教師を志す人へ 教育・教師

教師を目指すならどっちだ?②(中学高校編)~中学生高校生を相手にするということ~








多感な中高生の進路決定にもかかわっていく中高教師。部活動顧問、教科担任~と自分のクラスだけでなく様々な生徒と付き合っていくことになりますね。やりがいもたくさんですが、自分のクラスのこどもたちだけでなく、さまざまな生徒、教師集団と関わりがグンと増えるためなかなか思うようにはいかないこともまた増えてくるでしょう。

前回の小学校教師編に続き、中高教師独自のおすすめな点とたいへんな所をズバリ、アドバイス! ズバリ適性はあります!が、たとえ最初向いていないと自分で思っていても、気持ちの持ちようと努力さえ伴えば、環境が学校があなたを教師にしていくことでしょう。

どちらを選んだとしてもあなたを待っている児童・生徒がいます!

中高教師は自分のクラスと
どうやって付き合っていくか?

自分のクラスがあって、ほとんどの教科を担当し、学級王国を築ける小学校教師。一変して中高教師は教科担任制。場合によっては担任をはずれることもありますね。

クラス担任であっても、自分のクラスとかかわれるのは、朝晩のショートホームルームと週一回のホームルームの時間。そして、自分の教科の時間のみ。その分、他のクラスの教科担任となり、多くの生徒の授業を受け持つことになります。

専門性が求められ、「同じ学年で、クラスが違うだけだから同じ授業ができるのでラク!」なんて、ラクしたい人には向きではないです。(そもそも、教師はラクをできませんが・・・)クラスにより教授内容は同じでも、50分のシナリオは異なるし、用意する教材もまた違ったものとなるのです。相手にする生徒が違うからですね。

小学校教師の週当たり担当コマ数は、低学年と高学年とでは幅がありすぎても、およそ想像できるでしょうが、中高教師はいったいどのくらいの授業コマ数を持っているのでしょうか?

ズバリ、中学教師(22~26時間)高校教師(17~20時間)程度です。現在では、一部私立学校を除いては1日6時限制を取っている学校がほとんどですので、1週間のコマ数は(6時限×5日=30時限)。ほとんど1週間、コマ数がビッシリの中学教師は息をつく暇もないようですが、高校教師には「あき時間」があるのです。

もちろん、学校、個人によって差はありますが、この時間は、事務作業をこなしたり、教材研究に使えたりと有効に使えるのですごくありがたいです。

小学校教師と異なり、一日中彼らにビッタリと張り付いてるわけではないので、生徒指導等で冷却期間が必要な時などは助かるのですが、彼らとより良い深い関係を築くには、熱意と根気、そして工夫が必要になってきます。

ここが選択の分かれ目になるでしょう。別な考え方をすると、ある意味表面だけの付き合いも可能となるのです。朝晩のSHRは実にあわただしいですよ。1時限が始まる前の5~10分。私にとっては貴重な時間であったので毎回ネタを仕込んでいましたが、ほとんど連絡事項等でつぶれてしまうのです。

帰りは、部活、会議等で時間が迫っているのでそうそう時間をとることもままならないですね。中高教師にはこの短い時間で、彼らに何を伝えていくか?という大切な役割を担わされているのです。

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他のクラス生徒とのかかわり

私の場合、実は他クラス生徒からの相談ごとが、自分のクラスの生徒よりも多かったのです。同僚教師にきいてみてもおおむねそのようでした。このように、教科担任としてしかかかわりのない生徒、部活動顧問として係っている生徒、場合によってはまったくかかわりのない生徒から(逆の立場に立ってみればわかることですが、自分をあまり知っていない立場の教師からのアドバイスが必要な場合もあるのです)の相談もあるのです。

小学校教師と異なって、中高教師はこのようにたくさんの顔をもつことになります。クラス担任、教科担任、部活動顧問、委員会顧問、場合によっては清掃時だけの担当教師なんて場合もありますよ。ここが中高教師の魅力であり、むずかしいところなのかもしれません。


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部活動顧問の負担の大きさとやりがい

この大きな問題は、他の記事でも話していますので、ここでは簡単に話しますね。部活動顧問(それも活発に活動している運動部)に、なるかならないかの差は実に大きいものです。

放課後、場合によっては朝練(あされん)があるので朝の貴重な時間、そして土日、長期休暇のほぼすべてを「部活動顧問」として捧げることになります。なにも、教師の仕事は授業と部活だけではないのです。様々な教育活動に携わっていく上で、この時間をゴッソリ持っていかれるのは本当にイタイ!

当然、その分の仕事は、部活が終わってからの「夜」、もしくは持ち帰り仕事となります。昨今の社会情勢から、データが入った個人パソコンはおろか、各種メディアの持ち出しは禁じられていますよね。となると自宅でできる仕事も限られてきます。でも仕事はどんどんたまっていく一方。

教師にゆとりなくして、正常な教育活動を展開していくことなど望めない~とみな頭では分かっているのに、この問題はいつもないがしろにされてきました。最近になってようやく議論されるようになってはきましたが、教師と部活動問題はやっと議論のステージに乗ったばかりと言えるでしょう。

それでも、私は完全に部活動顧問と教師を完全に切り離していくことには反対です。要はやりたいものがやればいいということなのです。それだけの魅力が部活動にはあるのですから。生徒にとっても教師にとっても。

あなたの学校時代の教師にもおそらくいたはずです。部活動をやりに学校に来ているような「部活の鬼教師」が。授業等では絶対みせないイキイキとした表情。部活が好きだから学校に来ている生徒だってたくさんいるのだから、部活が大好きな教師のいきがいまで取り上げないでほしいと思うのです。

ただ、競技経験もない好きでもない部活動に、半強制的に教師が駆り出されている現状が、生徒教師お互いを不幸にしているように思えてなりません。

一つの目標に向かって、教師、生徒が一丸となって取り組み苦楽をともにする。これは経験したものにしか分からない喜び、そしてツラサでなのです。

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大人になりつつある生徒を相手にするということ

なんといっても、卒業後、彼らと付き合いが続いていくのも中高教師の魅力ではないでしょうか?もちろん、小学校教師がそうでないとは言うつもりはありませんが、どうしても中高6年間の間、お互いに忙しすぎて関係が途絶えてしまうのでしょうね。

子供と半分大人が同居したようなむずかしい年頃のこどもたちを相手にすることは、小学校教師とはまたちがった魅力と難しさがあります。

彼らの進路に重大な影響を持つ責任の重大さに身が引き締まるのと同時に、人間と人間がぶつかりあって、教師もまた「自分」をみつめなおすことができるのが最大の魅力ではなないでしょうか?

それほど、なかなかうまくいかないのが、この年代のこどもたちだからです。ぶつかってくるのは、まだいいほうで、「冷めている」という表現がピッタリかもしれません。その「冷めている」生徒を「熱くする」のが未来の教師のあなたがたなのです。たのみましたよ!

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