教育時事・問題

私が放課後デイに絶望し辞めたワケ~業界の闇と病み~はびこる嘘と拝金主義~悪質業者の見分け方

最近、近くの放課後デイサービスが自治体の行政処分を受け、一発「指定取り消し」となった。虚偽申請申告を長期間にわたって続け、給付金を不正にだまし取った不正請求が相当な悪質と判断され、指定取り消し、且つこれまでの不正受給分プラス加算金で一億円近くの返金を事業所に求めることになったという。

私自身、教師を辞めてから放課後デイには三ヶ所にお世話になり、面接だけならとうに十以上は受けてきた。御存知のように保育士、児童指導員は言うに及ばず、ましてや児発管は奪い合いの求人難の昨今、いずれもどうにかこうにか落とされることはなかったが、そのほとんどが私の方からお断りした。

なぜなら、そこに経営者、管理者の「志(こころざし」矜持、信念なるものがまったく見えてこなかったから・・・お金だけのためであったならバイトにしても正社にしても決して厚待遇とは言えない、いやむしろ低賃金に甘んじなければならない放課後デイなどには誰も勤めようとは思わないであろう。高等学校、通信制高校、塾、予備校、放課後児童クラブなどでさまざまな子どもたちと学んできたけれど、発達支援、療育療養はまったくの未経験であったわたしはこの業界で自分を鍛えてみたいと本心からそう思っていた。

しかし、事業主の思いを聞くたび、私の心は重くなっていった。さまざま事業主、経営者、管理者の面接を受け、面接終了時に「何かほかに質問は?」という先方の問いかけがあってもなくても私の方から「なぜ、この事業を始めようと思い立ったのか?」について必ず聞いてきた。やはり勤めるほうとしては、責任者のこの事業にかける「思い」というものはとても大切なものであるから。

私の期待とは裏腹に、返ってくる答えはみな通り一遍のありきたりなものばかり・・・「顧客にぜひ始めてくれと強くすすめられて」「地域の福祉に貢献したい思いから」~このような理由がほとんどで、なかにはいきなりの問いかけで面食らったのかまともに答えられずしどろもどろになり、どちらが面接者かわからなくなる~なんてこともあった。また、ある会社からは「そのような質問に今、ここであなたに答える義務も必要もない」と一蹴されたこともあった。15~6の事業所の内、福祉、看護系の仕事経験者が「2ヶ所」のみで、あとはいずれも他に何らかの会社の多角経営の一環として立ち上げたというもの。つまり経営者、管理者が福祉、教育の素人であるので、そこに「志」だとか「思い」などを期待すること自体、はなから無理があるろいうことなのだろう。

せめて保育所、幼稚園などが併設として立ち上げたところがないか~と思って探したがまったくの徒労に終わった。




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実は冒頭に紹介した処分を受けた事業主、管理者の事業所にも話を聞きに行ったのである。保険の営業をやっていた中年の女性であったが、はじめてあったその日にいきなり「名義を貸して欲しい」と請われた。児童発達管理責任者不在なので、資格取得まで「いること」にして欲しいと懇願されたのである。

当時もこういった名義貸しや不正受給をやらかしている輩が問題になっていたので、その場で毅然とした態度で断り、また面接自体を途中でこちらから切り上げて早々に退散してきた。こちらは履歴書、職務経歴書、資格証の写しなどかなりの数の書類を揃えたというのに名刺1枚も出さず、おまけに当時は感染症の真っ只中であったというのに、ノーマスクで事業主、管理者として危機管理意識ゼロです~と言っているような醜態を晒していた。

こういった不正を行っている業者は今もなお後を絶たないが、名義貸しの他にも悪さをしようと思ったらいくらでもできる。なぜなら、きちんと正しく申請することを前提として受け取れる給付金が事業所の主な収入源であるからだ。「悪いことはしません、ごまかしてもいません」という性善説の上に成り立っている事業であるからして、立ち上げ時とたまの抜き打ち検査くらいをすり抜ければあとはなんとかなってしまうのである。

名義貸し以外にも、私がこれまで見てきた不正はけっこうある。過去をちょっと振り返っただけでこんな感じである。(いわゆる「過誤請求」(減算漏れ、加算誤請求、時間計算のミス)などの悪意のない一時的なうっかりミスは含まない。あくまでも常態的、且つ継続的に行われる架空、不正を請求、申告が問題。)

➀ いるはずのない人がシフト表に堂々と入っている

② 送迎をしていない子どもを送迎したことにカウント

③ サービス提供の実態がないのに、したこととして申請

④ 名義貸しどころか自発管不在なのに本人の了承なしに勝手に自発管にならされていた人がいた

先述のように、看護師、公認心理士等の専門職はおろか、保育士、児童指導員さえの求人もままならない現状。ましてや児童発達支援管理責任者など奪い合いの状態・・・近隣の事業所ではとうとう月給40万円の求人も出現!ある事業所は「ジハツカン」がトノサマのようにふるまい、多くのシモジモが職場を去り、その殿さまに忠実な下僕のみが居残るようになってしまった。人員配置基準を満たせなくなり、自ずから事業の継続が叶わなくなって廃業・・・自発管は当然再び「市場」へ・・・

⑤ 事業所、施設の実態とはまるで異なる虚偽の申請

⑥ 資格のない「指導員」を「児童指導員」として申請

⑦ 相談業務などやっていない、もしくは立ち話程度のちょっとした会話のやり取りを相談業務としてカウント

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いずれも決められた規定、人員配置基準を満たしてはいないのにそれを満たしているかのように装った不正である。基準を満たしていなければ事業継続そのものが叶わなかったり、給付金が減額もしくはもらえなくなってしまうから嘘をつくのである。要は不正をしてまで、より多くの「お金」が欲しいのである。「志」のなさのなせるわざである。このように良心の呵責に耐えることができる輩であるならば、いくらでもごまかしができるビジネスモデルになっている。子どもたち、教育・福祉が彼らに喰いものにされているのである。

これらはお金がらみの不正であるが、何も不正は金銭がらみだけというわけではもちろんない。私が見てきただけでも児童生徒の「身体拘束」「閉じ込め」「放置」「悪態をつく」、重心だから何を言ってもわからないだろうと悪口を言う等、数々の不正があった。

いちばんショックだったのは女性経営者の「一言」であった。重心の男子生徒が管理者兼経営者が大好きで絶えずつきまとい、困った挙句「事務室兼相談室」に鍵をかけて「拒絶」したことである。「怖い!イヤだ!」の一言は本当に衝撃的だった。

「「イヤ」なら放デイなどやるなよ、バカにするなよ!」と言ってやりたい気持ちを抑えるのが大変であった。これはダメだ!と思ってこの事業所を早々に後にしたのは言うまでもない。ハンディを背負った子どもたち、家庭が喰い物にされている好例である。個人だけでなく当然、一般企業も多角経営の一環としてこの業界に次から次へと参入するようになってきて久しいが、放課後デイがこういった参入してきている多くの企業の「税金対策」として起ち上げられているのもまた紛れもない事実なのである。

公正、適切な運営がきちんとなされているかどうかを十二分にチェックする体制(認可の更新制、管理者、経営者、スタッフの研修制度の義務化も含めて)、システムの整備が急務なのではないだろうか。

それでは、こういった悪質な事業所どのように見分ければよいのであろうか?

それは実はかんたんなのことなのかもしれない。運営、施設、設備、清掃状態、環境、スタッフ、子どもたちに相対する気持ち、態度等そのすべてが経営者、事業主の「志」が通底されているのである。からして、それらをつぶさに見なくとも、それら一つ一つが経営者の鏡なのである。

とは言っても、具体的なラインを示した方が親切とういもの。サービスを受ける側として、決める前にやっておいたっほうがいいこと、見分け方を以下に示しておく。

➀ 突然の訪問、見学を嫌がったり断ったりする事業所は避ける

普段通りの姿を見たい訳なのに、それを見せないというのは、見学時に取り繕うと言っているようなもの。やめた方が無難。一度の見学ではダメ!何度か見学させてもらうこと。子どもと一緒に体験できればなおよし。見学時、スタッフ、子どもの様子をつぶさに観察。

② 見学時、できるだけ多くのスタッフの教育、療養、療育に対する考えを聞く。そして保護者の思いを話し、それに相通じるものがあるかどうかの確認

③ 経営者、管理者、児童発達支援管理責任者の「志」「理念」「矜持」なるものを聞き出す(ホームページ上でも、これらがきちんと謳われているかどうかも要チェック)

事業主、管理者、責任者として心がけていること、注意していること、事業所のカラー、特色をたずねる

④ リアル、ネットでの口コミを慎重にチェックする

特に現に通所している子ども、保護者のリアル口コミに耳を傾ける

⑤ 自治体の窓口で相談する

⑥ 決めるのは必ず体験入所を何度か経てからでも遅くない

⑦ これまでの「ヒヤリハット」「トラブル」事例を聞く

⑧ 安全対策の取り組み、対策、保護者への連絡体制など、子どもたちの命、心身を守るための対策を聞く

⑨ スタッフの定着率、入れ替わりの頻度、研修の実施状況

⑩ 肝心かなめの「支援計画」についての児童発達支援管理責任者の考え、思いをじっくりと聞く

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以上のような事柄について尋ねたうえで、自分たちの事業所について、いいところも悪いところ(反省点)も含めて正直かつ真摯に答えてくれるようではれば信用のおける事業所と判断できるだろう。しかし、何も「悪質」「極悪」とまではいかなくとも、自分の大切な子どもを預けるにはちょっと~という事業所も現にたくさんある。完全な「預かり&放置」に成り下がっている、運動や連れ出しのみでかんじんの療育、療養は実際は行っていない、PCやタブレット、DVDなど機械、遊具に頼りっぱなし、支援計画なしのいきあたりばったり・・・

どうであろう・・・ただそれでも、このようなことしか行っていないところでも「ただあずかってさえくれれば、それでいい」という保護者も実際はたくさんいる。それはそれで、そのようなライトな「需要」に応じているだけなのだからOKなのでは?とする向きもあるかもしれないが、それはどうだろう?

事業所の本来の目的、使命および職責は以下のように児童福祉法できちんと定められている。

生活能力向上のために必要な訓練

社会との交流の促進

重心の子どものお母さんなど、近所の眼ばかり気にしていてできるだけ長時間預かってもらいたい気持ちはわかるのだが、子どもを自宅に送り届けてもいつも自宅不在~なんて日常茶飯事の世界・・・この業界、支援学校、支援学級、家庭との連絡を密にしていかなくてはやっていけないのに、当時だいぶもどかしい思いをした記憶がある。

保護者宅に送迎に行ったときや保護者が迎えに来た時など、子どもたちの様子を伝え、保護者と向き合う貴重な時間なのに、最近はどうも家庭も消費者意識が強く働くようで、それが子供に伝播するのも大きな問題。学校と違って気分次第で放課後デイを次から次へと乗り換えていく保護者もまれではない。私など「教員になれなかったから、こんなとこにいるんですよね?」とあけすけに言われたこともあった。あえて否定する必要も見栄も持ち合わせてはいないので、「こちらは実にいいところですよ、好きなんです」とだけ返しておいた。

本来持ち合わせていなければならない志、博愛のスピリッツを忘れ実利に走る事業主とお客様的な利用者が持ちつ持たれつ~が現状なのかもしれないが、まだまだ希望の光はある。真摯に自らの職責と向かい合い、日々研鑽に励む事業所、そしてともに子どもたちに寄り添う姿勢を見せてくれる保護者~こういった光景も日々全国津々浦々で見受けられることだろう。

この業界を志したものは「お金」目的でのものは少ないはず。そういった人たちは報酬の多寡よりも、職場環境、事業主の「志」を重視している。職場の風通しがよく、スタッフがいききと働く事業所は当然、職員の定着率も高い。子どもを預けるにしても、勤めるにしてもこういった事業所にしたいものである。

これからは、一部の特需であふれかえっている地域を除いて、事業所の淘汰がますます進むことであろう。専門性の高い発達支援に取り組んでいる事業所が優遇される仕組みに移行するからだ。子どもたちへの支援の質を高めていくためには、職員の質、そして数のアップが不可欠。それがわかっているのに、どこもなかなか重い腰を上げないのは、採用、教育、研修にはいずれも時間と労力と、そして何よりもお金がかかりすぎるから。

この事業の大部分を占める固定費は労務費=人件費という厳しい現実(経営者、事業主からすると)なのであるから、これを削れば削るほどもうかるのである。だからして、今回のような不正が後を絶たないのだろう。ひたむきにまじめに取り組んでいる事業所、経営者が報われるような制度設計が早急に望まれる。それがひいては子どもたちのためになるのだから・・・

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