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定時制高校教員って大変?ラク?どんな感じ?~異動で迷っている先生へのアドバイス!~

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午後1時~10時勤務、夕方からはおいしい栄養満点の給食が食べられて、全日のような部活地獄はなし。一日のコマ数も少ないのでゆとりがある上、手当までつく。生徒、家庭環境はバラエティーに富みすぎ、実におもしろい。全日制ではとかく苦労する、頭髪、服装指導などからは全面開放、しかし生徒指導は内外の人間関係が複雑に絡み合っているのでそれなりにたいへん・・・

私の経験から「定時制高校」についてカンタンに言うとこんな感じになります。二校目からの異動校として、定時制を考えている先生!長い教師人生の中で、定時制高校勤務は決して無駄にはならないと私は思います。老いも若きも熱意ある方はぜひ、異動先の選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。

でも、やはり何でも物事、一長一短があるもの。私は兼務教諭として1年間昼夜間併設の定時制高校に籍を置きましたが、やはり二足の草鞋(わらじ)はつらかったです。どちらともやり尽くせないもどかしさ、切なさがありありで子どもたちにもきっと伝わってしまっていたことと思います。

今回は、私が垣間見た定時制風景を、生徒事情を中心にかんたんに紹介したいと思います。

「定時制高校」と聞くと、夜、仕事を終えた社会人が通う学校~というイメージがもしかしたら思い浮かべられるかもしれません。でも昨今の定時制はちょっと事情が違います。私が担当していた3科目3クラスで定職に就いていた生徒は3名程度。3割程度がアルバイトで残りは無職でした。

年齢構成もまちまちかというとそうではなく、そのほとんどが20歳近くに集中していました。わたしの勤務していた高校は昼夜間併設で教室も共有していましたので、従来の教室のイメージとはちょっと違っていました。掲示物も極力少なく、生徒たちは連絡事項を自分で教師より確認し心に留め、それでも漏れてしまう連絡は連絡網を使って行われていました。机も「一時の自分の机」といったイメージではなく、授業が終わったならば全て何も残さず去らなければなりません。

兼務教諭として彼らとかかわってきただけなのですべてを見通した言い方は決してできませんが、クラス所属意識・愛着といったものは往々にして薄いのかもしれません。他人に関して無関心で覇気がない生徒も多く見受けられました。(あくまでも私の経験校に限ってのはなしになります)

これらは、全日以上に生徒はとにかくバリエーションに富んでいて「個」「個性」が強すぎることから来ているのかも知れません。昼間でありがちな「横並び」の雰囲気などみじんもありません。とにかく「オレは俺」「私はわたし」~といった一本柱が通った感じは、ある意味潔いです。

外国籍、発達障害、不登校、引きこもり、他傷自傷行為、多動、欠損家庭(差別用語かもしれませんが当時はこう呼ばれていました)、生保(生命保険じゃありません、生活保護です)などなど当たり前。全日以上にさまざまな環境・事情を背負っている生徒たちが集まっているせいか集団が醸し出す雰囲気、オーラも一種独特です。

ちょっと引いて考えてみれば分かることなのですが、現状でさまざまな事情を抱え込んでいるだけでなく、過去にもまたさまざまな経験をしてきて傷ついてきた生徒たちが多いのです。こういった生徒たちを相手に授業をするのはしんどくもありましたが、やりがいのほうが私は多かったのです。

「しんどい」というのは、それは全日以上に教師の力量が問われる場だからなのです。ここでいう力量とは教師力、人間力はもちろんのこと授業力も含めてのすべてのちからです。まず、授業がノレない面白みのないものであったなら彼らは机に突っ伏して一時限中ずっと爆睡です。当然、彼らを授業に向き合わせるべくリキを入れることになりますので、おのずから授業力は磨かれていくことになります。

私立、国公立高校~とひとくくりに簡単に言いますが、公立高校だけを取ってみても全日制、定時制、通信制、特別支援~とこれだけあるのです。私は国立高校と特別支援学校以外は経験してきましたが、定時制ほど生徒層がバリエーションに富み面白みあるところはないと今でも私は思っています。

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この時の印象が強すぎて二校目三校目~と異動希望を定時制にしたのですが、その望みが叶うことはありませんでした。このように定時制、通信制高校は教師から見ても魅力にあふれていて異動地としては昔も今も人気です。

全日であっても勤務が午前様になることが少なくなかったことを考えると、午後一時から午前様まで仮に学校で頑張ったとしても勤務時間も短く、部活動も全日ほど活発ではなく、おまけに長期の休みは比較的取りやすい~となれば定時制が天国に映ります。

しかし、家庭を持たれていて、いつも午後一時~九時勤務はちょっと~塾の勤務時間帯みたいで~という方はツライといえばつらくもなるのでしょう。たしかに生活のリズムは変わり狂わされもします。でも、人間、人にもよりますが順応性のあるいきものです。馴れるまではちょっとたいへんであっても、やがて時間が解決してくれるはずです。

私は全日で頭髪・服装などの指導による、学年、全校での指導の整合性などに悩み葛藤してきましたので、これらの指導から一時でも解放され、それ以外のことに集中・注力できたのは単純にうれしかったですね。教師がこれらに費やす時間・労力は無視できないものであり、教師であればもっと彼らと向き合う時間に自分の時間を費やしたいと思っているはずです。髪の色、ピアス、制服・服装、化粧、持ち物など本来、他に迷惑を掛けないかぎり個性を現わすものであり、自由が約束されていいはずですよね。当時は校地内の喫煙が教職員だけでなく、20歳以上の生徒については許されていましたのでおおらかな時代でもあったのです。

化粧指導、頭髪指導のあり方、問題点については前に詳しく話しましたのでこちらをご覧ください。

高校で化粧を禁止する理由~化粧指導の是非~化粧指導はどうあるべきか?

なぜ茶髪はダメなのか?~頭髪指導ってなんでやるの?

定時制に勤めていちばん新鮮であり勉強になったのは、私のなかではやはり外国籍、社会人(定職を持った)の生徒とのかかわりです。静岡に住んでいたころはどこへ行っても周りにブラジル人がいるのは当たり前の風景でしたが、私が奉職していた地域では生粋の日本人オンリーの世界でした。どの学校でも・・・ でもこれってもしかしたら普通じゃないのかもしれません。いろいろな人種、さまざまな人間がいても許される場所、いるのが当たり前のところ・・・そんな場所が学校なのですから。

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当時を振り返り、とても印象に残っている生徒がいます。彼女は中国籍であり、親の仕事の関係で来日してからは苦労の連続だったそうです。言葉の壁、職場、学校での差別、いじめ・・・私が経験したこともなく、想像すらできない修羅場を乗り越てきて現に今もなおそれらと闘っている。それでもいま学ぼうとしている・・・その真摯な姿勢は人の心を打つものがありました。

彼女は学校卒業後看護学校に入るためのお金のため、昼間ハードな仕事に就いていました。また意思の疎通が完全に日本語ではできないため、日本語も勉強の毎日です。そんなたいへんな思いをしてまで学校で学んでいるのです。彼女から私は「学ぶ」ということの意味、尊さを教えてもらったのです。

家庭環境にも恵まれ、お金の心配など一度もしたことがない子どもが家庭、学校への不満から非行に走り、学校を去っていく姿をこれまで幾度となく見てきました。これらは、「学ぶことの大切さ、尊さ、楽しさ」を伝えきれなかった我々の責任であると思っています。

全日制の子どもも、それぞれの環境下で頑張っていて決して一括りに語ることはできないでしょう。しかし、全日以外の高校でもまた、さらにさまざまな生徒たちが学んでいるのです。長い教師人生、一生「全日制」という枠のなかで生きるのも一つの道でしょうが、一歩踏み出して違った空気を吸い、景色を見てくるのも無駄には決してならないと思います。

次はどこで、どのような出会いが待っているのでしょうか?現職の先生しか味わえない贅沢な悩みですね。

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