教育・教師 生徒指導/教育技術

教室で生き物を飼うという事~クラスの環境整備、掲示物はどのように生徒に影響するか?①~♪「いのちの歌」茉奈佳奈

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私が小学校のころ、学校鳥として金鶏(きんけい)を頂点に、ウサギ、にわとり、チャボが飼育されていて、教室では金魚がクラスみんなをいつも見守っていてくれたのでした。そんなノスタルジックな気分にちょっと浸りたくて、クラスで生き物を飼い始めたのでした。小学校でも中学校でもなく、高校でです。

フツー、高校でいきものと一緒に過ごす~と言えば、農業科、畜産科などがイメージされると思いますが、そのような特殊な学校でなく普通の高校のフツーの教室で飼い始めたのです。今回は、環境整備の中でも、高校で生き物と一緒にすごすメリット、そして生徒に与える影響について一緒に考えていきたいと思います。

人間は環境によってつくられていく・・・

人だっていきものですもの、安全や安心、快適さなどを実現させようとします。人の「住まい」は人間が生きていく上での、よりどころとしてとても重要な場所なのです。家の設計、内装、インテリアなどは、こういったヒトが快適に生活できるように考えられてつくられているのですね。それであったなら、児童生徒の一日の大半を過ごすことになる教室も徹底的にこだわろう!と思いつき、初めて担任を持つことになったときから、最後のクラスまで一貫してクラスの環境整備に拘ってきました。

高校の時に受け持ってもらった担任教師が恐ろしい位、一切余計なものはクラスに置かない~というシンプル一辺倒主義で、もちろん掲示物も一切なし!のむき出しのコンクリート壁だけがいつも私たちを見守ってくれていたのでした。そんな冷たい感じの殺風景な教室も機能的なのかもしれませんが、私は息が詰まってしまいます。

教室は生徒の身の安全が約束される場所だけでなく、安らぎが得られる快適なところである必要があると私は考えます。入るハコによって、身を置く場所によって得られるこころの落ち着き、平穏もまた違ったものとなるのです。席替えで、前と後ろの出入口付近になった時って落ち着かなかったですよね。私的に一番の特等席は窓際の一番うしろでした。いつもお日様を眺められて、左側は誰も邪魔するものがいなくって、黒板、教壇からいちばん遠い席~おそらくみなさんと一緒だと思います。

そんな高校時代の原体験と、小学校時代の動物との想い出から、教室環境にこだわってみよう!と思いついたのでした。

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教室を自分色に染めるのではなく、こどもに染めさせる!

私のボンクラ頭で思いつくことができたのは、①いきもの飼育 ②掲示物 ③図書整備 ④草花飼育 ⑤音楽 ⑥徹底清掃~この6つでした。

この6つのことを進めていくにあたって、最初に自分に言い聞かせたことが「クラスは自分が主役ではない!」ということでした。自分の好きなものでクラスを埋め尽くしていけば、それは私は快適ですが、生徒がそう受け止めるとは限りません。あくまでも、こどもたちがどう思うか、どう感じるか~ということを念頭に置きつつ準備を始めました。

その過程で、いちばんやりたいことなのだけれど最後までやるかどうか迷ったのが、「いきもの」なのです。
「あえて大人になりつつある高校で、これをやる必要があるのか?」
「動物キライな生徒も当然いるだろう!」
など、マイナス面ばかりが先行してしまい、立ち止まってしまったのでした。

それでも、生き物を育てていく、一緒に過ごす~ということを経験することで、デメリットを補って余る「何か」が得られるはず~と強く自分に言い聞かせたのでした。

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いきもの、何にする?そして、トラブル発生!

生き物を飼うと決めたら、次は何にするか?を当然決めなくてはなりません。クラスで一緒に過ごすいきものの基準はやっぱり、

①万人受けする

②世話が比較的カンタン、だれでもできる

③かんたんには死なない、丈夫ないきもの

④ニオイがあまりしない生き物

~の4つ、これでした。

本当は、私的にはハムスターとか爬虫類を飼いたかったのです。でも、予想はしてはいましたが、管理職のGO!サインがこれらでは出ませんでした。そのうえ、爬虫類は女子生徒が苦手でしょうし、ハムスターはいじくりまわされるとすぐ弱ってしまって不向きだと考えて没になりました。

そこで、無臭、世話カンタン、眺めてて癒される「カメ」と「熱帯魚」にしました。このいきものたちでスタートを切ったのですが、飼い始めてから半年ほど経って問題が起きました。熱帯魚のため、サーモスタットを設置したのですが、なぜか水温が高温になり、魚がみんな茹で上がってしまったのでした。お陀仏になってしまったお魚さんには本当に申し訳ないのですが、悲しんでばかりいられません。埋葬しなくてはいけないのです。生き物である以上、当然ゴミとしてなんて捨てられませんもの。

その埋葬も、許可を含めてすべてこどもらにやらせようとしたところ、ひょんなことから「やりたくない」とか「すきで飼ってる人ばかりじゃない!」とかゴタゴタ出てきたので、「じゃ、やめるか?水槽すべて引き上げてもいいんだぞ!」と全体に投げかけました。不思議なことに、やっぱり「飼いたい!」「いなくなるのはイヤだ!」という意見が多数を占めたのでした。

そして、せっかくの機会だったので、イヤな生徒の意見も突っ込んできくことにしました。やはり、カメの臭いがそれなりで、弁当の時間がツラい!という意見が多く見られました。そこで、これまで日直の仕事としていた生き物の世話を見直すことにしたのです。HRで議題にしたところ、日直といきものがかりが協力して日々、世話にあたる~ということで落ち着きつつあったのに、なぜか生き物係りに立候補した女子生徒二人が猛烈に反対して、自分たちで責任もってやるから~と反撃に出たのでした。

これまた意外でしたが、結局、いきものがかりと私が日々世話をし、係りができない時は日直がやるということで決着しました。それからは、やはり立候補しただけあって彼女らが責任を見事に果たしました。カメなどは日光に当たらせるため中庭散歩に連れて行ったり~と、こどもらなりになごんでいたようです。

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いきものは、こどもにどのように影響を与えたか?

よく、いきものを学校、クラスで飼う意義として、

①命に対する責任、生命の尊さを感じさせることができる

②いきものへのいたわり、愛情を感じることができる

などが挙げられると思いますが、私のクラスの場合、もちろんそのような事もあったのかもしれませんが、それ以外の予想しなかった影響がたくさんありました。

①クラスの雰囲気があたたかくなった

②生き物がいることで、クラス内外、教科担当との話題に事欠かないようになった

③生徒同士の会話が増えた(これまでの友人関係をこえて)

④トラブル処理対応に免疫が多少ついた


~などがおもな影響でしたが、生き物を飼うということは結構たいへんです。予想しないトラブルがつきものです。一時、カメさん全員が皮膚の疾患にかかり、日光浴をさせてもダメで天に昇られたこともありましたし、水槽にジフというクレンザーをぶちまけられ魚全員がお亡くなりになられたこともありました。

そのたび、こどもたちで話し合い、いろいろ前向きにがんばっていたのは微笑ましいのですが、担任としてはそれでなくとも忙しいのに、自分の首を自分で絞めているわけですから笑うに笑えません。仕事量が増えることだけは間違いありません。相応の覚悟は必要です。

それでも、私は小学校に限らず、中学校そして高校で生き物を飼うことをおすすめします。掲示物でも草花でも、安らぎを与えてくれることはもちろんあります。しかし、いきものだけが持つそのパワーには勝てません。最後にクラスの生徒が言った忘れられない言葉がありますので、みなさんに贈ります。

「ただ生きている~それだけなのに、すごい!と思った」

「いのちの歌」曲 村松 崇継 詞 Miyabi(竹内まりや) 歌 茉奈佳奈(マナカナ)


 

 

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