絶対一緒になりたくないあの子がいたら!
年度初めのクラス替え・・・クラス替えは心機一転、出直しも可能な一大イベント!教師にとっても生徒にとってもときめくものがありますね。
ただ、クラス替えによって学校がますます好きになる児童生徒がいる一方で、絶望のどん底に突き落とされるこどもがいるのが紛(まぎ)れもない事実なのです!ケースによってはそのまま不登校なんて悲劇も!
ゼッタイ絶対いっしょにはなりたくないあの子がいて、悩み苦しんでいるあなた!
どうしてもウマがあわない程度の好き嫌いであれば我慢のしどころ、人生の鍛錬(たんれん)にもなりますが、学校に行けなくなる、心の病になるほどのダメージを自分に与える相手とは一秒たりとも同じクラスにはいたくないはずですよね。
いったんクラスが学年はじめにスタートしてしまってからでは、トレード等の変更はまず考えられません。なにか今のあなたにできることはないのでしょうか?
決まってしまう前に、先手を打つべし!
教師には学校を辞めた後も、職務上知り得た秘密を守らなくてはいけない~という「守秘義務」(しゅひぎむ)というものがあるのですが、これはあなたを守るために伝授するのですから、別に秘密でも何でもないでしょう。
早いうちに、自分が置かれている切ない事情を信頼のおける教師に打ち明け、
何とか別のクラスにしてもらえないか~と真剣に訴えかけることです。
できれば現在の「担任」が望ましいのは言うまでもありません。
教師というのはプライドの塊(かたまり)でできている人が多いので、自分を飛び越えて他の担任や教師に相談がいくのはいたく彼らのプライドを傷つけるから。学年スタッフを飛び越えて教頭、校長~というのはもっとダメ。
そして、あなたがいかに真剣に悩んでいるかを親御(おやご)さん等、家庭からも話してもらっったほうが真剣味が増しますね。担任教師と親御さんが会う前に、あなたの事情を手紙などにしたためたほうがいいでしょう。
この方法で100%保証とまではいきませんが、ほぼ十中八九うまくいくはずです。なぜなら、クラス編成の権限は主に新しい学年、クラスを担当する学年スタッフがほぼ掌握(しょうあく)しているからなのです。
いまのあなたの担任は、来年は違う学年スタッフになったり、担任を降りることもあるかもしれません。でも安心してください。あなたのその切なる願いは、新学年スタッフに必ず伝えられるはずです。
こういった事前相談があったにも関わらず、無視して一緒のクラスにした結果、あとから問題が上がった場合、教師、学校サイドは必ずその責任を問われます。こういったことからも、あなたのその願いはかなえられる確率が相当高いと言えます。
しかし、児童生徒の要望だったら何から何までかなえられるかというと、それは違います。このような要望などすべて聞き入れた日には、学校はとんでもないことになってしまいます。あがってきた相談事、要望などはすべてかなり厳格に精査して慎重に事をすすめているのです。
逆に「太郎くんが大好きなので、絶対一緒のクラスになりたい!」
なんてかわいいお願いは、生徒の手前「こればっかりは、どうにもならないんだ・・・」とかいいつつ一緒にしてあげたこともありました。
このようにクラス編成は、新しい学年を構成するであろう学年担任集団が決めることになるのです。
秘訣は分かりましたが、何事も「時は今!」これが大事です。そうです。タイミングなのです。
クラス編成が始まるのが年が明けたあたりから。(新入生の場合は入学決定後なので、もっともっと後ですね。)この前にあなたの要望をじっくりと時間をかけて担任に分かってもらわないといけません。
逆算してジャストなタイミングで相談を持ち掛けるとよいでしょう。
大好きな彼女(彼)と離れたくない、
別々のクラスになりたくないケース
逆に、このような幸せな(?)悩みの場合、最初のケースとは事情がちょっと違ってきます。教師の真剣味も当然違ってきますね。下手打つと、逆に別々のクラスにされてしまうことすらあります。
当然想像がつくと思いますが、クラス中が相思相愛のカップルだらけで、四六時中ベタベタしていたらまわりのみんなは結構シンドイですよね。二人が付き合っているという事実だけで、別々のクラスに強引に引き離されることはないでしょうが、あまりにも周りに遠慮、配慮がないふたりの振る舞いがあるような場合、その可能性は高いと言えるでしょう。
普段から、世界は二人のためにある~のような言動は慎んでおいたほうが賢明です。控えめ控えめが一番です。いちゃつくのは放課後限定の方がいいですよ、きっと。
一方、彼、彼女ではなくて同性の友だちと何が何でも離れたくない、別々はイヤ!という不安、悩みもあることでしょう。
この場合は2つの策というか、考え方ができます。
①「一緒になりたくない」と同じやりかたでチャレンジ
担任に、いかにあの子が自分にとって大事な存在なのかを真剣に話す。これも「一緒はイヤ」と同じことであり、全員のこのような要望をいちいち取り入れていたら、クラス替えどころではなくなってしまいます。
あなたが、いかに担任にその本気度を心を込めてきちんと説明できるかにかかっています。
また、あなたにとって、本当にほんとうにその子がそのような大切な存在であるのなら、クラス替えくらいで揺らいでしまうような関係ではないでしょう。逆に離れ離れになることによって、結びつきが強くなるかもしれませんよ。
いずれにせよ、普段から担任との関係が良好でないと難しいでしょう。普段、ウンともスンとも言わないようなあなたが、自分にとって都合のいい時だけ「あれしてちょうだい、これしてちょうだい!」って来たって、担任としては内心「ハァ~?」でしょう。
②クラス替えをチャンスととらえ、諦める!
私としてはこれがいちばんです。私が生徒だったら間違いなくこうします。
運を天(実は天ではなく、学年スタッフが決めているのですが)に任せるってやつです。いっしょになれたらそれも運命だし、別々のクラスになったからといって会えないわけでもありません。別にいいじゃないですか?
社会に出たら、ずっと出会いと別れの繰り返しですよ。それを人為的に陰でコソコソというのは私的にはあまり好きではありません。
新しい友だちと出会って、その子が前に仲良かった子以上に、親友と呼べる存在になるかもしれないじゃないですか?
何かを得るということは、何かを失う事・・・その逆もまた然(しか)りではないですか?
新しい出会いに期待を膨らませてドキドキワクワクしてクラス替え発表を待つ!このほうが実に青春っぽいですね。
大好きなあの娘と、どうしても
一緒のクラスになりたいんだ!
いかにも「青春!」って感じでいいですね。
私も青春時代、同じ部活の憧れの人がいましたが、とうとう同じクラスにはなれず終いでした。部活でいっしょだけでは物足りなくて、クラスまで一緒になりたかっのですね、当時は。私にもピュアな時代があったのです。
このケースの場合は、ちょっと慎重にコトを運ばなくてはなりません。(まだ付き合っていない段階という前提ではなしをすすめます)
と言いますのも、やっとの思いでいっしょのクラスになれたのはいいとして、それから告白して玉砕!!では、あまりにそのあとが切なすぎツラすぎだからなのです。それはそれでいい経験で良い想い出に普通はなるのでしょうが、これが原因で学校を辞めてしまった子どももいるくらいなのですから、慎重には慎重を重ねたほうがいいかもしれません。
一緒のクラスになるということは遠くからながめてるだけではなく、すれ違うだけの関係から、いっしょの空間に生活するクラスメイト(日本語訳:学級仲間)になるという事を意味します。
授業を受けるのも、クラス行事も、集会に移動するときもいっしょ、修学旅行も卒業式もみんなみんな一緒です。「これからのふたりの関係がどのようなものになろうとも、それを含めて全部引き受ける。いっしょじゃなきゃダメなんだ!」くらいの意気込みがないのであれば、やめておいたほうが無難です。
そうと決まったのなら、次のアクションを起こしましょう。次の二手があります。
①クラス替えの前に彼女(彼氏)に告白し、その結果で考える
A:玉砕→一緒のクラスどころかなりたくない
アクション起こさずそのままでは、逆に確率的に意中だった人と一緒のクラスになってしまう可能性が出てきます。この場合、運を天に任せるのもいいのでしょうが、なりたくない事情を逆に担任に話すというのも一つの手です。
B:告白OK!→二人のうち、どちらがいまの担任に頼むかをふたりで相談する(ふたりとも相談するのはやめておいたほうがいいでしょう。こじれる原因になります)
②いまのところ告白はしないが、いっしょのクラスになりたい!
これまた、事前のタイミングがグッドな時に担任に相談するしかありません。イヤでも恥ずかしくてもいっしょのクラスになるためには一時の恥ずかしい思いくらいがまんです。
なぜ、一緒のクラスになりたいのか、彼女に対する思いの丈を担任を納得、感動させるくらいリキを入れて話さなければなりません。
最後は必ず担任と話すべきですが、話が苦手なあなたならば相談の前に担任にお願いの手紙を書くのもいいかもしれません。往々にして教師は忙しくそれぞれにたいへんですので、まとまった時間を持って行かれる相談の前にこういったワンクッション置くといい印象をもたれやすいのです。
これまで別々であった二人が一緒になる方法はこれくらいでしょうが、あくまでもこれらは作り出された出会いです。いずれの方法であっても、それなりにいっしょのクラスになれる確率は高いです。しかし、二人がこれからどのような関係になるにせよ、運を天に任せた方が私は将来的にもうまくいくような気がするのです。
何を根拠に?と言われればそれまでですが、長年クラスも受け持ってきたカンとでもいうのでしょうか?人と人との出会いというものは、もっとナチュラルなもののような気がするのです。
恐るべし!クラス替え、編成の実際
出会ってしまったぼくたち・・・
先述のように、クラス編成が始まるのは年が明けたあたりから。(新入生の場合はもっともっと遅れますね)
学年のスタッフ(学年主任を中心にして担任全員)全員で、ああでもないこうでもないと生徒を各クラスに割り当てていくのです。
1学年新入生の場合と2~3年生の場合はちょっと異なりますが、学力のバラつきをなくしたり(平均化、バラすバラける)男女比を考慮したり等はみなさんも思いつくと思いますが、他にももっと重要な問題があるのです。
AとBを一緒にしたら、さらにワルになる。絶対離さなくちゃだめだ!
CはDにいじめられているから遠くにしよう!(1組と8組にしよう!)
Eは前の担任とソリが合わなかったようだから今度はオレが引き受けよう!
私この子、どうしても苦手だからお願いできない?!
その他、粗暴暴力的な生徒は指導力のある教師に、指導力のない経験の浅い教師は比較的おとなしめのクラスを・・・といろいろ学校、教師側の都合もいろいろあるのです。
高校だと一般的な普通科で7~8クラスもあると、進学クラス、就職クラス、女子クラスなどに2年時から振り分けられるところが多いですね。スタッフ全員でいろいろ悩んで編成したあと、若い人からお好きなのどうぞ! という感じで、一人づつ決まりたてホヤホヤのクラスをとっていき、最後に学年主任があまったクラスを引き受ける!!
というのがかっこいい!!
その他、クラス替え、編成の全国共通(?)のお約束というのはおよそ以下のような事柄になります。(主に高校の場合と想定してください)
①留年生(ダブリ)は均等にまんべんなく割り当てる(均等割り付け)
②指導、対応が難しい生徒も均等割り付けが基本
ただ、生徒指導力がある教師が何人もまとめて面倒を見る~という手もあります。
③これまでリーダーシップを発揮してきたような生徒もまんべんなく割り振る
④父兄対応で困難が予想される家庭の子どもは、主に父兄対応能力にたけた教師、学年主任などが主に担当
⑤親戚、双子などは別々のクラスに
⑥学校教職員の知り合い、親戚、実子などが学年にいる場合は、できるだけその子は受け持たない
⑦同性の友人関係だけでなく、男女混合クラスの場合には男女のこれからの人間関係にも十分に配慮する
⑧学力だけでなく、運動能力もできるだけかたよらないよう注意して編成する
⑨部活動所属の人間関係、人数調整も当然配慮
例えば一クラスに硬式テニス部の生徒が10人も固まるというのはあり得ないということです。部活動所属の割合も均等になるよう普通は編成されます。
⑩はじめて担任を持つ教員はある程度温情が施されることがある
生徒指導上、たいへんな生徒、家庭などがある程度は考慮される(極力少なくする)ということです。
⑪担任同士の関係もある程度は考慮される
担任と言えども人間です。すべての教員同士の人間関係が良好とは限りません。学年を組む時に犬猿の仲の教員同士が一緒にチームを組むことはあまりないのですが、そこは学校。どうしても一緒に仕事をしなくてはならない時があります。
一学年に就職クラスと進学クラスと2系統があった場合は、できるだけ接触機会が少なくて済むよう、別々の系統にしたり、隣同士のクラスにならないようクラスが組まれるのです。
ざ~っとクラス替え、編成の実際を見てきましたが、実にいろいろなことが考えられて決められているのですね。
みんなにはみなさんなりの事情があるのでしょうが、クラス替えには学校の事情が大いに詰まっているのです。
生徒は担任、クラスは今のところ選ぶことはできませんが、正直な話、担任サイドはある程度生徒を選べるのです。
「どうしてもクラス経営上、この子は欲しい!」
「ずっと持ち上がりできたから、いっしょに卒業させてほしい!」
「部活で面倒見ているので、クラスでもずっと指導していきたい!」
「自分に懐いているので、手放したくない!」
「オレ、何となくこの生徒苦手なんだよな~」
このような会話が職員室、学年分室でなされていたら幻滅しますか?でもこれが現実なのです。
教師といえども人間、「みんな平等、みんな同じように好きだ!」と言ってて、本当に言動が一致しているのであれば、それは実にすばらしいことだと思います。
しかし、神でもなんでもない人間は、生徒の好き嫌いもあって当然なのではないでしょうか?決して口にはしませんし、できませんが・・・
各クラスにすべての生徒の割り振りが終わりますと、今度は誰がどのクラスを担当するかのステージです。
若く、経験年数の少ない人から選ばせてあげるのが優しいやり方でしょうね。どんどんそれぞれ選んで行って残りが少なくなっていきます。
私もたいていは、残りものに近かったけれどすばらしい出会いでしたよ。
残りものにはとってもとっても「福」がありました。
苦手な生徒も、難しい生徒との出会いも私にとってはかけがえのない出会いであり、私を成長させてくれました。
ちょっとしんどかったけど最高の出会いだったね!
出会うべくして出会った!って感じだったのですから。
やっぱり無理矢理つくりだされた出会いよりも、運命の出会いというものを私は信じたい。
これから、どう動くかはすべてあなた次第!!
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詞曲歌:三浦和人「I LOVE YOU」