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教員に過重労働を強要するモンペはブラックすぎるのか?~これから教師の時間外勤務はどうあるべきか?~ 

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18時以降は学校に電話がつながらず、留守電になる~とうとうこういう時代になってしまいました。学校に民間の功利主義、ビジネス感覚を持ち込むことには当然、現場も抵抗があるでしょう。

でも、そうせざるを得ないところまで教職員が疲弊し切ってしまっている現実があるのです。

これまで現場は教員の善意・厚意・誇り・矜持のようなものにあまりにも甘えてきました。このままでは、そのツケを家庭が、学校、教員自らが、そして児童生徒が確実に払わされることになるでしょう。現にそうなりかけていますが、これ以上そうならないためにも今こそ早めに手を打つべきです。

今回は、教師の仕事の特殊性を十分に考えた上で、これから先、教師は学校はどう家庭、地域と、そして自らの働き方と向かい合っていくべきかをいっしょに考えていきましょう。

教師の働き方改革は一教師の思いだけで変えられるものでは決してありませんが、教師の働き方を司どる大本の教育行政を変えていくためには誰かがまず、第一声をあげなくてはいけないのです。

若槻千夏さんの発言は至極、父兄の感覚としては自然、しかし・・・

タレントの若槻千夏さんが7月21日に放送された「news zero」に出演。現在の教師不足問題に関して、自身の発言で浴びた批判に対し、謝罪する展開になりました。そして「自分自身がモンペであることに気付いた」と言うにまで至ったのです。

番組では小中学校で教員が不足し、教員一人あたりの業務が過重になり勤務時間外でそれを補っている厳しい現状を紹介。スタジオ出演した現役小学校教師が、負担を減らすために18時以降は留守電対応にして電話に出ないなどの苦肉の対応策を取っていると発言すると、若槻さんは「何かあったらどうする?子どもが帰ってくるのが遅くなって心配になって、見つからないときに学校に電話するのが親だと思う。それも対応してくれないってことですか?」と疑問をぶつけたのです。

教師は「それは学校の役目ではなく、たとえば万引きがあったら警察の役目、他に何かあっても親の役目と思う」と説明すると、若槻さんはドラマ「3年B組金八先生」や「ごくせん」などのTVドラマを例に出して「寂しい」と嘆いたのだそうです。

みなさんはこの若槻さんの発言をどう思ったでしょうか?彼女は自分自身を「モンペ」と言ってましたが、モンスターペアレントかどうかは置いておいて、ごく普通の自然な発言だったと私は思います。「さびしい」と発言したのも彼女の自然な感情から出たものでしょう。

では、なぜ彼女の発言がこれほどまで問題視され、批判にさらされたのでしょうか?一昔前であったなら当たり前とみなされていた教員の勤務状況であるにもかかわらず・・・

それは一言で言ってしまうと、学校を取り巻くすべての環境がここのところ急激に変わってきたからに他なりません。モンペの顕在化、教師の過重労働問題の表面化も手伝って、多くの人が教師を擁護する側にまわっただけのことでしょう。(当然、若槻さんを擁護する意見も少数ですがあります。少数ながら存在する事実もまた見逃せません)

そもそも家庭と学校、教職員が十分なコミュニケーションを普段から取っていて良好な関係が気付かれている場合、「モンペ」だの「時間外勤務」といった問題がオモテに出てくることはまずありません。

これまでは大抵は、「お互い様」の考えを共有できていたから・・・

家庭、父兄にとって学校、教師は家を出たら親のような存在であり、どこかでつながっている安心の塊の象徴だったのです。学校に「~して欲しい」という無理難題を押し付けるだけでなく、父兄もまた自らが「~だったらできる、してあげられる」と教員サイドを思いやることもまたあったのです。

生徒間の暴力事件で、加害生徒の父兄が被害者家庭に謝罪に訪れた時、ちょっとした行き違いで父兄同士が乱闘になり、更に問題がこじれてしまったときがありました。担任として当然同行していた私も当然止めに入ったのでしたが、加害生徒父兄は被害生徒父兄に予想もせぬ一方的な罵詈雑言を浴びせられキレてしまったのでした。

生徒の指導のためにも、関係修復が急がれなければなりません。そんな時、あいだに入ってくれたのが双方に面識があった父兄だったのです。実にスマートにあと腐れなく話をまとめてくれました。

また、進路にかかわる三者面談で、家庭の都合がつかず、「土日」に設定したときなどは決まって「お休みのところ先生、ほんと済みませんね・・・」などとこちらをよく気遣ってくれたものでした。私が教師になりたての頃はほんとうにのどかだったのかもしれません。

それから十数年の時が経ち、職を辞するころは私の気のせいかもしれませんが、めったやたら自分たちの要求ばかりを押し通そうとする家庭が増えてきたのです。

父兄対応について参考になるはなしは以下の記事です。

「元教師がバラす、これは困った!~担任に嫌われる保護者のパターン10選=良好な関係構築のために~」

「モンスターペアレント関係記事4選!」


現実問題として、時間外勤務・労働はシャットアウト!できるのか?

教師の時間外労働は勤務の場所の視点から大きく分けて2つに分けることができます。

①授業の準備、種々の事務作業、電話応対、校内での部活動指導、生徒指導、会議の延長などのように校内で行われるもの(校内での部活合宿なども含む)

②校外補導、家庭訪問、各種大会参加引率、緊急時の現場対応などのように校外で行うもの(大会引率、修学旅行など宿泊を伴うものも含む)

また、「持ち帰り残業」という言葉があるように、家に持ち帰ることのできるものだけを自宅に持ち帰り、引き続き「在宅勤務」をしている教員もたくさんいます。これもまた、時間外労働になんら変わりはありません。

これら全てを無くしてしまうことはまず、無理でしょう。そもそもそんなことしたら、現場が立ち行かなくなってしまいます。

一方、校種・学校により教員負担の軽重の差が著しいのもまた事実です。私の友人に特別支援学校の現役教師がいますが、中等部の生徒でさえ昼の2~3時に帰してしまったら、あとは事務作業に没頭でき、部活動もないのでほぼ毎日定時に帰れるうえ、長期休暇もほぼ目一杯取得できているそうです。

昨今の放課後デイサービスの乱立により、放課後の子どもたちの拠り所となる場所が増え、支援学校教員の負担もだいぶ軽減されているとも言っておりました。

もちろん、このような例がすべてではないでしょうし、彼らは日々、手厚いフォローを必要としている児童生徒と一緒の毎日ですから、その苦労が並大抵でないのは理解できます。(私自身退職後、放課後デイ等で彼らと付き合ってきた経験もあり、その大変さは理解しているつもりです)しかし、まったくフリーになる時間をきちんと確保でき、明日の活力を養う事のできる環境にいることは本当に恵まれたことだと思うのです。

そしてたとえば同じ高等学校であっても、学校による時間外労働の内容が違う事もまた見逃せません。私自身、これまで歩いてきた学校はみな、いわゆる指導困難校と呼ばれる一筋縄ではいかない生徒が多く在籍する学校でした。そのうえ、私の在職中、一年も外れることなく生徒指導部所属でした。

校外での時間外勤務は、ほとんどが生徒がらみの現場対応と家庭訪問でした。それでなくとも早朝からの勤務でヘトヘトなのに、深夜までに及ぶ時間外勤務は結構きます。所属セクションが生徒指導部の場合、当該担任でなくとも応援要請が出るのは当然です。また、家庭訪問も担任と生徒間だけで済む問題ではなく指導がらみになってくると、生徒指導部員も随行することはよくあることなのです。

超のつく進学校などは、あまり生徒指導に時間がとられない代わり、教科指導・進学指導にたいへんな思いをしていることでしょう。しかし、外に出てなかなか思うようにはいかない人間相手の超勤はしんどいものです。それでもまた、明日は早朝から学校なのですから・・・

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私の在職時代の校外時間外勤務はこれらがほとんどでした。実際例をちょっとだけ挙げてみましょう。

★深夜のディスカウントストアから、学校に万引き通報→自宅に呼び出し電話→現場直行

★バイク同乗、運転の目撃証言が山とあるのに、なかなか現場を押さえられないため、自宅、友人宅、アルバイト先と教員チーム10人近くがタッグを組み、勤務時間終了後午前様まで張り込み

★他校生徒とのケンカで警察沙汰になったため、これまた指導部員がそれぞれ学校居残り組、警察組、家庭訪問組と分担して、ことに当たった

★生徒のアルバイト先の店長から、生徒が客ともめごとになり収拾がつかないので店に来てくれと学校に連絡

★女子生徒がキャバクラでバイトしているという疑いがあるので(家庭からの連絡もあり)、教員が2人組となり、地域の店をシラミ潰しに店内潜入調査

生徒の問題行動がらみは挙げていたらキリがありませんのでここら辺りで終わりにして、次に多かったのが家庭訪問でした。指導がらみで家庭謹慎になった生徒の家庭訪問は当然勤務時間外です。そして不登校のこどもと話をするためにも毎日のように通ったものです。

なかにはとんでも珍連絡もあって、本当になんでも屋でした。

☆自宅の犬が逃げていなくなってしまったので、一緒に探してほしい

☆子どもが高熱出して動けないので、救急病院までクルマ出してほしい(救急車は近所に分かっちゃうのでダメなのだそうです。そしてタクシーを使う選択肢もこの家庭にはなかったのです)

☆深夜に夫婦仲についての相談連絡

☆日曜日、大会参加中、携帯に電話してきて、「いま娘と家電量販店でパソコン選んでいるんだけれど、出てきてアドバイスしてくれませんかね?」

・・・これまたキリがありませんのでここらにしておきますが、どう思われますか?

さすがに高熱を出した子どものケースだけは人命がかかっていたので出動しましたが、ワンちゃんの捜索まで付き合わされたのではたまったものではありません。家庭の過大且つ理不尽、正当でないな要求はきちんと断ることもまた大切なことです。

なぜなら、一教師の時間は有限であり、またできることも限られており、その要求を呑むことにより、教師としてもっと大切なやるべきことに注ぐ時間が奪われてしまうからなのです。

また、独り身でもプライベートの時間を削ってそれなりに大変ですが、家庭持ちの教師はさらにかわいそうです。彼らも家に帰れば夫であり妻であり、またお父さん、お母さんなのです。学校の子どもももちろん可愛く大切ですが、自分の子どもとの時間だって持ちたいに決まっているじゃないですか。

教師が教師らしく毎日イキイキといられるためにも、十分に心身を休めるための時間が必要なはずです。そして教師であり続ける限り、自己を高めていくための時間が当然、これまた必要なはずなのです。でも、私の現役時代はそういったしあわせな時間を私が確保することは現実が許さなかったのです。

ちょっと、かわいそうでしょう。こうしている今もなお、当時の私のように苦しんでいる先生方がいると思うと、身体を壊したとはいえ、現場に見切りをつけた自分はいたたまれなくなるのです。

しかし、本当に必要とされている時間外の教育活動、家庭の要望を「勤務時間外ですから」の一言でバッサリと切り捨てることなど教師であるならばなかなかできることではありません。

ここに、教師の仕事の特殊性が強く現れています。ここまでが学校、教師の仕事、ここからは家庭の領域~などとキッチリカッチリ線引きできるものでもないのです。実際の現実問題として、時間外であっても対応せざるを得ないのです。

時間外だからといって、完全にシャットアウトなど、まずできません。これが現実です。それでは、これから先、教師は家庭はこの問題とどう向き合っていけばいいのでしょうか?

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教師の厚意に甘えすぎの現状を変えていくためには

こんな大変な時代に、これからわざわざ教師という職業を選ぶ方はもちろん、現役教師もはじめは高邁な理想に燃えて教師を志したのでしょう。

お金とか待遇とか安定性だけを求めて現場に足を踏み入れたデモシカ先生以外は、教師の仕事が時間キッチリカッチリに終えられるような性格のものではないことはハナから理解しているはずです。

若槻さんではないですが、「勤務時間外だから」ではほんとうに寂しいじゃないですか。しかし、彼らだって早く帰りたいし、教師の仕事以外にもやりたいこと、やらねばならないことがきっとたくさんあることでしょう。それでも彼らが時間外勤務を自らの意志で行っているのはすべて学校、子どものためなのです。

かれらのプロ教師としての誇り、矜持が中途半端なことを許さず、いわば自己犠牲の精神であくまでも善意・厚意でやっているにすぎないのです。

それをモンペのような親が、当たり前のように思うのは傲慢な恥ずかしい勘違いです。

そもそも、学校・教員に対して消費者目線でさまざまな要求をゴリ押ししてきた父兄が、17:15以降にも教育サービスその他を求めるのは「?」「?」が付くのではないでしょうか?家庭がビジネスライクな対応をしてきたのであれば、学校からビジネスライクな対応をされたって何も言えないはずでしょう。

つまり何が言いたいのかと言うと、教師が腹をくくって仕事をしているのでれば、家庭もそれなりの覚悟で教師に相対すべきであると言いたいのです。

教師は学校では正直何でも屋ではありますが、最近の家庭は学校・教職員になんでもかんでも求めすぎです。これまでも繰り返し述べてきているように、学校と家庭、地域は本来手を携えて子どもたちに寄り添いリードしていく同志のようなものです。決して敵対関係などではありません。

だったら、教師サイドが頑張っているのであれば、少しでも教師の負担が軽くなるようにアシスト、フォローしてくれたって罰は当たらないでしょう。基本的生活習慣、しつけ、礼節などは家庭の教育によるところが大きいものです。せめてこれらを家庭でやってもらえると大助かりなのですが、これらを学校でもまた教師が一からやっている現状はほんとうにしんどいです。

教師の仕事は授業~などと言いますが、授業だけやって済むのは非常勤講師の先生だけです。その非常勤講師だって決して授業だけをやっているわけではないのです。授業の中でさまざまなしつけであったり口のきき方なども当然指導しているのです。

昨今、教師のなりての減少と教員不足問題がクローズアップされておりますが、教員志望者が大幅にダウンしてきているのは教職に魅力がなくなったからでは決してなく、教師を取り巻く労働環境の著しい悪化が原因なのです。

「やりがいはきっとあるだろうけど、その前につぶれちゃうだろうな」

「このような厳しい環境に自分は耐えられないと思う」

「学校オンリーの生活を一生続ける自信が自分にはない」

・・・これまで教員志望の学生さんからこのような声をたくさんもらいました。彼らだって自信を無くす前は熱い理想に燃えていたのです。

教師の労働環境をよりよいものとするためには、まずは何よりも家庭との良好な関係の構築が欠かせません。特にクラス担任、部活動顧問担当教師は早いうちから、いっしょに子どもと向き合い、寄り添いリードしていけるような良好な関係構築のための努力をしていくべきです。

カラダ的にしんどい思いをするのは全然耐えられるけれど、精神的ストレスだけはかんべん~という気持ちはきっとわかってもらえることと思います。やはり、学校・教師と家庭、お互いの歩み寄りが必要なのです。そのためにはお互いがお互いをより知る努力を続けていくことが何よりも大切です。

普段からお互いを知ろうともしないから、当然接触のチャンスなど訪れるはずもなく、何か問題があったときにはじめて面通ししたってうまくいく訳ないですよ。

それでは、これからどうしていくべきか?学校はどうあるべきか?

たとえ家庭、地域との関係がうまくいっていたとしても、教師の仕事には際限がありませんので、学校・教職員サイドの意識がなんら変わることがなければ、来る日も来る日も延々と仕事に埋没の毎日を送ることでしょう。

そこで、辞めたクチの一般人の視点で、学校を見つめなおすと今だからこそ見えてきたものがあるのです。「もう一度教師として働くのなら、こうする!」というものです。

現役時代に自らの「働き方改革」ができずに、身体を壊し辞めざるを得なかったあの切ない思いはもうたくさんです。こんな思いはみなさんにはして欲しくはないです。

できることとできないことをハッキリさせる。(特にやらないことを決める)

あれもこれも~と欲張りすぎ結局「あぶはち取らず」となった経験数知れず・・・みんなにいい顔をしたいがために、断ることをせず、結局みんなに迷惑を掛けることになれば信用をなくします。

自分のキャパシティを十分に考慮に入れたうえ、仕事を精査していくことはこれからの教師にとってとても大切に思えるのです。

仕事に優先順位を付ける

そんなの当然やっているよ!~という声が聞こえてきそうですが、果たしてほんとうにそうでしょうか?上の①とも関係してきますが、いまは「やらない!」と時には勇気のはずです。ある決断も必要です。

クラスの子どもを帰して、さあ放課後です。

A 明日までに絶対提出しなくてはいけない書類

B 明日の検定試験のための科での仕事割り振り等の準備

C 指導部の割り当ての校外補導出動

D クラスの気になる子どもの個別指導

E 部活動指導

F 明日の授業の準備

G 授業で気になった他のクラス生徒について、担任との相談

H 長欠の子どもの家庭訪問

・・・等々やらねばならぬことが山積ですが、とりあえず今はこれだけだったとして、あなたならどのように優先順位をつけますか?

これまでの私はやるべきこと、やらねばならぬことから目を背けたいがために、真っ先に気分転換もかねて部活へ向かっていたのでした。これでは、部活でさらにヘトヘトになって、さらに気分が重いまま義務的に次の仕事に取り掛かることになります。

このような場合、いまの私ならこうします。

C(校外補導)→A(絶対提出書類)→B(科の検定試験作業)

これらは、役割分担があらかじめ決められていて、自分がやることを大いにあてにされているのです。やらなかったり遅れたりすることは特殊な事情がない限り許されません。これらをまず、片付けるのです。

気になった子どもの指導等は緊急を要するものでない限り、自分のクラス、他のクラスの生徒ともに約束を取り付けるくらいに済ませた方がよさそうです。後先考えないで相談に入ると、予想以上に時間をとられるものです。

いま、自分の絶対やらなければいけない仕事のための時間は必ずキープしておくべきです。そして、長欠生徒の家庭訪問も今日、何が何でも行かねばならない事情がない限り、仕事が片付いた明日以降にするか電話連絡にとどめておくべきです。

部活動指導も行きたくてウズウズしてたまらない気持ちは痛いほど分かりますが、最後の顔出し程度で済ませても日ごろからの指導が生き渡っていれば生徒もわかってくれるはずです。明日の授業の準備ももちろん大切な教師の仕事ですが、優先順位の高いABCの前にはひれ伏すしかないのです。

本来なら、このようにマストタスクが一日に集中しないよう、前々から着々とその準備に入るべきなのです。いまだからこそ、そう思えるのですが戻ったとしたら、まず私はこの仕事の分散のための下準備から入ります。

他のスタッフに仕事を任せる余裕を持つ

学年主任と教科科長、そして生徒指導部副部長、部活動正顧問を持っていた当時、あれもこれもぜ~んぶ自分でやろうとして私は潰れました。自分がやったほうが早い、確実!とまったく当てにならない変な自信が、結局自分を追い込み挙句の果てみなに迷惑を掛けることになってしまったのです。

役職に対するチープな自負からか、他人にしごとを回すことは自分がラクしたいからだ~なんて思われることを恐れていたのかもしれません。いまならそれぞれのクラス担任、指導部スタッフ、副担任教師、副顧問と相談しながらお互いに仕事の割り振りが」できると思うのです。

一人の教師への仕事の集中砲火を即刻止める

これは教師経験者であれば、誰もが認める事実でしょう。なぜこのような悪しき慣習がなくならないかというと、答えはカンタンです。その方が管理職にとって確実で早いからです。まず、仕事を引き受けたがらない、ごねるような教員は無理に仕事を押し付けることに成功したとしても確実性がないからなのです。

だから、確実性を求めるなら忙しい教師に!~という訳のわからないことになってしまうのです。

いくら校内人事を掌握しているのは管理職だからといって、これまでのような人事の横暴はこれから先、そうそう許されるものではなくなることは誰の目から見ても明らかです。

仕事の割り振りには確実性、即効性といった効率的な面からのみとらえるのではなく、これからは「公平性」を打ち出していくべきです。ゼッタイに!!やらない教員にもやってもらいましょう。そしてやらないで実損が生じたなら責任を取ってもらいましょう。それぞれがそれぞれにプロ教師であるのですから・・・

まずは、これまで上からの無理難題をすべて受け入れてきた先生も、「それだけは、NO!!」と第一声を上げることから始めましょう。一人の声は小さくとも、真面目にこれまで学校、子どものために仕事をしてきた人間の声も後からどんどん続くことになれば管理職も無視することなどできなくなります。

私のこれまで歩いてきた数校の学校では、プロの管理職意識にあふれた先生には出会えませんでした。それは人間的には素晴らしい教頭、学校長にもたくさんお世話になりましたが、管理職であるからには皆にいい顔ばかりはできないでしょう。

イザ!!という時は毅然とした態度で強力なリーダーシップを発揮してくれるような管理職がいたらな~といつも夢見ていました。彼らは現場と上との板挟みにあり、立場上たいへんなのは想像できますが、好きでなった訳なのですから、前線に立っている教職員集団のためにイヤな役、憎まれ役だって時には引き受けてくれなくては困ります。

学校と言う場所は管理職の影響はほんとうに大きいところです。上に立つもの、リーダーからの一言に私自身、これまで何度救われたことでしょう。これから先、管理職を目指している先生はたいへんでしょうが、下々の胸の内、少しは考えてあげて欲しいのです。

これらの問題のほとんどすべては実は「お金」で解決する!!

単純な事なんです、教師の過重労働を一発一瞬で解決する方法は。みんな分かってはいるのです。でもデキない。それはお金が半端なくかかることだから・・・

教育公務員の場合、それぞれの自治体が限られた予算の中で、教職員の雇用にかかわる費用を捻出している訳ですから、とにかくこれ以上よけいなお金は出したくない・・・と考えるのも当然。

しかし、人命が危険にさらされる過労死レベルギリギリで必死に働いている教職員を前にして、これ以上の過重労働を強いることはできるはずもありません。私が考えているような以下のコトは、現場の先生方ならみんなきっと思っていることなのです。だからこそ、いまこそ実現させるべきなのではないでしょうか?他の予算を削ってでも。

教員の時間外勤務には相応の対価をキチンと支払うべき

教員定数の大幅改善

教師のデスクワーク対応の専門職員配置

教師の仕事のかなりのウェイトを占めている煩雑な事務作業・・・まったく教員の仕事ではない~とは言い切れませんが、このような仕事に取られる時間を、子どもたちに直接かかわる仕事に振り分けたいと思っているのは私だけではないはずです。

教師でなければできない仕事に注力できたら、どんなに助かることでしょう。

教師の勤務評価を具体的に目に見えるカタチで数値化し、評価を具体的に待遇に反映させる

・・・これは賛否両論分かれて当然です。学校に、教員の仕事にビジネスライク的な考え方が入り込めば、さまざまな問題が浮かびかがってくることは火を見るよりも明らかです。しかし、あえていま提案するのは、「そんなことは学校の体質に合わない」などと悠長な実に眠たいことを言ってられる段階はもはや過ぎ去っているからなのです。

こうすることによって、これまで教員の待遇、身分に胡坐(あぐら)をかいて定年まで学校に居座っていた窓際教員も、少しは動かざるを得なくなることでしょう。こういった教員のツケを真面目な教師が払わされてきたのですから、いまさら文句も言えないでしょう。

支援員も含めた人材の積極的活用

現在では自治体にもよりますが、さまざまな分野で支援員の方が活躍されています。こういった色々な人たちが学校にかかわることによって、子どもたちはもちろん、これまで地域に閉ざされていた学校を開放するのにも役立ってくれるのです。

部活動は、その分野の経験者・専門家を一般から広く登用していく

ブラック部活」でもさんざん話してきましたが、部活動顧問(運動部、その他積極的に活動している部活動)の負担は半端ではありません。現在でこそ、自治体により積極的な登用がなされているようですが、まだまだ問題も多いようです。

しかし、専門的・よりテクニカルな分部についての指導も受けられ、何より競技経験者、専門家から受ける刺激が励みになる~などの明るい声も聞こえてくるようです。その分野がまったくの未経験である場合、顧問になったらさらにさらにその負担は一生懸命にやろうとすればするほど、教師の双肩にのしかかってきます。

ボランティア、地域との交流促進、父兄の積極的活用

地域の行事参加、部活動大会引率、部活同アシストなどでこれらの人々善意に甘えるだけでなく、教員自らも自らできるパートは惜しみなく協力し合う。これらは無償でも「やりたい!」という人は結構いるものなのです。先述のように学校にさまざまな人たちがかかわってくるようになることは、お互いにとって望ましいことのはずです。

かなり大雑把に教師の負担軽減のためのお金で解決するであろう方策を見てきましたが、⑦のみはこういった方々の善意厚意に頼るところが大きいものです。まずは、地域、父兄の方々に積極的に学校にかかわってもらうような仕掛け、仕組みづくりから始めていくのがよいでしょう。

最初は教職員の負担も大きいでしょうがいったん回りだせば、きっと教職員・父兄・地域がともに子ども、学校を見ていく~という望ましい関係にもっていくことは可能でしょう。

実は、これらの七つの方策と同じくらい大切なものがあります。それは職場の人間関係に関係するものです。

いくら教職員負担軽減のためのお膳立てが揃ったとしても、現場の人間関係が最悪であれば仕事どころじゃなくなるでしょう。そうなのです。職員室の雰囲気が良くなるのも悪くなるのも、もちろん個々の人間によるのでしょうが、ほんとうのところ繰り返しにはなりますが、一番大きな机を使っている教頭など管理職によるところが大なのです。

全体の雰囲気がよくなるようなちょっとした心遣い、率先した声掛け、職場の人間関係への目配りなど、自分の仕事だけではなくスタッフ全体のことを考えていかなくてはならないのですから本当にお疲れ様です。

このように大変な気苦労をかかえている管理職を思いやる気持ちをもまた、周りの人間も持ちたいものです。職階、立場こそ違えど、志は同じ同士・同志なのですから・・・

嘆いてばかりでも、文句を垂れてばかりでも現況は変わらないと思います。まずは、自らのポジションでいま、できることから始めていくしかないのです。

私の二の舞には決してならないよう、身体だけは大切にしてくださいね。




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