私のこど覚えでなくても
ああ、この人のこど、好きだなあって思ってさ
もう、大好きだなあって
もう一回、私のこど好きんなってくれっがなあ
なってほしいなあって、思ってさ
君子さん、きよさんを前にして、こんなしあわせな言葉を交わせる日がくるなんてよかったですね。
美代子さんが世津子さんに「どんな思いで・・・どんな思いで私たちが・・・私たちが生きてきだかわがりませんか!考えもしませんでしたか!」
って言ったように、いままで辛い思いをしてきたぶん、みんなしあわせになってほしいです。
記憶をなくしてはいますが、みね子一家には実さんがいます。
しかし、実さんの記憶のすべての二年半を一緒に過ごした世津子さんに、いまはもう実さんはいません。
世津子さんがみね子に送ってくれた「手がみ」が悲しすぎます。
今日は「奥茨城母の会」緊急招集で君子さん、きよさんの友情がアツくほろりとさせられましたが、このみんなのうれし涙の陰で
世津子さんはどんな想いでこの手紙を書いたのでしょう・・・
「ゆう気」がいる「手がみ」を送るワケ・・・
谷田部みね子様
この手がみを送るのは、ゆう気がいりました
でもこれだけは、あなたたちに伝えないといけないと思い、書きます。
あなたのお父さんが、うちにきてすぐに、記おくがなくなった理ゆうをしり合いの大がくびょういんの先生に、おしえてもらいました
先生は、おそらく、どうしようもなくりふじんで、おそろしく悲しいことが起きてしまったときに、それについて考えたくないという、
つよい気もちからきているのだろうと言いました
おもい出すかどうかはわかりません
もしかしたら、一生おもい出せないこともあるのだそうです
(原文ママ)
世津子さんの「手がみ」はここまでで途切れています。この続きがあるのかどうかは分かりませんが、本当にありったけの「ゆう気」を出して
書いてくれたのだと思います。
世津子さんの立場に立ってみて、なぜいまこの手紙を書いてくれたのか考えていけば行くほど泣けてきました・・・
病院に連れて行ってくれてたんですね。前フリで病院にも警察にも~って実さんが懇願した様子が描かれていましたが、やっぱり大切な人の、それも
「頭」ですから心配ですよね。
おそらく、世津子さんはお医者さんの上の言葉を聞いてほっとしたのだと思います。
「りふじん」で「おそろしく悲しいこと」から逃れているのだからこのままでいい~
記憶が戻らないならそれでいい、いや一生戻ってなんか欲しくない~
深読みかもしれませんが、これが彼女の本音だと思います。
事実だけを伝えた「手がみ」を装って、世津子さんなりのあらためての謝罪、懺悔だと僕は思うのです。
実さんの記憶障害をいいことに、一生治らないかもと分かっていて匿っていたことをバラした訳ですから、
これはなおさら重罪です。
当然、美代子(親子)VS世津子のあの状況では言いにくかったでしょう。
普通、わざわざ、いまになって自分がさらに不利な状況になる手紙を送る理由など考えられません。
少なくとも僕は書きません。
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だのにあえてこのタイミングで書いたのは、やはりそうせずにはいられなかったからでしょう。
懺悔、悔恨の気持ちはもとより、美代子さんの実さんへの強烈な想いに胸打たれたのです。
拙く、漢字の少ない小学校低学年児童の書いたような文章・・・
おそらく何度も何度も書くことをためらったのでしょう。
華やかな世界に身を投じてはいても、いくら上品ではあっても、育ちがよい訳ではないのかもしれません。
(以前、世津子さん言ってました。早くから芸能界で働いて、まともに学校行ってない~と)
そうせざるを得ない環境、状況に世津子さんがあったことは十二分に推測できます。
背負っているものもたくさんあって、実はさびしい人生を歩んでいる時に偶然巡り会えた「雨男さん」~
すがりつきたくなる気持ち~痛いほど分かります。
(有名女優としてずっと仕事してきてたくさん脚本も読むことでしょう。かんじかけない~って設定に「?」は付きますが、深追いはなしにしておきます)
彼女の女気を二度見せつけられたような気持で泣きたくなります・・・
桜、田植え、柏餅~季節は巡って春
どんなたいへんなこと、つらいことがあっても季節は巡ってくるのですね。奥茨城村でもさくらの季節です。
みね子に時子という相棒がいるように、美代子に君子、プラス泣き役きよ~ですね。
自分のことのように泣いたり、喜んだりしてくれる人がいることってしあわせなことだと思います。
千代子、進、じいちゃんには見せられない涙もあるはずです。
それにしても、会えた喜びをかみしめる間もなく、現実と向き合わなくてはいけなくなった美代子さんもちょっとたいへんですね。
なぜって、前にも書きましたが、はじめて会う女性として世津子さんと比べられてしまうんですから。
自分たちが積み重ねてきた時間に自信はあったはずです。いろ~んな想い出も紛れもない事実。
でも、それは美代子さんが自分で思っているだけであって、実さんの記憶にあるのは世津子さんとの想い出だけなのですから、美代子さんの心中お察しします。
お蕎麦屋さんで久し振りに実さんの優しさにふれてあらためて旦那さんに惚れ直した美代子さん、オトメチックでかわいがったですね。
私のこどおぼえでなくても、ああ、この人のこど好きだなあって思ってさ
もう、大好きだなあって
もう一回、私のこど好きんなってくれっかなあ
なってほしいなあって、思ってさ
不謹慎かもしれませんが、この歳になってあらためて旦那さんにドキドキ胸ときめかせられるなんてうらやましいです。
だって、大好きな人とお互い、2度も出会ったようなものなんですから~
春の訪れが幸せも一緒に運んできてくれそう、これから楽しみですね。
NHK連続テレビ小説『ひよっこ』第19週109話「ただいま。お帰り。」8月7日放送分