確信〇~後悔だけはしたくない~」
これからの相談者さんの人生のライフプランがいちばん大事なので最初に話しましたが、いよいよ本題です。
教師・教員など正直いくらでも代わりがいます。あなたが仰るようにやりたい人はいくらでもわんさかいることでしょう。こちらのブログでも前に話しましたが、私も辞めた当初はクラス、部活、受け持っていたセクションなどそのすべてが気になって仕方ありませんでしたが、ある時期を過ぎたころからまったく気にならなくなり、さらに思い出すのをやめてしまったのです。
なぜって、あれだけ心血注いでいたすべてが、別に私なんかがいなくても普通に回っているんですもの。その時は「別に自分の代わりなんかはいくらでもいるんだ~」と情けなく思ったのですが、クラスの子どもから「戻ってきてよ、先生の代わりはいないんだよ~」との電話があって初めて気付かされたのです。
たしかに代わりをやる人はいくらでもいる!しかし自分の代わりになる人は誰もいない!!~ということに・・・
全てが遅すぎました。退職願を出してから時間が経ちすぎていたのですから・・・
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そうなのです。あなたの代わりをやる人間は、あなたが辞めた後、いくらでもいることでしょう。でも、あなたの代わりになる人間は誰もいないということです。教師の世界とはそういうものなのです。
あなたは気付いていないだけかもしれません。あなたの授業を心待ちにしている生徒、あなたのクラスが好きな生徒だっているかもしれません。
能力がなければ、努力してこれから付けていけばいいだけの話じゃありませんか?たった(と言っては失礼ですが)3年の努力でせっかくなった教師・・・諦めちゃってあとあと、絶対後悔しない!~なんて断言できますか?
生徒と家庭、学校での人間関係だって、あなたのこころをさらけ出して、本気で付き合ってきた~と言えますか?相手のこころを開かせるためには、まずこちらが本気のこころを開示しなければなりません。
私が思うにあなたは成長過程(人間だれしもそうではありますが・・・)・・・これから花開くその前に、自分のこころざし、そして可能死性のすべてを投げうってしまってもよいのですか?いまはツライ山登りの2~3合目・・・あとちょっと耐えて偲んでがんばれば急に視界が開けてくるかもしれません。私的にはもうちょっとふんばってもらいたい気持ちなのです。
ただ、闇雲に耐えて頑張ればいいというものではないところが難しいところなのです。私のなり立てのころの挫折、そしてどうやってそれを乗り越えてきたか?などがもしかしたら相談者さんの参考になるかもしれませんので、ブログをさかのぼって読んでみてください。
要は「変わる」「変える」ということです。変わりたい自分、なりたい自分を目指し、努力し続けていくのです。再三繰り返しになりますが、人間変われます。変わろうという気持ちと不断の努力さえあれば・・・
そして、教師の向き不向きですが、たしかにあるでしょう。でも「向いている向いてない」なんてことは周りが判断すること、決めること。教師の世界だっていろいろな人間がいて許されるはずです。なんでもできるスーパーマンのような先生はそれはそれで素晴らしいですが、みんながみんなこんなのばっかじゃ生徒だって生き詰まっちゃいますよね。ちょっとドジでおっちょこちょいでも生徒のこころに寄り添えるあったかみのある先生が好き~というこどもだってきっといるはずです。
あなたは理想と現実の間で苦しんでいる。そのまじめさゆえでしょう。本当に「向いてない」人など、まず自分を顧みることなんてしやしません。
そうなのです。あなたの代わりはいないのです。誰もあなたの代わりなどできやしないのです。
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