みなさんにとって印象に残っている教師のことを思い出してみませんか。言動が奇抜だったり面白かった教師ももちろん記憶に残っていると思いますが、何より心に残っているのは、つかず離れず寄り添ってくれた教師ではないでしょうか?
このような教師に出会えたことは一生の財産になりますね。そこで今回は教師に必要とされる資質能力、数あれど私が一番大切であると思っている教師の「チカラ」について独断と偏見で斬り込んでみました。
教師はマルチタレントでなければならない?!
教師は「サービス業」であるか否かの議論はさておき、教師は「マスター(師)」であり、「アドバイザー」「コンサルタント」「カウンセラー」「リーダー(先導者)」、そして「タレント、エンターティナー」でもあったりと、とにかく教師に要求される能力というものは多すぎて、これらをすべて備えている教師は間違いなくスーパーマンでしょうね。
超人でなくとも、スーパーを目指し続ける努力、向上心というものは教師にとって必要な資質といえます。
ざっと、教師に必要とされる「資質」というものを私が思いつくだけ述べてみます。
愛情、信念、使命感、責任感、忍耐力、待てる・許せる・流せる・信じる力、包容力、余裕力、専門性、臨機応変性、問題解決能力、安定力、バイタリティ、精神力、協調性、寛容力、事務的遂行能力、コミュニケーション力、親和性、豊富な人生経験・・・
・・・と思いつくだけでもこれだけ出てきてキリがないのでここらで止めておきましょう。本当に様々な「チカラ」が必要とされる職業なのだと改めて思わされました。
これらがうまく統合されて生徒指導力となり、教科指導力となっていくのでしょう。
しかしですね、これらの資質、能力すべてを備えている教師ばかりの学校だったら私は息が詰まっちゃって、教師としても生徒としても長くいるのはしんどいですね。やっぱり人間だものいろいろありますよ。
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いいとこわるいとこ、長所に短所・・・教師であれども、やっぱり人間・・・トータルバランスで一定基準をクリアしているのであれば、あとはその教師の人間力がものを言うのではないでしょうか?
私自身が児童生徒時代、デキる生徒ではなく、学校、教師に対して斜に構えているような感じでしたので、先生たちには本当にご苦労かけました、ごめんなさい。こんな感じでしたので基本的に教師とは距離を置いておりました。太宰治の「人間失格」ではないですが、私の心中をすべて察しているようなスゴい教師がいたのです。
私の心の中を読み切っているのに、「人間失格」の作中のようないじわるをするでもなく、こちらのつらさ切なさをいたわり見守ってくれてるようで、なんか頼りたくなってしまうような独特のあたたかさを持った先生でした。
「それでもいんだよ」
「焦るな、急ぐな」
「自然がいちばん」
このようなフレーズが彼全体からオーラとなって発せられていたのでした。
うまく表現できなくてもどかしいのですが、「わかるわかるその気持ち」と無言で言ってくれているようで、私の中では特別、別格の先生でした。担任ではなかったけれど。
この先生は言動がたどたどしく、他の生徒などはよくバカにしていましたが、私なんかは「先生の深みをしらないバカはお前たちのほうだよ!」などと心の中で思っていたのでした
そうなのです。自分にとってのスペシャルな先生はみな、それぞれなのですね。
学校と言う場所は、どのような子ども、そして教職員がいても許される場所なのです。
なぜ、教師を目指すのか?
なぜ、教師でなければならないのか?
それが大事!!
上でみてきた教師の「資質」は企業でももちろん必要とされるものでしょう。しかし、その中でも特に最初の「愛情」「信念」「使命感」この3つは教師に欠かすことのできない資質といえます。
なぜなら、教師の仕事は、「学校」という一つの共同体、教職員集団、チームで運営されているものであって「協調性」が重要視される一方、人から与えられたり、指示されたりしたことのみで動く仕事ではないからなのです。
そこには、教師本人の自発性と個性が尊重され、その土台、基盤となるのが「愛情」「信念」「使命感」だからなのです。
この3つの「チカラ」は一朝一夕に築かれるものではなく、これまで生きてきた自分の「人間性」「人間力」ということばに言い変えられるかもしれません。この人間性というものは、教育活動を行っていくうえでの大前提になるのです。
そこで、これから教師を目指すみなさんは、初心に帰り
「なぜ、自分は教師を目指すのか?」
「なぜ、教師でなければダメなのか?」
をもう一度考えてみてほしいのです。
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どうしてこんなことを言うのかというと、この「原点」がブレている状態で教職に就くと、あとあとお互い(教師と生徒、学校関係者すべて)不幸な事になるからなのです。それほど現在の学校を取り囲む環境は厳しいです。ちょっとやそっとの問題では決してブレることのない自分の「軸」が、今こそ求められているのです。
簡単に言うと、教師の仕事というのはその人にしかできない、決して代わりの人間では務まらない仕事なのです。
あなたにしかできない仕事なのです。実際、代わりはいくらでもいるでしょう、補充もできます。
しかし、あなたはあなたでしかないし、あなたの代わりをできる人は誰ひとりとして存在しないのです。
もっとも大切な「共感力」を研ぎ澄ますために!
私が教師時代にもっとこの「力」があれば、教師を辞めてはいなかったと思います。身体を壊したことが直接の原因ではありましたが、当時は学校以上に独立自営がものすごく魅力的に私の眼には写っていたのでした。
「共感力」とは、相手が傷付いていればそっとそばに寄り添い、そのいたみを自分のもののようにとらえることができる「力」のことですよね。
子どもの密かに発しているSOS信号に気付くことができる・・・
何気ない言動にも相手へのいたわり、やさしさにあふれている・・・
自分がこんなこと言ったら、こんなことしたら、相手はどう思うだろうか?
この「共感力」が欠けていると、自己中心的な言動が増え、他人の痛みに無頓着になり、そしてついにはまわりに人がいなくなるという悪循環サイクルに陥ってしまうのです。本当に恐ろしい。
当時、私は自分の能力に酔っていたかもしれません。「~してあげている」という上から目線により、もしかしたら自分では気付かぬうち生徒を傷つけていたのかもしれません。「共感力」を失わぬために、教師は自分自身を省みる謙虚さをもっと持たなければなりません。
そして、学校というハコがあって、教職員集団がいて、何より大事な子どもたちがいてこそ自分が教師でいられる・・・という事実に感謝しなければなりません。
学卒後即、採用試験に合格した「初任者」であってもみなから「先生、先生」と呼ばれ、実際、初任者であっても容赦なく、教師としての仕事は割り振られます。そして生徒からしてみれば、はじめてだろうがベテランだろうがみな「先生」です。
毎日の忙しさにかまけて、自分を見つめ直すことを忘れてしまうかもしれません。そんな時は、ちょっとでも「鏡」で自分をみつめてみてほしいのです。そこにはどんな「あなた」がいるでしょうか?
今日起きている教師によるさまざまな問題は、この「共感力」のなさから起きていると言っても過言ではないでしょう。
忙しい時ほど、たいへんな時こそ、自分自身を私も見つめなおしたいと思うのです。
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※「教師に向いてない人とは?辞めたいと後悔しないよう②~共感力こそ教師のいちばんのチカラ~」
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そして、結論!
教師はマルチである必要はない
人間性、人間力が大前提!
あなたはあなたでしかない!
今こそ自分をみつめなおす余裕を持とう!