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公立vs私立高校教師「なるならどっちだ?」違いと特性からの選択~教員採用試験~

投稿日:2017年8月6日 更新日:

その選択、ちょっと待った~!高校まで普通に公立できたので、当たり前のように教員採用試験も「各都道府県の採用試験」って早急すぎませんか?
何も学校は「公立」だけではなく、「私立」という立派な選択肢もあるのですから。
公立私立それぞれの勤務経験から、その違い、特性そして選択のポイントを今回はまとめてみました。

まず、何がしたいのか?自らに問うてみる!

ここからすべては始まる~といっても過言ではないでしょう。
なぜ、数ある職業の中からあなたは「教師、教員」という仕事を目指しているのでしょうか?
こどもが好き、児童生徒と共に自分も成長していきたい、教えることがが好き~ひとそれぞれの理由があることでしょう。


きれいごとを言うつもりはありませんので、最初にハッキリ言いますね。言葉が過ぎたらごめんなさい。
公立にせよ私立にせよラクをしたい、つまり、「頭は大したことないけど、エラソーにしたいし一生安泰な教員がいいかも」~なんて思っている人は絶対、絶対どちらにしても止めといたほうがあなたのためでもあるし、学校、社会、こどものためです。現場にはこのようなひとたち、教員が現実として存在するということを分かってほしいのです。
途轍もない例外はありますが、学力がかなりハイレベルなひとたちは間違っても小中高の教職などには就きません。就こうとさえも思わないそうです。ほんの一部の例外を除いて・・・
実際、東京大学出身のアルバイト学生と将来についてある塾で雑談したとき、彼は言っていました。
「なると仮定したら、大学教授ですかね」、続けてこうです、「教師の先生~って一瞬思いましたが、もう先行者がいますしね・・・」
「誰かに教えるってより自分で何かをゼロから創り出す仕事がしたいですね。」
人が敷いたレール、既存のプラットフォームには乗っかりたくないということなのでしょう。
寝る間も惜しんで、学校、こどもたちのため日々精進している、心から尊敬できる教師ももちろんいます。ですが私のこれまでの勤務経験上はごくわずかでした。
言葉は悪いですが、中途半端に勉強ができたエリートくずれが人様の大切なこどもを預かり、将来を決定づける仕事をしている訳なのです。
過去の私も含めて。

教育は人づくり~とよく言われますが、むしろ児童生徒から教わること、気付かされることが本当に多い仕事です。
つまり「身の程をわきまえる」「自らを冷静に省みる」ということを忘れて欲しくないのです。
このことが出発点として非常に大切だと今の私は思えます。

腹がすわれば・・・しかし、似て非なるもの・・・

もうあとは何も心配に及びません。
自分を振り返り、自分と対峙した結果、見えてきたものがあるはずです。
あなたが教師となってしたいこと、これが実現可能なステージをみつけていくだけです。
例えば地元に戻って、故郷に恩返しがしたい~というのであれば自ずから選択肢は限られてくるでしょう。
また、特殊な技能、スポーツの経験者であったなら自然と候補の学校は絞られてくるでしょう。

それが私立であろうが公立であろうが自分の信念、理想に向かって進むべきです。
この「自分の柱」となるべきものがグラグラしているようでは実にこれからが危ういです。
なぜなら、教育とは現実と向き合いながら理想を追い求め続けていく仕事でもあるからなのです。

その理想を追い求めていく前に知っておいてほしいことがあります。
私立と公立、この二者間、まさしく「似て非なるもの」という表現がぴったりです。
この二者間の違いを浮き彫りにするために、まず私立学校ならではの特色を挙げてみたいと思います。

授業がポイント!

まず、いの一番に挙げなくてはいけないのは「授業」です。
ご存知のように、私学の場合、公立学校と異なり、児童生徒の学力はある程度平均化しています。
生徒指導(ここでは問題行動のみに限定)に公立より比較的時間が取られない分、授業によって「成果」を出すことがシビアに求められます。
最近では公立学校にも自己他者問わず勤評制度が導入されつつありますが、私立はもっと厳しいです。

つまり、授業の「質」が問われるということなのです。
私も公立高校から私立高校に転職した時に、教師を生徒に見立てた「模擬授業」がありました。
教授内容のみを見るだけだと高をくくっていたのでしたが、ちょっとビックリでした。
「生徒」が途中で眠りだしたり、歩き出したりするのはまだ仕方ないとしても、いきなり掴みかかってくるのですから・・・
教育困難校の経験が長かったので普通どうりに「先生」を指導しましたが、状況把握、処理能力もしっかりとみられたのでした。

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そのため、私立学校ではいきなり「専任」(公立では教諭)で採用はせず、常勤講師等で採用し数年様子を見てから「専任」で採用~というところが多いのです。
それだけ、授業の質、成果を出すことが求められる世界と言えるでしょう。

そもそも、なぜにわざわざ公立学校の3倍以上の高いお金を払ってまで「私立」を選択するのか?~という素朴な最初の疑問に立ちかえるべきなのです。
家庭、児童生徒の選択肢には当然、「公立」もあったはずなのです。
余分なお金を払う分の付加価値が求められて当然です。
そこには当然「投資」という概念が入り込みます。
何に投資するのかと言うと、それは児童生徒の「出口」であったり、人脈、ブランド、将来性~といった付加価値でしょう。
公立のようにただ、トコロテンのように大量に見送るだけでは誰一人として入ってきてくれやしないのです。
つかりお金を受け取っただけの「価値」を学校としては提供しなくてはいけないのです。

何年もの間、下準備一切なしで同じ教材で同じ授業をやっていても公立では誰も文句なんて言ってくれません。
仮にあったとしても、それがまかり通ってしまうのが、公立学校の怖いところです。

私立学校ならではの特色

①独自の教育方針、指導方針を打ち出している

そうあらねば、現況の下、私学は生き残っていけません。何があっても潰れない公立学校は別です。閉校、統合があっても教員は人事異動で他に行くだけです。

②特殊な教科、技能に応じた科を設けているところが多い

教科科目だけでなく、スポーツ、文化問わず部活動、課外活動等においても独自の味を打ち出しているところが少なくありません。

③処遇待遇いろいろまちまち・・・

巷の情報では私立学校教員平均年収、40歳時、7,160,000円、公立学校平均、6,740,000円~などとなっていますが安直にとらえてはいけません。
あくまでも、私立学校の場合は「平均値」です。
公立学校はその通りでしょう。私が退職した時の年収が手当税込で約7,000,000円でした。
つまり、私立学校は学校によってバラつきがありすぎる~ということなのです。
40歳時で軽く10,000,000円を超える年収の学校もあれば、40になっても3,000,000円を行ったり来たり~という学校もあるということです。
学校の経営状況がもろにダイレクトに給与に反映されるのが私学なのです。
ほとんどの学校の経営状況は安定していると思ったらそれは安易な考えです。
次の特色の「広報」が如実にその厳しい現実を物語っています。

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④広報

これ何のことだと思いますか、そうです。「生徒募集」専門のセクションが私立にはあるのです。
公立高校等では「渉外」っていうセクションがありますね。
お客様である生徒児童が入ってきてくれなければ学校は存在できないのです。
塾、小中学校まわりから、高校まで行くのですよ。高校は中途退学者を送ってもらうためです。
各学校のホームページを覗いてみてください。そして公立と私立をじっくりと比較してください。
いかにもダサく、使い勝手がわるく、一応つくっただけ~というものが公立に多い中、私立はお金も人も労力もとことん使っています。
作り込んだ、訪問者に優しい見栄えのするHPが多いはずです。特に女子高なんて、制服のアピール度がすごすぎです。
つまり、アピール度、本気度が公立とは違うのです。自分たちの死活問題、生命線ですから、生徒募集は。

⑤チャレンジ精神

公立では「例年通り」「恒例ですから」がキャッチフレーズのように何万回と今も言われていることでしょう。
つまり、前年、前例を「踏襲」し、「滞りなく」やることがある意味求められます。
何か新しいことをやる!となったらこれはもうチャレンジャー以外の何物でもありません。
なにをやるにしてもお金がついてまわること必死!根回しから書類の書き起こしやら、気が付いたらあっという間に一年~なんてことざらです。
新しいことにチャレンジできるような環境とは言い難いです。
そこのところ私立の場合、学校内で処理できることであれば、それが教育上必要と認められれば、議題に上り、あとはスムーズに行くということもあります。

⑥コネ、ツテの人が多い

これは個人、学校法人運営のとろですから致し方ありませんね。
とにかく多いです。いろ~んなところで繋がってます。
私はフツーに採用試験を受けたのですが、初出勤当日、たくさんの教師から「だれの知り合い?」ってきかれました。
当然人間関係にも・・・

⑦基本異動なし

系列、小中高間での移動があるところも当然あるでしょうが、基本異動なしと思ってください。
人によっての受け止め方はさまざまですが、私はこのことについては教師にとってはマイナスに影響すると考えます。
人間が固定されているから、人間関係が最高の時は居心地のいい職場、関係が最悪の場合は異動転勤できないので最悪、やめるしかない・・・
と普通のひとは考えると思います。
しかし、私の考えることはそれとは違った次元の問題なのです。
教師もまた、さまざまな人、教師、児童生徒に巡り会ってお互いに影響を与え成長していくものだと信じるからです。
たしかに人員、学校の固定化はじっくりと腰を据えて教育活動に励むにはもってこいかもしれません。
しかし、こういった環境では慣れ合いの状況に陥ってしまう可能性だけでなく、あたらしい出会いまでも失ってしまうようで怖いのです。
こればかりは人それぞれですから、なんとも言えませんが、私だったらさまざまなリスクはありますが刺激も得るものも多い(と思われる)公立を迷わず選びます。

⑧能力、実績の評価がシビア

学校の評価を上げることに貢献できない、つまり努力しない、当然実績も出せない、指導力のない教員はまず切られるということです。
一度採用試験に受かってしまえばあとは死亡ひき逃げ事故など起こさない限り一生安泰~の公立とは大違いです。
ただ、私立学校もまちまちです。
進学、就職実績を上げるためにそれこそ血眼になっている学校があるかと思えば、公立不合格の受け皿となっている私立の「教育困難校」などでは、
授業の質ももちろん大事ですが、生徒指導力がより問われることでしょう。
つかり、何の努力もすることなしに、学校に貢献できないものは生き残れないということなのです。

そして、結論まとめ!

すべては自分次第、自分の内なる主の声に耳を澄まそう!

教員の転職は潰しがきかない、慎重すぎるくらいがちょうどいい!

それぞれに一長一短、よって正解はなし!

どっちに進んでもそれがあなたの生きる道!



 

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